政府は2023年6月1日に「異次元の少子化対策」における素案を発表しました。

そして6月13日に行われたこども未来戦略会議では、加速化プランが決定されました。

これにより、児童手当の対象が高校を卒業する18歳まで延長される見通しです。

一方で、現行制度から新しい拡充案を継続的に維持するために必要な財源は、どのように確保する予定なのでしょうか。

今回は、新しく拡充される児童手当の素案と、財源案について解説します。

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児童手当の拡充案とは?

児童手当の拡充案が盛り込まれている「こども未来戦略方針案」によると、以下の3点を拡充する見通しです。

  • 所得制限を撤廃
  • 支給期間を高校卒業まで延長
  • 第3子以降の給付額を増額

それぞれの項目について確認してみましょう。

1. 所得制限を撤廃

新たな拡充案では、児童手当の所得制限が撤廃される見通しです。

現行制度の児童手当では、給付額が5000円になる「所得制限限度額」と、給付が受け取れない「所得上限限度額」が設定されています。

それぞれの収入の目安は、表1の通りです。

【表1】「所得制限限度額」と「所得上限限度額」の年収目安

出所:内閣府「児童手当制度のご案内」

拡充案では「全員を本則給付」とする記載がなされたため、所得制限を撤廃して給付が支払われる見通しです。

2. 支給期間を高校卒業まで延長

児童手当の支給期間は、高校生まで延長する方向でまとまりました。

支給額は明記されていませんが、現行制度では中学生の間は月1万円が支給されています。

そのため、支給期間を延長する場合、高校卒業まで月1万円が支給される見通しです。

高校生まで児童手当が支給された場合、1人の子どもにつき36万円が増額されます。

3. 第3子以降の給付額を増額

第3子以降の児童手当も増額になります。

現行制度では、3歳から小学校修了までの間、第3子以降には月1万5000円が児童手当として支払われていました。

新たな拡充案では3万円を支払う見込みで、現行制度から倍増します。

以上が、児童手当の拡充案です。

では、児童手当を拡充するために必要となる財源について確認してみましょう。