2023年4月21日に発表された、株式会社ピックルスホールディングス2023年2月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社ピックルスホールディングス 代表取締役社長 影山直司 氏

2023年2月期連結決算ハイライト

影山直司氏:本日はお忙しいところ、決算説明会にご参加いただきありがとうございます。ピックルスホールディングス社長の影山でございます。ただいまから、決算説明会を始めます。

まず決算概要についてご説明します。前期から収益認識基準が適用されるため、2022年2月期は旧基準、今回の2023年2月期は新基準でのご説明となります。収益認識基準の適用により、これまで販管費に含まれていた販売先の配送センター費や物流経費、販促経費は売上高から控除しています。

売上高は410億5,200万円でした。新型コロナウイルスの感染者は第6波および第7波で増えていましたが、巣ごもり需要が落ち着いた状況は変わらず、原材料の高騰により食料品各品目が値上げされ、消費者の節約志向が進んだ影響を受け減収となりました。しかし、「ご飯がススムキムチ」の増量キャンペーン等の効果もあり、下期は増収となっています。

営業利益は15億3,800万円で、前期比47.7パーセント減となりました。天候要因により原料野菜の仕入価格は比較的安定しましたが、調味料や包装資材などの原材料費や光熱費、物流費などが高騰したことにより、減益となりました。

連結品目別・販路別売上高(対前年同期比)

連結売上高について、品目別と販路別にご説明します。製品売上高は273億5,500万円、商品売上高は136億9,600万円となりました。消費者の節約志向の影響から、浅漬・キムチや仕入商品が減少しています。

このような状況ではありますが、惣菜は家庭での調理が負担になっていることや、食品の値上げが相次いだことにより、費用面において自分で作るよりもメリットがあると考えられたことから、比較的堅調に推移しています。

販路別売上高は、量販店向けは313億800万円、コンビニ向けは63億300万円、外食向けは34億4,000万円となりました。量販店向けは昨年からそれほど大きく減少していませんが、コンビニ向けは昨年同時期に展開していた商品の取り扱いがなかったため、減少しています。

売上総利益率と野菜価格の状況

野菜価格の状況です。白菜の価格は、昨年2月頃は主産地である茨城県において低温や干ばつがありましたが、それほど影響は及ぼさず、3月以降は天候が安定して生育が順調に進みました。そのため、全体で見ると2022年2月期並みの価格で推移しました。

胡瓜価格は、12月頃に主産地である宮崎県において低温等の影響により生産遅延が発生し、価格が高騰しました。その影響もあり、年間の購入価格は2022年2月期より高値となりました。

販管費の状況

販管費についてご説明します。販管費は70億9,400万円、販管費比率は17.3パーセントとなり、3.9ポイントの減少となりました。これは収益認識基準の影響から、今まで物流費に含まれていた販売先の配送センター費などをあらかじめ売上から控除したことによるものです。

連結営業利益変動要因

営業利益は15億3,800万円で、営業利益率は3.7パーセントとなりました。前期実績に対する変動要因をご説明します。プラス要因は、収益認識基準の適用による販管費の減少が挙げられます。マイナス要因は、減収となったことや、調味料・包装材などの原材料費、光熱費、物流費などの高騰、人件費の上昇などが挙げられます。

連結貸借対照表、連結キャッシュ・フロー

連結貸借対照表についてご説明します。総資産は263億800万円となり、前期末と比べて2億1,600万円増加しています。流動資産は、未収法人税等が増えたため増加しています。固定資産は、建物および構築物が減ったため減少しました。

流動負債は短期借入金の増加がありましたが、未払法人税等が減ったため減少しています。固定負債は退職給付の負債の増加がありましたが、長期借入金が減ったため減少しました。有利子負債残高は2億9,300万円減少し、26億5,500万円となっています。

連結キャッシュ・フローについてご説明します。営業活動の結果により得られた資金は、16億6,500万円となりました。主な要因は、当期純利益および減価償却によるものです。投資活動で使用した資金は、8億8,200万円でした。投資活動の主な内容は、有形固定資産の取得です。

財務活動で使用した資金は、8億7,600万円でした。主な要因は、長期借入金の返済による支出です。これらの結果、残高は59億4,000万円となりました。

2024年2月期連結業績予想

2024年2月期の業績予想です。売上高は422億円を見込んでいます。前期は新型コロナウイルスの巣ごもり需要等の反動減の影響もありましたが、こちらが落ち着き、需要が回復すると見込んでいることや、惣菜製品の拡販により増収となる計画です。

