6月は年金支給月です。国民年金・厚生年金は、年に6回偶数月に2カ月分ずつ支給されます。
現役世代の方にとっては「年金なんてまだまだ先の話」かもしれませんね。しかし、「老後に年金をいくらもらえるか」は、現役時代の働き方や年収によって大きく変わってきます。
そんな現役時代の今だからこそ、「年金の仕組み」や「シニア世代の方が実際にどれくらいもらっているのか」といった年金事情を知っておく必要があるのではないでしょうか。
そこで今回は日本の公的年金の制度をおさらいし、今のシニアの年金受給額についてみていきたいと思います。
1．【日本の公的年金】「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造
最初に、日本の年金制度についておさらいしておきましょう。
日本の公的年金制度は「基礎年金（国民年金）」と「厚生年金」の2つの年金制度から成り立ちます。そのため「2階建て構造」などと表現されることも多いです。
国民年金は、20歳から60歳未満の日本に住む全ての人が加入し、保険料は一律（2023年度は月額1万6520円）です。加入期間となる40年（480カ月）、全ての保険料を納付すると、将来、満額の国民年金を受給することができます。ちなみに2023年度の国民年金は満額で月額6万6250円です。
一方、厚生年金は、会社員・公務員などの第2号保険者が加入します。厚生年金の保険料は、報酬を元に算出され給与から天引きされます。現役時代の報酬や加入期間によって、将来受け取れる年金額が変わる仕組みです。
国民年金（老齢基礎年金）に厚生年金を上乗せする形で支給されることから、一般的に、厚生年金は手厚いという印象があるようですね。
2.【厚生年金】「ひと月平均20万円」は全体で何パーセント？
現役時代の収入が大きく影響する厚生年金。令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況によると厚生年金の平均年金月額は14万3965円と発表されました。
2.1【男女全体】厚生年金保険（第1号）平均年金月額：14万3965円
出所：厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
平均年金月額：14万3965円
- 1万円未満：9万9642人
- 1万円以上～2万円未満：2万1099人
- 2万円以上～3万円未満：5万6394人
- 3万円以上～4万円未満：10万364人
- 4万円以上～5万円未満：11万1076人
- 5万円以上～6万円未満：16万3877人
- 6万円以上～7万円未満：41万6310人
- 7万円以上～8万円未満：70万7600人
- 8万円以上～9万円未満：93万7890人
- 9万円以上～10万円未満：113万5527人
- 10万円以上～11万円未満：113万5983人
- 11万円以上～12万円未満：103万7483人
- 12万円以上～13万円未満：94万5237人
- 13万円以上～14万円未満：91万8753人
- 14万円以上～15万円未満：93万9100人
- 15万円以上～16万円未満：97万1605人
- 16万円以上～17万円未満：101万5909人
- 17万円以上～18万円未満：104万2396人
- 18万円以上～19万円未満：100万5506人
- 19万円以上～20万円未満：91万7100人
- 20万円以上～21万円未満：77万5394人
- 21万円以上～22万円未満：59万3908人
- 22万円以上～23万円未満：40万9231人
- 23万円以上～24万円未満：27万4250人
- 24万円以上～25万円未満：18万1775人
- 25万円以上～26万円未満：11万4222人
- 26万円以上～27万円未満：6万8976人
- 27万円以上～28万円未満：3万9784人
- 28万円以上～29万円未満：1万9866人
- 29万円以上～30万円未満：9372人
- 30万円以上～：1万4816人
※国民年金（老齢基礎年金）を含む金額です。
厚生年金の男女全体の平均受給額は月額14万3965円でした。
しかし、ボリュームゾーンは「9万円以上～10万円未満」、「10万円以上～11万円未満」です。一方で、「17万円以上～18万円未満」、「8万円以上～9万円未満」の方も多く、やはり厚生年金は個人差が大きいことが見てとれますね。
厚生年金をひと月20万円以上受け取っている人は250万1594人。全体の1618万445人に対して15.4％です。
250万1594人÷1618万445人＝15.4％
以上から約85％の人は、ひとつき20万円に満たないことが分かります。男女別でも確認してみましょう。
