積立投資「月3万円・3%」でシミュレーション

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」にてシミュレーションした結果をもとに筆者作成

金融庁「資産運用シミュレーション」で試算をおこなうと、月に3万円を積み立てて3%で運用した場合、40歳から60歳までの20年間で984万9000円になる試算です。

銀行などに毎月3万円ずつ20年間貯金をしていくと720万円になりますが、積立投資はリスクがある一方で、運用によって利益が生まれ、資産を増やすことが期待できます。

シミュレーションでは264万9000円の利益が増えて合計984万9000円になり、この点が毎月同額を貯金してお金を貯めていくことと大きく違う点です。

参考までに月3万円の積立投資を3%で運用した場合、10年間なら元本が360万円に対して資産は419万2000円に、30年間続ければ元本が1080万円に対して資産は1748万2000円になる予定です。

積立投資「月3万円・5%」でシミュレーション

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」にてシミュレーションした結果をもとに筆者作成

今度は月3万円の投資額は固定したまま、5%で運用した場合のシミュレーションを見ていきます。

40歳から60歳までの20年間の積み立てによって元本は720万円、資産は1233万1000円になります。3%での運用よりもさらに大きく増やすことができる試算です。

10年間なら積み立てた元本は360万円、資産は465万8000円に、30年間では元本は1080万円で、資産は2496万8000円になる予定です。

試算を見ると、長期になればなるほどに大きく増やすことが可能とわかります。

NISAで効率よく増やすことも可能

NISAは少額投資非課税制度といいますが、投資による利益が非課税となる制度で、2014年からスタートしています。現行制度の投資額上限や期限設定などNISAのルールが2024年から大きく変わります。

たとえば年間の投資額上限額が大幅に上がることなどが決まっており、より私たちが資産を増やしていきやすくなります。

上記のシミュレーションのように、積立投資によって利益を生み出し、資産を増やしていくことができることがわかりました。しかし通常の積立投資では、生まれた利益に対して20.315%の税金が課せられます。

これに対してNISA制度を活用して積立投資をすれば、運用によって生まれた利益に対して掛かる税金がゼロとなります。

税金が引かれない分、私たちは資産を効率的に増やしていきやすいといえます。NISA制度を活用することは、資産を増やす手段として検討してもよいでしょう。

まとめにかえて

今回は40歳代の貯蓄額とともに40歳から60歳での投資シミュレーションを見てきました。

40歳から60歳の間には20年という時間があります。「投資は時間が味方をする」とはよく言われていることですが、長期投資は資産を増やすための大切な要因のひとつです。

いまは人生100年が現実となりうる時代です。まだ間に合いますので40歳代から20年、30年と長い時間をかけてじっくりと資産を増やしていくことを考えてみてはいかがでしょうか。

もうすぐ夏のボーナスの時期なので、これを機に家計管理や資産運用を検討されてみるとよいでしょう。

参考資料

高橋 禎美