営業利益は16億2,000万円で、前期比5.3パーセント増を見込んでいます。原材料費等が高騰する状況は今後も続くと考えていますが、製品の内容量の変更や価格の見直しを実施し、増益となる計画です。

また、配当金については安定配当を継続的に実施していくことを基本方針としており、今期は22円を予定しています。

連結品目別・販路別売上高(対前期比)

連結売上高について、品目別、販路別にご説明します。製品売上高は279億500万円、商品売上高は142億9,400万円を計画しています。巣ごもり需要などが落ち着いた後の反動減から回復に向かっており、前期と比べて、浅漬やキムチなどの需要が回復すると見込んでいます。

販路別売上高は、量販店向けが321億8,800万円、コンビニ向けが64億9,500万円、外食向けが35億1,500万円と計画しています。巣ごもり需要の反動減が一巡したことなどから、いずれも前期を上回る見込みです。

連結営業利益変動要因(対前期比)

今期の連結営業利益は、16億2,000万円を見込んでいます。営業利益の前期実績に対する変動要因を分析すると、プラス要因としては商品原価の改善、および製品売上増加による売上総利益の増加が見込まれます。マイナス要因としては、製品原価の増加による売上総利益の減少が見込まれます。

販管費については、70億8,400万円となる計画です。

今後の戦略

外部環境と今後の主な施策についてご説明します。今後の戦略として、スライドに4点掲載しています。

1点目の製品開発強化については、コロナ禍におけるライフスタイルの変化は継続すると考えており、それに見合った製品の需要があると考えています。具体的には、簡便性のあるおつまみやおかずになるような製品の開発を、今まで以上に進めていきます。

また、健康志向も継続しており、「野菜を摂取したい」という需要もありますので、当社製品を通じて、野菜を摂取していただきたいと考えています。製品開発をしっかり行いながら、不採算な製品を廃止し、生産効率を改善していきたいと思っています。

2点目の販売エリアの拡大については、佐賀工場や手柄食品を活かし、近畿、中国、四国、九州地区を強化していきます。

3点目の販売先拡大については、従来のコンビニやスーパーマーケットの漬物売場、惣菜売場に加え、スーパーマーケットの豆腐売場や納豆売場などの新たな場所に販売を強化しつつ、ドラッグストアなどの新しい販売先を開拓していきます。

4点目の新規事業については、「OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~」において、外食、小売事業に今後も注力していきます。また、2022年3月にはピックルスファームを設立し、農業事業も開始しています。

漬物業界について

漬物業界の市場規模、業界見通しについてご説明します。市場規模は、2000年頃は4,800億円と言われていましたが、現在は3,160億円だと考えています。これは米の消費動向と同様で、米の消費が減るにつれて、漬物の消費も減ってきました。最近はキムチなどが好調なため、減少傾向が止まりつつあると考えています。

品目別推定出荷割合は、浅漬とキムチで約50パーセントとなっています。各社の売上高を見ると、100億円を超える会社は現在5社ありますが、上場しているのは当社のみとなっています。

前期の前半は、巣ごもり消費や乳酸菌の健康効果などにより、キムチなどの需要が拡大したことの反動減がありました。後半からは、少しずつではありますが回復基調になってきています。当社の業界シェアは連結ベースで約13パーセントですが、目標の15パーセントの達成を目指していきます。

業界としても、食の多様化や少子高齢化などの社会的な影響や、近年の原材料価格の高騰を受けて、廃業する企業が増えています。漬物業界の市場規模は減少し、寡占化が進んでいる状況です。そのような状況の中、健康志向、惣菜化、機能性を追求した付加価値のある商品が求められています。

商品開発 1.キムチ製品-1-

今後の戦略の1点目である商品開発についてです。はじめに、主力製品である「ご飯がススムキムチ」シリーズです。

新型コロナウイルス感染症による巣ごもり需要の反動減などの影響により、「ご飯がススムキムチ」の売上高は、2023年2月期の新基準で77億7,200万円、旧基準では83億7,100万円と、前年をやや下回る結果となりました。

しかし2022年11月、2023年2月に「ご飯がススムキムチ」の増量キャンペーンを実施しており、キャンペーンを実施した月は大幅に売上が拡大しています。今期はあらためて販売を強化しており、2024年2月期業績予想では、売上高は79億8,600万円で前期比2.8パーセント増の計画となっています。キャンペーンについては時期は未定ですが、今期も実施したいと考えています。

