定価の1000倍の値段で購入したという単行本の写真が、ツイッター上で大きな話題となっています。

投稿したのは、ツイッターユーザーの@shin_makinoさん。

当ツイートは、2023年5月23日時点で4900件を超えるいいねを集めており、「糸川英夫先生!」「税込ってなんだ?消費税なわけないし…」「10銭切手を300円くらいで買ったことはある」などといった反応が寄せられています。

※ツイート写真は【写真3枚】をご参照ください

※今回紹介するツイートは、投稿者様の許可を頂いております

定価の1000倍もする本に驚きの声

「キミたち、定価の1000倍以上で物を買ったことある?俺はあるよ。定価:3円11銭 購入価格:3600円」というコメントとともに投稿されたのは、古い本を収めた2枚の写真でした。

かなり年季の入った本で、裏表紙には「売価(税込)3円11銭」と書いてあります。これを3600円で購入したのなら、確かに1000倍以上の値段…。

出所:@shin_makino

この本の著者は、「日本の宇宙開発・ロケット開発の父」と呼ばれる工学者の糸川英夫氏ですが、発行から時が経ったことで、著名な先生の本にプレミアが付いた…というわけでは、もちろんありません。

売価が3円11銭と安すぎることからも分かりますが、本が売られた当時と今とでは貨幣価値が異なりますので、本の価値が1000倍に高騰したわけではないのです。

戦中ということや、貨幣価値が単純比較できるものではないこともあり、「現在の貨幣価値に直すと何円」ということは難しいと言えます。

本に書かれた(税込)の税は消費税ではない?

本の値段の他にもう1つ気になることとして、投稿へのリプライでは、「(税込)の税って何?」という疑問の声が複数寄せられていました。

真っ先に思い浮かぶのは消費税ですが、消費税は1989年の消費税法で導入されたものなので、1944年に売られていたこの本には消費税がかけられていないはずです。

後日、投稿者の@shin_makinoさんが新たに投稿した写真によって判明した謎の税の正体は、「特別行為税」。

国税庁によると、特別行為税とは、「写真の撮影現像、調髪と理容美容などの整容、被服類の仕立てや染色・刺繍、書画の表装及び印刷製本といったものを『特別行為』として課税対象にしていた国税」なのだそう。

出所:@shin_makino

定価の3円に対して11銭ということは、税率はおよそ3.7%。そこまで高くはない…かも。

古本一冊がさまざまな話題に

いかがだったでしょうか。

今回はツイッターで話題の、定価の1000倍以上で購入した本について紹介しました。

古本1冊から、貨幣価値や珍しい税など、1つの投稿からさまざまな話題に繋がっていきました。

参考資料

小野田 裕太