日経平均はバブル後高値を更新

2023年6月2日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比376円21銭高の3万1524円22銭となりました。バブル崩壊後の高値はこれまで、5月30日に付けた3万1328円(終値ベース)でしたが、それを上回りました。1990年7月以来およそ33年ぶりの高値圏になっています。前日に、ダウ工業株30種平均、ナスダック総合株価指数など、主要な株価指数が上昇したことを受けて、日本株も買われました。

今週、日経平均はどのような値動きになるでしょうか。2日の米株式市場でダウ平均は続伸し、前日比701ドル19セント高の3万3762ドル76セントで終えています。上げ幅は今年最大でした。1日に、米連邦政府の債務上限を停止する法案が上下両院で可決されまし債務不履行(デフォルト)が回避されたことから、幅広い銘柄が買われました。S&P500種株価指数も2022年8月以来の高値、ナスダック総合株価指数も2022年4月以来の高値となっています。日本株も週初から買われる展開になることが期待されます。

2日には5月の米雇用統計も発表されました。非農業部門の雇用者数が前月比33万9000人増と、市場予想(19万人増)を大幅に上回りました。一般的に、労働市場が堅調だと、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの見方から株が売られることになりますが、今回は逆に買われました。足元でFRB高官から利上げ見送りを示唆する発言が相次いでいることも、安心感につながったと思われます。次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)は13~14日に開かれます。政策金利を据え置くとの見方が広がっています。ただし、さらなる利上げが行われた場合、失望売りにつながります。

気になるのは為替の動きです。2日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前日比1円20銭円安・ドル高の1ドル=139円95銭~140円05銭で取引を終えています。ドル高は自動車や機械など輸出関連銘柄にとっては追い風ですが、内需関連企業にとっては原材料の高騰につながります。

3万1000円台を維持し続伸

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週はバブル後最高値を更新したことから、これを維持できるか、さらに更新できるかどうかがポイントでした。実際には、週初29日に窓をあけて上昇して寄り付きました。引けにかけては陰線となりましたが窓埋めにはなりませんでした。さらに終値ベースで3万1233円と、前週の22日以来、再度3万1000円を超えました。

その後は陰線と陽線が交互に出るような動きとなりましたが、週末には窓をあけて上昇して寄り付くと、さらに陽線となり、バブル後高値を更新(終値ベースで3万1524円)しました。

今後の展開はどうなるでしょうか。チャートは主要な移動平均線が、下から200日線、75日線、25日線と並び、さらにこれらが扇形に開いています。強い上昇トレンドを示しています。積極的について行きたいところです。

すでに月足ベースの長い足でも、主要な上値メドは超えています。今後は、心理的節目となる3万2000円などの目標をこなしながら、バブル後高値を更新していくことが期待されます。逆に、今年に入ってから6000円近く急上昇していることから、このあたりで利益確定の売りなども出やすいところです。その場合でも、心理的節目となる3万円を割るまでは、押し目買いの好機と考えていいでしょう。

上昇の勢いが強く、押し目待ちも難しいところですが、直近では25日線が下値サポートになっていることから、25日線にタッチして最上昇するタイミングなどを狙いたいところです。

参考資料

下原 一晃