商品開発 2.浅漬製品-1-

浅漬製品についてです。ブランドコンセプトは「毎日食べたい浅漬」を掲げており、スライドに記載のとおり、商品の特徴ごとにカテゴリーを分けています。

具体的には、本来の食シーンを想定した定番品をはじめ、季節ごとの野菜を使用した商品、おつまみ需要に対応した商品などがあります。おつまみは、現在伸長しているカテゴリーです。

商品開発 2.浅漬製品-2-

そのほか、減塩のものや食物繊維、たんぱく質などが摂れる健康志向を軸にした商品のカテゴリー、調味料の代わりになるタレや野菜スイーツなどのカテゴリー、国産原料や保存料・着色料不使用などにこだわったカテゴリーなどを設定しています。このようなカテゴリー分類の考え方をもとに、今後も商品開発に取り組んでいきます。

惣菜業界について

惣菜市場についてご説明します。日本チェーンストア協会の調査では、スーパーの惣菜市場は約1兆2,117億円となっており、市場規模は年々拡大しています。単身世帯の増加、高齢化、女性の社会進出などにより、この市場はさらに増えていく見込みです。

商品開発 3.惣菜分野

惣菜製品についてです。惣菜製品は、浅漬・キムチに続く事業の柱に成長してきており、製品開発にさらに力を入れていきたいと考えています。現在はサラダなどが好調です。

今後は、既存商品の見直し、家飲み需要に合致した商品の開発、健康志向を考慮したドレッシングを使用したサラダなどの開発に注力していきます。今期については売上高106億7,900万円、前期比2.6パーセント増を計画しています。

商品開発 4.新規分野

新しい分野の製品についてご説明します。現在、冷凍食品の開発に取り組んでおり、「冷凍ごはんがススムキムチ鍋」やトップシール惣菜などを、量販店向けに展開しています。冷凍食品は、使いたい分だけ使える、食品ロスが出ないなどのメリットがあることから、需要が拡大しているため、当社としても注力していきたいと考えています。

さらに、ピックルスファームなどで生産した、さつまいもを活用した商品の開発にも取り組んでいます。さつまいもを使った冷凍焼き芋「あいすやきいも」を開発し、冷凍の自販機や量販店の売場、ECサイトで販売を始めています。

商品開発 4.新規分野

ロングライフの惣菜開発についてです。ロングライフとは、賞味期限が長い、長期保存ができるという意味です。当社では、ガス置換により不活性ガスに置き換えることで、商品のロングライフ化を実現しています。今のところ、メニューとしては切り干し大根、ひじき煮、卯の花、きんぴらなどがあり、量販店でテスト販売を始めました。

全国ネットワークを活かした営業戦略

今後の戦略の2点目である販売エリアの拡大についてご説明します。当社グループは、全国を網羅した生産物流体制を構築しています。これは漬物業界および惣菜業界では、唯一の全国ネットワークです。

このネットワークを活用して、全国の量販店に同一の浅漬製品と惣菜製品を提供するという営業活動を進めています。今後も引き続き、「ご飯がススムキムチ」で拡大した販売先に対し、浅漬や惣菜製品などを積極的に提案し、売上拡大を図っていきます。

販売エリア拡大:地域別売上高

スライドには、地域別の売上グラフを記載しています。上の棒グラフは地域別の人口割合で、下は当社の地域別の売上割合です。

関東地区での売上が50.3パーセントとなっているのに対し、近畿地区は15.7パーセント、中国・四国地区は4.6パーセント、九州地区は5パーセントと、関東地区と比較するとまだまだ割合が小さくなっています。今後は、西日本エリアについて、30パーセント以上を目標として販売を拡大したいと考えています。

販売先拡大:既存分野以外の売場への商品展開

今後の戦略の3点目である販売先の拡大についてです。先ほど概要はご説明しましたが、量販店については、最初は漬物売場から始まり、惣菜売場へと進出しています。その後、例えば豆腐や納豆売場など、既存分野以外の売場で販売できる商品を開発し、提案を進めています。

最近は、先ほどもご説明しましたが、さつまいもを使った冷凍焼き芋「あいすやきいも」を、冷凍食品売場へ提案し始めています。このように量販店内の売場を広げていくことで、売上拡大を図っていきます。

新規事業-1-

今後の戦略の4点目である新規事業については、外食・小売の施設「OH!!!」を開業しました。レストランの「Femy_(フェミー)」、「Piene Café(ピーネ カフェ)」、セレクトショップの「八幡屋」、「パリシャキ研究所」から構成されています。

