厚生労働省が2023年5月30日に実施した社会保障審議会では、次の年金制度の改正に向けた検討項目を提示しました。
提示項目の1つに、遺族年金も含まれています。
遺族年金は、家計を維持している人が亡くなった場合に、要件を満たす遺族に対して支払われる年金です。
本記事では、2023年6月支給分からの遺族年金の受給額や、遺族年金が受け取れないケースについて解説します。
1. 遺族年金の受給額
遺族年金は、国民年金と厚生年金のどちらに加入しているかで、種類が異なります。
- 国民年金の加入者:遺族基礎年金
- 厚生年金の加入者:遺族厚生年金
自営業やフリーランスは遺族基礎年金、会社員で厚生年金に加入している人には遺族厚生年金が遺族基礎年金に上乗せして支払われます。
それぞれの遺族年金の受給額がいくらになるのか、次で確認してみましょう。
1.1 遺族基礎年金の受給額
遺族基礎年金の受給額は、配偶者と子どものどちらが受け取るかで、受給額が異なります。
受給額は、それぞれ以下の通りです。
子どもの人数ごとに配偶者が遺族年金をいくら受給できるのか、それぞれ確認してみましょう。
3人目以降は、年額で7万6200円が加算されます。
では、遺族厚生年金について確認してみましょう。
1.2 遺族厚生年金の受給額
遺族厚生年金は「老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3」が支払われます。
報酬比例部分の計算方法は、下図の通りです。
平均報酬月額が30万円で、厚生年金の加入期間が25年だった場合の遺族厚生年金は、以下の通りです。
加入期間は2003年4月以前が5年 2003年4月以降が20年の場合
- 30万円×7.125÷1000×60×0.75=9万6187円
- 30万円×5.481÷1000×240×0.75=29万5974円
上記の金額に、遺族基礎年金とあわせた金額が受給額の合計です。
遺族厚生年金の加入期間が25年に満たない場合は、加入期間を300月とみなして計算されます。
では、遺族年金が受給できないケースについて確認しましょう。