客が満足してくれて、また来店してくれれば、さらに利益が増えるでしょう。満席になるまでは、客が増えれば増えるほど、1人当たり1500円ずつ利益が増えて行くのですから、これは非常に重要なことなのです。

ビュッフェのレストランは、効率が良い

同じ食べ放題でも、客が注文をしてから作る方式ではなく、予め大皿に料理が盛り付けてあり、客が好きなだけとって食べる方式もあります。ビュッフェ方式と呼びます。これは、さらに儲かるシステムなのです。それは、効率が良いからです。

まず、コックが20人分の料理を一度に作ることができます。料理を20人分作っても、手間が20倍かかるわけではありませんから、1食あたりのコックの人件費は安くあがります。さらに、注文を受ける前からコックが料理に従事できることもメリットです。普通のレストランでは、コックが本当に忙しいのは昼食時と夕食時だけですが、ビュッフェ式ではコックが1日中効率よく働けるのです。

また、料理を皿に盛り付けて、客席まで運ぶ労力もかかりません。ウエイター、ウエイトレスの人件費が浮くわけです。新入社員が注文を取り間違えてコックが料理を作り直すこともなくなるでしょう(笑)。

客が着席して直ちに食べ始めるという点も、ビュッフェ式のメリットです。客が直ちに食べ始めれば、短時間で食べ終わって店を出ていきますから、次の客を入れることができます。1日に来店できる客の数が増えれば、利益も増えるのです。

仕入れの面でも、メリットがあります。普通のレストランでは、客が何を注文するかわからないので、メニューにある品を一定量作れるだけの材料を準備しておく必要があります。当然、売れ残って廃棄される食材も少なくないはずです。

一方で、ビュッフェ式ならば、予め必要な分だけの材料を過不足なく仕入れることができるでしょうから、食材のむだが減るはずです。もしかすると、少品種を大量に仕入れることにより、値引き交渉ができるかもしれませんね。

客としては、意思決定を間違えないように要注意

話は変わりますが、食べ放題のレストランに行く客は、非合理的な選択をするケースが実に多いので、注意が必要です。第一は、「3000円で4500円分の料理が食べられるから行く」のではなく、「3000円で3001円以上の満足が得られるから行く」のですね。4500円分の料理でも、自分の好みに合わないなら、行くべきではありませんから。