2023年3月31日にKDDIが事務手数料の価格改定を発表したのを皮切りに、大手キャリアでもこれを追随する動きが出てきています。それぞれの改定価格を比較すると「一律3850円」という共通点はあるのですが、細かい部分でいくつかの違いもあるようです。

それぞれの違いを明確にするために、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの4社の事務手数料について、それぞれチェックしていきましょう(情報はいずれも2023年5月17日時点のもの)。

NTTドコモの事務手数料

NTTドコモは、2023年5月9日にドコモショップや量販店、一般販売店など店頭での新規契約や機種変更などに関する事務手数料の価格改定を発表しました。改定日は2023年7月1日です。改定内容は以下の通り(価格はいずれも税込)。

  • 新規契約:3300円→3850円
  • 契約変更:3300円→3850円
  • 機種変更:2200円→3850円
  • 名義変更:2200円→3850円
  • SIM再発行:2200円→3850円
  • eSIM再発行:2200円→3850円
  • 電話番号の変更:2200円→3850円
  • 電話番号保管:1100円→3850円

これまでは価格が異なっていた手続きも全て一律で3850円になるのがポイントです。そのため、新規契約・契約変更であれば550円の値上げですが、電話番号保管だと2750円も値上げしています。

NTTドコモの場合、今回の価格改定はオンラインでの手続きは対象外。また、店頭でも「ドコモ光」「homeでんわ」に関する事務手数料は従来通りです。

KDDIの事務手数料

KDDIは他社に先駆けて、2023年4月20日からau・UQ mobile・povoの3ブランドで事務手数料の価格改定を実施しています。改定内容は以下の通り(価格はいずれも税込)。

au/UQ mobile

  • 新規契約:3300円→3850円
  • 機種変更:2200円→3850円
  • 機種変更(通信方式の変更を行わない場合):2000円→3850円
  • SIM再発行/eSIMからの切替:2200円→3850円
  • SIM再発行/eSIMからの切替(通信方式の変更を行わない場合):2000円→3850円
  • eSIM再発行/SIMからの切替:2200円→3850円
  • eSIM再発行/SIMからの切替(通信方式の変更を行わない場合):2000円→3850円
  • 電話番号の変更:2200円→3850円
  • 一時休止:2200円→3850円
  • 譲渡:2970円→3850円

povo

  • 新規契約:3300円→3850円
  • SIM再発行/eSIMからの切替:2200円→3850円(poco2.0は当面無料)

au/UQ mobileでは通信方式の変更を行わない場合に若干事務手数料が安くなるという特徴がありましたが、今回の価格改定でその差別化はなくなりました。また、他のキャリアはオンラインの事務手数料を無料としていますが、KDDIではオンラインも含めて価格改定後の料金が適用されます。

ソフトバンクの事務手数料

ソフトバンクは2023年4月26日にソフトバンクとワイモバイルの2ブランドで、店頭における事務手数料の価格改定を発表しました。改定日は2023年6月1日です。改定内容は以下の通り(価格はいずれも税込)。

  • 新規契約:3300円→3850円
  • 新規契約(ブランド間):3300円(キャンペーンで無料)→3850円(キャンペーンで無料)
  • 機種変更:2200円→3850円
  • SIM再発行(USIM/eSIM):3300円→3850円
  • 電話番号の変更:3300円→3850円
  • 一時休止:3300円→3850円

同社が展開するブランド間での乗り換えについても事務手数料の価格改定が行われていますが、終了期間を設けずに実施しているキャンペーンが適用されるので、実質無料となります。また、ドコモ同様にオンラインの手続きについては価格改定の対象外です。

楽天モバイルの事務手数料

楽天モバイルは2023年5月17日時点では事務手数料に関する価格改定は発表していません。各事務手続きの手数料は以下の通り(価格はいずれも税込)。

  • 新規契約:0円
  • 機種変更:0円
  • SIM再発行:0円
  • eSIM再発行:0円
  • SIM交換:0円
  • 名義変更:改姓・家族間譲渡・第3者譲渡→0円、承継→3300円
  • MNP転出手数料:0円
  • 契約解除:0円

安さを売りにしているだけあって、店舗であってもオンラインであっても、各事務手数料のほとんどが無料というのは大きなポイントです。これから先も継続するのか、他のキャリアに合わせた動きが出てくるのか、注目したいところです。

大手4キャリアの事務手数料、価格改定のポイント

大手4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイル)の事務手数料について、注目すべきなのは以下のポイントです。

1. 価格改定の有無

  • ドコモ:あり
  • KDDI:あり
  • ソフトバンク:あり
  • 楽天モバイル:なし

2. 価格改定日

  • ドコモ:2023年7月1日
  • KDDI:2023年4月20日
  • ソフトバンク:2023年6月1日
  • 楽天モバイル:なし

3. 価格改定の対象

  • ドコモ:店頭
  • KDDI:店頭/オンライン
  • ソフトバンク:店頭
  • 楽天モバイル:なし

今回の価格改定では「改定日がそれぞれ異なっていること」「KDDIのみオンラインも手数料の価格改定が発生すること」「楽天モバイルは現時点(2023年5月17日時点)では価格改定を発表していないこと」などを押さえておきましょう。

これから夏にかけて、キャリアやスマホ機種の変更、なんらかの手続きを予定している方は、事務手数料の変更を踏まえた上で、できるだけお得に立ち回りましょう。

参考資料

大蔵 大輔