今後の戦略としては、新メニューや新商品を導入し、客単価を向上させていく考えです。今まで、コロナ禍の状況の中で、集客になかなか苦労していましたが、これからは外食・小売事業の状況が改善していくと思っています。

また、ポップアップストアの出店を行うなど、多くのお客さまの目に触れる機会も作っていきたいと思っています。将来的にはこの施設で、例えばスイーツなどの評判が良いということであれば、当社で店舗展開し、販売していくことも考えています。

新規事業-2-

EC事業について、昨年9月にサイトのリニューアルを行いました。これまでは「Piene」「八幡屋」がそれぞれのサイトを運営していましたが、「OH!!!」のサイトと結合し、施設紹介とEC機能を併せ持つ複合サイトとなっています。

「OH!!!」で扱う商品を販売しており、具体的には「ベーコン・ソーセージセット」や、「ご飯がススムキムチ」を使ったコロッケ、「国産野菜ちっぷす」などがあります。さらに商品の種類を充実させていきたいと思っています。

新規事業-3-

農業事業についてです。野菜を主原料とする会社として生産に関わることで、安定調達や、農業を通じた雇用の創出による地域の活性化に向けた取り組みを行っています。

現在は、埼玉県の所沢市と飯能市にある3ヶ所の農場で事業を開始しています。足元では、所沢工場向けの小松菜、「OH!!!」向けのさつまいもの生産を行っています。

今後に向けては、持続可能な農業への取り組みとして、「JGAP」認証に準拠した野菜作りに取り組んでいます。自社栽培だけでなく、契約農家の方にもこの取り組みをお伝えし、当社グループでは野菜の仕入担当者38名が、「JGAP」の指導員の資格を取得しています。

また、当社で扱う野菜は白菜や大根、キャベツなど重量のあるものが多く、農家の高齢化に対応していくためにも、今後は収穫作業の受託なども行っていく考えです。

さらに、「子ども食堂」を通じた野菜の収穫体験や、工場から出る野菜残渣を活用した循環型農業への取り組みなども実施していきます。

2023年2月期にすでに、さつまいもの輸出を試験的に行っており、今後さらに拡大していきます。畑の面積も、今年はさらに広げて作付を増やしていく計画です。

生産面等の取り組み

生産面等の見直しについて取り組みをご説明します。原料野菜の調達については、以前から契約栽培による調達を行っていますが、天候などの影響を受けて野菜が採れないという調達リスクの分散を図るために、全国の工場ごとでの契約栽培による調達に取り組んでいます。これをさらに進めていきます。

そのほか、不採算アイテムの見直しや、アイテムの集約化にも継続して取り組んでいきます。

容器の見直しについては、包装材の高騰の対策として、現在、カップからスタンドパックなどの袋へと容器を変更した製品を提案しているところです。この切り替えにより、プラスチックの使用量の削減が図れるとともに、コスト削減にもつながっていきます。まだまだカップの容器の製品が多い状況ですが、継続して提案を進めていきます。

人件費などのコストアップは今後も続いていくと思われるため、機械化などの対応を進めていきます。例えば、商品にきちんとラベルが貼られているかどうかを、現在は人の目で1つずつ確認しています。ここにカメラを導入し、AIの力を使った検査機を導入していくことなどを考えています。さらに、製造工程における業務や検査の記録等を手書きから電子化することで、効率化を図っていきます。

SDGsの取り組み紹介

SDGsの取り組みについてご説明します。当社では、「環境」「安全・安心」「従業員」の3つの分科会で活動しています。

「環境」については、電気の値上げ対策やCO2の削減なども視野に、ピックルスコーポレーション関西の広島工場に太陽光発電のパネルを設置しました。今後は、ほかの工場へも展開を進めていきます。

また、高校や大学の学生と一緒に、ウニの養殖について共同研究を行っています。現在、海岸では磯焼けという現象が起きており、ウニで海岸が荒れてしまって困っているという状況があります。そのウニを海から上げてきて、養殖します。その時に、当社の製造工程で余った野菜を餌にするという仕組みづくりに向け、共同研究を進めているところです。

「安全・安心」については、「FSSC22000」「JFS-B」などの認証を取得し、この規格に基づくマネジメントシステムを活用した管理を行っています。

「従業員」については、健康経営を推進していきます。

健康経営の推進

健康経営については、2月1日に「健康経営宣言」を公表しました。「従業員のモラルアップと安全・健康を第一とした職場づくり」を経営方針としているとおり、会社の発展には従業員の健康は欠かせないと考えています。

