40歳代は働き盛りの年代です。仕事で経験を重ねて、裁量をもって責任ある職務についている方も多いことでしょう。

一方で40歳代は年齢的に子育てにかかる教育費や住宅ローンなどを抱えていて、将来のことについてはあと回し、という人も多いのではないでしょうか。

今回は40歳代がいくらくらい貯蓄を持っているのかを確認して、40~60歳までに積立投資でどれくらい増やすことができるのか、シミュレーションしていきます。40歳から積立投資をはじめてもまだ間に合うのか、を判断できるのではないかと思います。

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40歳代「二人以上世帯の貯蓄額」はいくら?平均と中央値も確認

まずは40歳代の貯蓄額を夫婦世帯とシングル世帯の世帯別に見ていきます。

40歳代夫婦の貯蓄額は?

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」をもとに筆者作成

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によると、40歳代夫婦世帯の貯蓄額は平均で825万円、中央値では250万円でした。

40代夫婦世帯では金融資産を持たない人が26.1%、100万円未満では37.2%です。貯蓄額が100万円未満と少ない世帯が多く、このため平均値よりも中央値が下がっています。

一方で2000万円以上の金融資産を持っている世帯は10.1%で、全体の1割は大きな資産を保有しています。40歳代では資産額分布の広がりが大きく、資産の持ち方には格差があることが分かります。

40歳「ひとり世帯の貯蓄額」はいくら?平均と中央値も確認

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] (令和4年)」をもとに筆者作成

40歳代のひとり世帯の貯蓄額はどうでしょうか。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると平均は657万円で、中央値は53万円でした。グラフから確認できるように、金融資産を持たない人が35.8%と多く、100万円未満で50.6%と半数を超えています。

夫婦世帯に比べると、1人で生活することで一人当たりの生活コストは基本的に高くなります。また、夫婦世帯で2人ともに収入があればシングルよりも貯蓄はしやすいといえ、このためシングル世帯の貯蓄額は夫婦世帯よりも貯めにくい傾向がみられているのでしょう。

40~60歳までの「月3万円」の積立投資をシミュレーション

では、40歳から積立投資を始めたら、どれだけ資産を増やすことができるのでしょうか。今回は月の積立額を3万円として、40歳から60歳までの20年間積立投資を続けたときの資産をシミュレーションしてみます。

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」にてシミュレーションした結果をもとに筆者作成