独身研究家の荒川和久氏の著書『超ソロ社会―「独身大国・日本」の衝撃』(PHP新書・2017)において日本のソロ化社会について詳しく論じられているように、日本はおひとりさまが増えています。

一昔前であれば、シングル女性はさまざまな場面において肩身の狭さを感じることもありました。

しかし、現代社会ではおひとりさま女性は珍しくなく、おひとりさまを謳歌する女性も多くいます。

思い描いているキャリアを実現するために仕事を頑張る女性、マイペースにゆったりと暮らす女性、推し活などの趣味をアクティブに楽しむ女性などさまざまです。

とはいえ、おひとりさま女性の多くが「老後」について不安を抱えていると見受けられるでしょう。

年金受給開始年齢の引き上げが議論されている他、年金世代の方たちの貧困についてメディアで取り上げられることも少なくありません。

本記事ではおひとりさま女性の割合や満足度などを見た上で、おひとりさま女性の貯蓄額についても見ていきましょう。  

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おひとりさま女性は年々増加している

日本においておひとりさまは男女ともに年々増加傾向にあります。

最近では「ソロ社会の到来」といった文言をインターネット上でよく目にするようになりました。

厚生労働省「令和3年版 厚生労働白書―新型コロナウイルス感染症と社会保障―」では、50歳時の未婚割合の推移は以下のとおりです。

出所:厚生労働省「令和3年版 厚生労働白書―新型コロナウイルス感染症と社会保障―」

2005年頃までの50歳時の女性の未婚率は7.3%と一桁台でした。2010年頃になると、この年齢の女性の未婚率は10.6%と二桁台になります。

2023年における50歳時の女性の未婚率はおおよそ17〜18%です。そして、2025年から2040年にかけては50歳の時点で18%台の女性が未婚になると見込まれています。

ただし、近年ではシニア婚も増えているため、50歳代以上にパートナーを見つけられる方も珍しくなくなってきています。

おひとりさまを楽しんでいると思う芸能人1位は明石家さんまさん

前述のように、日本においておひとりさまは年々増加しています。

ジブラルタ生命保険株式会社は、20歳〜69歳の未婚男女4700名(男性2350名・女性2350名)を対象に「おひとりさまに関する調査2022」をインターネットリ サーチで実施しました。

この調査の中でおひとりさま(独身)生活を楽しんでいると思う芸能人を聞いたところ以下の結果になりました。

 

 

  1. 明石家さんまさん
  2. 今田耕司さん
  3. 天海祐希さん
  4. 久本雅美さん
  5. 中居正広さん

 

 

出所: ジブラルタ生命保険株式会社「おひとりさまに関する調査 2022」

明石家さんまさんについては楽しそうに仕事をしている姿や悠々自適に過ごしていそうといったイメージが1位にランクインした理由となっています。

また、この調査において女性でランクインしたのは天海祐希さんと久本雅美さんでした。

天海祐希さんについては「第一線で活躍している」「自立してカッコイイ」というような声がランクインの理由に。天海さんのように美しく歳を重ね、仕事に注力する姿は多くの女性の憧れといえるかもしれませんね。

また、久本雅美さんは舞台やバラエティなど活動領域が広く、お茶の間の多くの人たちをさまざまなジャンルで楽しませています。彼女がテレビで見せる明るく、元気な姿は多くの人に笑顔を与えています。

未婚でキラキラと輝く芸能人が多くいることもまた、世間におけるおひとりさまへの肯定的な見方につながっていると考えられます。

60歳代おひとりさま女性の約6割が現在の生活に「満足」している

前述の調査で現在の生活の満足度について聞いたところ、結果は以下のようになりました。

出所:ジブラルタ生命保険株式会社「おひとりさまに関する調査 2022」

現在の生活に「非常に満足している」、もしくは「どちらかといえば満足している」と回答した60代女性は60%と高い割合になりました。

60歳代女性の生活への満足度は20代女性(63.4%)、20代男性(61.9%)に次いで高くなっています。

30歳代や40歳代では他者と自分を比べたり、周囲からの結婚への圧力に悩んだりしていても、年齢を重ねるごとに自分らしい幸せを見つけることができるようになるのかもしれませんね。

【老後資金】おひとりさま女性の貯蓄額はいくら?

おひとりさまライフを充実させるためには「貯蓄」も大切なポイントになります。

そこでここでは、おひとりさま女性の気になる貯蓄額を見ていきましょう。

出所:ジブラルタ生命保険株式会社「おひとりさまに関する調査 2022」

おひとりさまの貯蓄額は男女共に年齢とともに増加しています。

また、60歳代女性の貯蓄額は同年代の男性よりも300万円程度少ないものの、思っていたよりも多いように感じた方も少なくないのではないでしょうか。

参考までに、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)各種分類別データ」によると、60歳代・二人以上世帯の金融資産保有額は平均1819万円となっています。

60歳代おひとりさま女性の平均貯蓄額である1366万円には、将来を見据えて貯蓄に励まれている方や老後についてしっかりと計画を立てている方の多さを窺うことができるでしょう。

まとめにかえて

本記事で見てきたように、60歳代おひとりさま女性の生活への満足度は6割という調査結果もあります。

スマートフォンが普及している昨今、ネットサーフィンをしたり、動画を鑑賞したりして余暇を楽しむ方も多くいます。

これらは自宅で一人でも楽しめるだけでなく、無料、もしくは月額数百円程度で楽しむことも可能です。

その他にも、「推し活」が幅広い世代でトレンドとなっている現在、推し活を満喫されているおひとりさまも多いかもしれませんね。

また、60歳代女性の貯蓄額の平均は約1300万円と比較的高く、堅実さも窺えました。

歳を重ねると若い頃には必要なかった出費が発生することもありますので、現在の暮らしを楽しみつつ、余剰資金のいくらかは貯蓄にまわすことも忘れないようにしてくださいね。

参考資料

西田 梨紗