今期より取り組みを始めており、初年度は、健康診断受診率100パーセント、特定保健指導実施率の向上など、スライドに掲げた5つの項目を中心に進めていきたいと考えています。

中期経営目標-1-

中期経営目標についてご説明します。この中期経営目標については毎年ローリングしており、昨年の減収減益の状況を加味しながら、3年間の目標を作成しています。3年後の2026年2月期の目標ですが、売上高は430億円、営業利益は18億円としています。

中期経営目標(設備投資)-2-

設備投資についてです。今後3年間で、約89億円の設備投資を予定しています。

2025年2月期にはキムチ専用工場の完成を予定しており、現在、土地の取得まで完了しています。場所は茨城県で、白菜の産地の中心にあります。今年の夏ごろには着工できる予定で、来期に完成する見込みです。ただし、建築資材や工場の機械設備等の調達が予定どおり進まない可能性もありますので、完成時期については若干遅くなる可能性もあると思っています。

このキムチ専用工場は、キムチの生産を集約して、機械化を進めることで人手を減らし、効率的な生産が行える施設です。当初は2024年2月期の完成を見込んでいましたが、土地の取得に少し時間がかかったため、2025年2月期の完成と予定を変更しています。

また、関西でも新工場の建設を検討しています。以前から土地を探していましたが、2026年2月期の完成を目指して、土地を決めていきたいと思っています。

M&Aについては現在、検討が進んでいる案件はありませんが、漬物などの業種にこだわらず、調味料メーカーや冷凍食品メーカーなど、さまざまな業種について、積極的に検討していきたいと考えています。

質疑応答:2025年2月期の営業利益目標について

「ホームページにあるIR情報のトップメッセージに、2025年2月期の目標は営業利益26億円とありますが、本日の資料では17億円となっています。どちらが現在の目標でしょうか?」というご質問です。

こちらは毎年ローリングしながら目標数値を変更していますので、今回ご提示している17億円に修正させていただいたということです。

質疑応答:次のキャンペーンの実施時期について

「2023年2月期第4四半期の売上高は、実質ベースで前期比4.4パーセント増と、『ご飯がススムキムチ』の増量キャンペーンの効果がかなり出ていると思います。今後のキャンペーン時期は未定とのことですが、計画にはどのように盛り込まれているのでしょうか? また、どんなきっかけでキャンペーンを行うイメージでしょうか? 販売施策について教えてください」というご質問です。

増量キャンペーンについては、当然のことながら白菜の使用量が増えますので、白菜が安定的に収穫できる天候などの要因を加味しながら決めていくことになります。

白菜はもともと冬の野菜ですので、夏に長野県などで生産される野菜は不安定です。10月、11月くらいから茨城県などで本格的に生産されますので、タイミングとしては11月以降で、天候や白菜の生育状況を見ながら決めていきたいと考えています。

今回のキャンペーンの実施期間も11月と、2月から3月ですので、時期としては秋から冬にかけてになるかと思います。

質疑応答:電気料金上昇の影響について

「2024年2月期の計画では、売上総利益率が前期比0.4ポイントの悪化の20.6パーセントとなっています。昨年下期の19.8パーセントよりは改善する見通しですが、電気料金上昇の影響をどの程度見込んでいますか?」というご質問です。

今期1年間の電気料金は約1億2,400万円増加すると見込んでいます。ただし、先ほど「ピックルスコーポレーション関西の広島工場に太陽光発電のパネルを設置した」とお伝えしたように、実際に工場で使う電気の何割かは削減できると考えています。

他にも、構造的に屋根にパネルを設置できる工場には設置する計画を進めていますので、そのような部分でも削減できればと思います。

質疑応答:2024年2月期計画で人件費が減少する背景について

「スライド12ページの2024年2月期計画では人件費が減少する見通しですが、この背景について教えてください」というご質問です。

まず、人件費が増えている理由として、退職金の計算方法が変わったことが挙げられます。従来、退職金は簡便法で計算していました。これを原則法に変更したため、2月のタイミングで1億3,000万円ほど増えていますが、今期はこの影響がありませんので減少する見通しとなっています。

質疑応答:設備投資計画について

「スライド33ページの設備投資計画についてです。前期と比較すると全体的に後ろ倒しになっているように見えますが、建設コストが上がって金額が増加しているためでしょうか?」というご質問です。

