群馬県・川原湯温泉の温泉旅館「山木館」が、ツイッター上で大きな話題となっています。

きっかけとなったのは、山木館の公式ツイッターアカウント(@yamakikan1661)による宣伝ツイート。

当ツイートは、2023年5月15日時点で6.3万件のいいねを集めており、「とても素敵。行ってみたい」「日本にはまだまだ素敵なお宿さんがたくさんあるな」「いつか自分へのご褒美に行きたい」など、興味を惹かれたという声が多数寄せられています。

※ツイート写真は【写真6枚】をご参照ください
※今回紹介するツイートは、投稿者様の許可を頂いております

「宣伝頑張って!」激励受けた名宿・山木館

「『素敵な建物でご飯も美味しくて…知られてないのが勿体ない!宣伝頑張って!』と、お客様に叱咤激励を受けてしまった」という内容のツイートで話題になったのは、群馬県にある温泉旅館の「山木館」です。

ツイートとともに投稿された写真からも分かるように、古民家・隠れ家的な非日常空間を味わえるこの旅館は、客室・食事・温泉のどれをとっても素晴らしい温泉宿となっています。

出所:@yamakikan1661

しかし、八ッ場ダム建設による移転やコロナ禍により、山木館は「廃業危機」で長期休業状態に。現在は営業を再開したものの、2023年5月6日の予約がゴールデンウィーク中にもかかわらず、一時ゼロになってしまったそうです。

これほどの素敵な温泉旅館が知られていないのは、確かにもったいない…。今回ツイートが話題になり、多くの人の目に触れることになってよかったです。

群馬県川原湯温泉・山木館の魅力を紹介

出所:@yamakikan1661

山木館の魅力は、なんといってもその歴史と、「古民家で暮らすように過ごす」ようなプライベート性にあります。2000坪という広さに部屋が8室しかなく、日常から切り離された空間を贅沢に楽しむことができます。

本物の古民家・蔵を移築した歴史的な設備を味わえるほか、庭や湖、山の自然あふれる景観を存分に堪能することが可能です。旅や宿泊に「非日常感」や「癒やし」を求める方には、うってつけの温泉旅館となっています。

また、目標金額の100万円に対し、272万円が集まったクラウドファンディングにより実現した、独自の「モダンかまど」による食事もウリのひとつ。江戸当時の提供方法を安全なIHコンロで現代風に再現したといい、ジューシーな野菜とヘルシーなお肉をいただけるそうです。

出所:@yamakikan1661

「歴史と文化を紡ぐ姿勢」が一番の魅力

出所:@yamakikan1661

今回投稿が話題となった山木館。担当者さんに山木館の魅力について伺ってみると、「一番の魅力は、『川原湯温泉最古の宿として、その歴史と文化を紡ぐ姿勢』とでも言いましょうか」と答えてくれました。

何世代にもわたって宿を利用するお客さんや、移築して作り直した古民家・蔵は、そうした山木館の姿勢の表れだといいます。また、川原湯周辺の宿で、朝ごはんに栗おこわを出して旅人をお見送りするのは、山木館発祥の文化なのだとか。

出所:@yamakikan1661

建物に関しては、360年超の歴史を持つだけあって、昭和初期に全焼したり、移転時に取り壊されたりしているそうです。山木館の本来の魅力は建物ではなく、歴史を紡ぐ「姿勢」にこそ宿っているということなのでしょう。

広報活動の頑張りが報われた

取材の最後、「宣伝頑張って!」というお客さんの叱咤激励に、どう返答したのかを@yamakikan1661さんに聞いてみると、「『温泉組合の方でも広報活動頑張っていますが、やはりどこもせいぜい家族で回しているので限界が……』みたいなことを言った気がします」との回答がありました。

限界がある中で、精一杯頑張っていたという広報活動。今回その努力が実り、ツイートが話題になったことで、川原湯温泉や山木館の知名度は確実に向上したことでしょう。

いかがだったでしょうか。今回はツイッターで話題の「山木館」について紹介しました。山木館について気になった方はぜひ、ツイッターアカウントや公式サイトをチェックしてみてください。

参考資料

小野田 裕太