2023年5月2日に発表された、ハウスコム株式会社2023年3月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:ハウスコム株式会社 代表取締役社長執行役員 田村穂 氏

CONTENTS

田村穂氏:この度は、当社ハウスコム株式会社の決算補足説明資料の解説をご覧いただき、誠にありがとうございます。私は、ハウスコム株式会社代表取締役社長の田村穂でございます。これより、2023年3月期の決算補足説明資料について解説させていただきます。

本日は、まず当社ハウスコム株式会社の会社紹介、2023年3月期決算のご報告、成長戦略、2024年3月期業績見通しの順にご説明します。

ミッション

当社は「住まいを通して人を幸せにする世界を創る」をミッションに掲げ、不動産賃貸仲介を事業の柱として拡大してきました。家主さまからお預かりした不動産を介して、入居者さまには快適な暮らしを、家主さまには安定した賃貸経営を提供し、入居者さまと家主さま双方の満足度を高め、住まいを通してお客さまを幸せにすることが当社の使命であると考えています。

会社概要

会社概要です。当社は1998年に設立され、24年の歴史がある会社です。現在では不動産賃貸仲介において積極的にデジタル化を推進しており、業界内では「不動産DXのハウスコム」と呼ばれています。

ハウスコムグループの事業領域

スライドは、当社の事業領域の割合を示したグラフです。不動産関連事業では、不動産家主さまや入居者さまに各種サービスの提供を行っています。施工関連事業では、建築工事や原状回復、退去立会、リフォームなどのサービスを提供しています。

ハウスコムグループの規模感を数字で見る

スライドは、ハウスコムグループの規模を数字で示したものです。全国に201店舗を展開しています。

ハウスコムの強み;豊富な物件数と集客力

ハウスコムの強みは、数多くの物件情報を取り扱っているため、多くのお客さまと接点を持つことができる点にあります。物件情報サイトの「SUUMO(スーモ)」や「LIFULL HOME'S(ライフル ホームズ)」では、60万件に及ぶ物件情報を掲載しています。

ハウスコムの強み;Z世代への対応

デジタルネイティブなZ世代に対しても、自社サイトの強化を行い、集客を行っています。

ハウスコムの強み;不動産DXへの取り組み①

不動産DXへの取り組みについてです。ハウスコムは、デジタル化を積極的に推進しており、今後も不動産賃貸仲介業界のデジタル化を牽引していきます。

ハウスコムの強み;不動産DXへの取組み②

当社は、顧客体験の向上を「攻めのDX」とし、顧客データや物件データなどのさまざまなデータを掛け合わせ、AIでの機械学習により、お客さま一人ひとりに合った最適な情報や、新たなる価値を提供する取り組みを進めていきます。

ハウスコムの強み;不動産DXへの取組み③

また、従業員体験の向上を「守りのDX」とし、自動化によりスタッフの業務効率化を行い、お客さまに寄り添う時間の最大化と、営業スタッフの提案力の向上を目指しています。

ハウスコムの強み ; 人にフォーカス

当社は多様な人材が活躍できるよう、さまざまな制度やプロジェクトを導入しています。多様な人材が活躍できる環境を構築することが、会社の成長につながると考えています。

SDGs・サステナビリティに向けた取り組み

当社は、SDGsとサステナビリティに向けた取り組みを進めていきます。ミッション「住まいを通して人を幸せにする世界を創る」の実践を通じて、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上の両立を目指していきます。

ESG経営に向けた取り組み

当社では、企業価値を継続的に高めるために、ESG経営に向けたさまざまな取り組みを行っています。当社の女性職員比率は43.8パーセントと、半数近くが女性職員です。今後もこれらの取り組みを進めていきます。

2023年3月期 業績ハイライト(累計)

2023年3月期の決算をご報告します。スライドは2023年3月期の業績ハイライトです。営業収益は前年同期比マイナス0.2パーセントの141億7,900万円で着地しました。

2023年3月期 決算実績(連結)

スライドは2023年3月期の決算実績です。営業収益は141億7,900万円、営業利益は3億9,400万円となりました。

不動産関連事業 店舗数と仲介件数の推移(連結)

スライドのグラフは不動産関連事業における店舗数と仲介件数の推移です。2023年3月期はグループとして8万2,000件を超える仲介件数となりました。

貸借対照表

スライドは貸借対照表の2022年3月末と、2023年3月末を比較したものです。当社にはこれまでの事業活動の結果による資金と資本の蓄積があり、高い水準の自己資本比率を維持しています。