先ほどお伝えしたように、建築時期が1期ずれて後ろ倒しになっているのは、土地の取得が遅れたためです。

坪単価も想定より高めの見積もりになる見込みです。建築費用についても、従来の工場を建築した時より高めに見積もらなくてはいけないため、そのあたりも織り込んでいます。

質疑応答:物流の2024年問題への対策について

「物流の2024年問題について、リスクとその対応策をどのように考えているのか教えてください」というご質問です。

物流の2024年問題は非常に大きな問題で、3割の荷物が運べなくなるという話も出ています。当社は現在、業者に委託して得意先のセンターまで荷物を運んでいますが、漬物メーカーや日配品を扱うメーカーと共同で運ぶといった取り組みも検討する必要があると考えています。

加えて、積載効率を上げるなど、さまざまなことに取り組んでいかなければ物流問題は解決しませんので、注力していきます。

質疑応答:「OH!!!」の利益状況、減損の可能性について

「外食・小売の施設『OH!!!』の利益状況はどのようになっていますか? 減損の可能性はないのでしょうか?」というご質問です。

「OH!!!」の利益状況について、開業当時は8,200万円、昨年は5,500万円の赤字でしたが、単月で黒字になった月もあり、どのくらいのお客さまに来ていただければ黒字になるのかというある程度の見通しがついてきました。

今期はまだ赤字の計画ですが、さまざまなことにチャレンジしていきながら集客を上げていきたいと思います。

レストランについては、これまで週末にしかディナーの営業ができていませんでしたが、平日も営業するかたちで、売上をさらに上げられるように取り組んでいます。赤字は解消できるのではないかと思いますので、減損の可能性についてはあまり考えていません。

質疑応答:これまでターゲットではなかった顧客層への訴求策について

「御社の顧客層は高齢者が多いと思いますが、若年層や、これまでターゲットではなかった層に対する訴求策を考えていますか? 販促方法などがあれば教えてください」というご質問です。

浅漬、ぬか漬などの漬物の客層については、基本的に高齢の方がメインのターゲットになっています。

ただし、最近のラインアップにあるブロッコリー・ヤングコーン・オクラの浅漬などは、若い方が召し上がれるような商品になっています。「サラダ代わりに食べる」「サラダよりもおいしく食べられる」と、若い方から注目されご好評いただいています。

さつまいものレモン蜜漬は、スイーツ代わりに若い女性の方にも召し上がっていただきたいと考えていますし、新しい取り組みである、さつまいもを使った冷凍焼き芋は若い方がターゲットですので、若い方へ勧めていきたいと思っています。

キムチは辛いため、女性やお子さまは食べられない方が多かったのですが、当社の「ご飯がススムキムチ」は、そのような方でも食べられるような味付けに開発しており、他のメーカーのキムチとは一線を画しています。

本格的な辛いキムチがお好きな方はそちらを購入しますが、「ご飯がススムキムチ」のレギュラータイプは、女性やお子さまでも召し上がれる商品です。

若い方が「ご飯がススムキムチ」を食べて育つと、大人になってもキムチを食べますし、「辛いキムチも食べてみようか」とチャレンジすることもあるかもしれません。

メイン商品の「ご飯がススムキムチ」のターゲット層が若い方ということは、今後、当社を支えていただけるお客さまになっていくのではないかと考えています。

質疑応答:値上げ状況について

「2023年2月期の製品の値上げ状況について教えてください。また2024年2月期についても、いつ頃に何パーセントくらいの値上げをしているのかを教えてください」というご質問です。

仕入商品については、すでに仕入価格が上がっていますので、それと連動してお客さまに値上げをお願いしています。輸入商品については、為替影響も加味しながら値上げを進めています。

自社商品については、浅漬は季節の商品ですので、季節が変わるタイミングで内容量だけではなく中身の配合を変えながら、都度見合った価格で商品をご提案しています。

メイン商品の「ご飯がススムキムチ」は値上げしていません。生産コストが上がっていますが、社内でいろいろ工夫しながら努力しています。

ただし、「『ご飯がススムキムチ』は値上げしません」と言い切れる状況ではなく、今後、どこかのタイミングで値上げしなければいけなくなるかもしれません。容器の形態の見直しなど、これからもさまざまなことを考えながら対応していきます。

影山氏からのご挨拶

新型コロナウイルスの影響により、世の中が大きく変化してきています。特に食品は値上げが続いています。そのため節約志向となり苦労していますが、お客さまの食卓に並べていただき、食事を豊かにできるような商品を開発していきたいと考えています。

今後も、お客さまに喜んでいただける商品づくりを進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。

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