おひとりさまの老後対策2つ
はじめに確認したように、40歳代でNISA口座の買付額が多くなっており、この中には老後資金を考えて運用しているかたもいると思われます。
老後への不安が高まる今、できるだけ早くから老後資金に向けた行動を起こすことが大切でしょう。今回はおひとりさまがはじめたい老後準備を解説します。
おひとりさまの老後対策1.長く働き年金を繰り下げ受給する
改正高年齢者雇用安定法では、70歳までの定年引き上げや「継続雇用」を努力義務としました。
働く期間に年金を繰り下げ受給することで、75歳まで毎月0.7%年金が増額されます。
仮に75歳まで繰り下げすると、増額率は84%です。
実際に得になるかは個人差があるため慎重に検討する必要がありますが、長く働き続けることで収入を得られるだけでなく、年金を繰下げ受給するなどの対策をとることもできます。
そのためにも現役時代から長く働き続けるキャリアプランは検討したいところでしょう。
おひとりさまの老後対策2.NISAやiDeCoを利用する
NISAやiDeCoといった国の税制優遇制度を利用することで効率的な資産形成が可能です。
iDeCoは私的年金であり、運用益が非課税になるだけではなく、拠出した掛け金が全額所得控除されるので、翌年の所得税・住民税が軽減されます。
また、2024年からは新NISAが開始され、非課税保有期間が無期限となり、NISA制度も恒久化されます。
リスクはありますが、貯蓄の一部で資産運用をはじめることで効率的に老後資金に備えることも可能です。
まとめにかえて
少子高齢化により、年金受給額が下がる可能性もあります。
老後対策としては、長く働き続けることや年金の繰り下げ受給、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度の利用などが考えられます。
来年には新NISAがはじまる予定ですから、これから情報収集をしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果 (2022年12月31日現在)について」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)各種分類別データ」
- 総務省「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 金融庁「新しいNISA」
宮野 茉莉子