2023年3月期 セグメント別実績

セグメント別の営業収益と営業利益をご報告します。不動産関連事業の営業収益は125億4,000万円、セグメント利益は21億8,500万円となりました。施工関連事業の営業収益は16億3,800万円、セグメント利益は1億8,300万円となりました。

成長戦略の基本方針

成長戦略についてご説明します。スライドは当社の成長戦略の基本方針です。「既存事業の店舗数増加による規模の拡大」「既存事業の競争力強化」「事業領域拡大による収益構造の転換」「グループ経営を前進させるための内部体制の強化」の4つの戦略を掲げています。

戦略①  既存事業の店舗数増加による規模の拡大

戦略①はリアルな店舗網の拡大に関する戦略です。現在、当社の店舗がない地域を中心に新規店舗の出店を進めています。また、中小企業を中心としたM&Aを進めていきます。

株式会社シーアールエヌの株式取得(子会社化)

リアルな店舗網の拡大戦略の一環として、シーアールエヌ社の株式を2023年6月1日に取得予定です。シーアールエヌ社は不動産に関するフランチャイズ本部の運営を行い、「クラスモ」ブランドを展開しています。フランチャイズ加盟店は2023年4月時点で46店舗あり、関西圏においては積極的に拡大を図っています。今回のシーアールエヌ社のグループ化により両社のシナジーを生み出し、事業の発展と拡大を図っていきます。

戦略②  既存事業の競争力強化

戦略②は既存事業の競争力強化に関する戦略です。各地域の競争力強化のため仲介事業を11社へ分割し、持株会社体制へ移行しました。これにより地域に合った営業施策の立案・実行を早め、さらに地域において柔軟に人員確保と人材育成を行える体制となりました。

戦略②  既存事業の競争力強化

既存事業の競争力強化のため、お部屋探しにおいて過去の成功事例などをもとにAIがお客さまに最適な物件を提案する、新しいかたちの不動産仲介プラットフォームの構築を進めていきます。

戦略②  既存事業の競争力強化

売買事業については賃貸仲介店舗への情報共有による売上拡大を図っていきます。さらに外国人市場や法人市場においても顧客の拡大を図っていきます。

戦略③  事業領域拡大による収益構造の転換

戦略③は事業領域拡大による収益構造の転換のための戦略です。管理会社へのリーシングサポート業務や管理代行業務など継続型収入ビジネスを拡大し、安定収益基盤の構築のための取り組みを行っていきます。

戦略③ 事業領域拡大による収益構造の転換

2023年3月期からは、さらに家主さまに寄り添った建物の管理を本格的に開始しました。

戦略③ 事業領域拡大による収益構造の転換

当社は入居後の課題解決と価値創造の両軸で、住まいのサービスにおける顧客体験を提供していきます。入居後もお客さまに住まいのサービスを提供し続けるリテンションモデルで、つながる企業を目指します。

戦略④ 内部体制の強化(内部統制)

戦略④は内部体制の強化のための戦略です。全般統制に加え、内部統制の強化、個人への教育やヒアリングを行う体制の構築、外部からの牽制機能の強化を通じて、内部体制を強化していきます。

戦略④ 内部体制の強化(DX推進体制)

スライドの図はDX推進体制を示したものです。顧客体験の向上と従業員体験の向上の2つを柱として、データの集積、外部とのデータ連携を行い、DXを推進していきます。

戦略④ 内部体制の強化(サステナビリティ推進組織体制)

スライドの図はサステナビリティ推進組織体制を示したものです。サステナビリティの推進を、経営を進めていく上での重要課題と捉え、サステナビリティ委員会を2023年3月に設置しました。

戦略④ 内部体制の強化(サステナビリティ推進方針)

サステナビリティ委員会による方針と、重要課題であるマテリアリティを、スライドのとおり決定しました。

2024年3月期 通期業績予想

最後に、2024年3月期の業績見通しをご説明します。2024年3月期の営業収益は142億8,800万円、営業利益は4億6,200万円を計画しています。

直近の主な取り組み事項

スライドには、主な取り組み事項の結果を記載しています。中期計画の戦略に基づき、確実に実行を進めていきます。

配当推移

当社は、連結配当性向30パーセントを基本方針とし、株主への利益還元を行っています。2023年3月期は8円を決定し、年間で16円の配当としました。2024年3月期は、年間で16円を予想しています。

株主優待制度

当社は、株主優待制度として、保有株式数に応じて株主優待ポイントを贈呈しています。ポイントは「ハウスコム・プレミアム優待倶楽部」の商品と交換いただけます。

以上で、2023年3月期の決算補足説明資料の解説を終了します。今後ともハウスコムを何卒よろしくお願いいたします。ご覧いただき、誠にありがとうございました。

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