新年度が始まり、1カ月が経ちました。

新生活に馴染むため毎日忙しくしている人もいれば、「もうここで働きはじめて○年目か・・・」と感慨に浸る人もいるのではないでしょうか。

長年別の場所で生活していても、やはりふとした瞬間に地元の言葉は出てしまうもの。

そこで今回は、関西に焦点を当て、「回転焼き」や「押しピン」など、関西ならではの呼び方の物や食品をいくつか紹介します。

出所:LIMO編集部

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関西弁1. 「モータープール」

まず紹介するのは、「モータープール」。全国区の呼び名だと「駐車場」を指しており、関西圏のなかでも特に大阪を中心に使われています。

「モータープール」という呼び名の由来は、戦後日本に駐留していた米軍関係者が、軍事関係の車両施設や待機所などを「モータープール」と呼んでいたからなのだとか。

昔は大阪だけでなく東京の方にも「モータープール」がありましたが、東京では都市開発の影響で「モータープール」だった場所は商業施設などへと姿を変えました。

一方大阪では「モータープール」だった場所を民間の駐車場として活用するケースが多く、そのまま「モータープール=駐車場」となったと考えられています。

関西弁2. 「三角座り」

主に体育の授業で使う、足を山のように折りたたむ座り方である「体育座り」。

関西圏では「体育座り」だけでなく、「三角座り」という呼び方も普及しています。

足を折りたたんだ形が三角形だから「三角座り」と考えると、シンプルで分かりやすいですね。

地域によって表現は混在するようなので、今まで自分が通ってきた学校ではどのように呼んでいたのか、思い出してみるのも楽しいですね。

関西弁3. 「かやくごはん」

sasazawa/shutterstock.com

全国区では「炊き込みご飯」と呼ばれる料理は、関西では「かやくごはん」と呼ぶことがあります。

漢方において主成分の効能を上げるための補助薬を「加薬」と呼ぶこと、薬問屋が昔から集まっていた大阪では混ぜることを「かやく」と表現していたことから、「かやくごはん」という名称が定着したと考えられています。

昆布や鰹節の出汁を使い、ゴボウ・こんにゃく・薄揚げなどを混ぜた「かやくごはん」は、なんだかホッとするおいしさです。

関西を訪れる機会がある方は、ぜひ「かやくごはん」を試してみてくださいね。

関西弁4. 「コマ」

続いて紹介するのは、「コマ」。日本の伝統的なおもちゃである、逆三角錐に棒が付いているコマではありませんよ。

もちろん関西でもおもちゃのコマのことを「コマ」と呼びますが、それ以外にも自転車の補助輪のことを「コマ」と言うことがあります。

補助輪ありは「コマあり」、補助輪なしは「コマなし」、片方だけ補助輪があるときは「片コマ」と表現します。

関東のホームセンターで「子どもの自転車のコマを外す道具を探しているんですけど・・・」と尋ねたところ、「コマ」が通じなかった経験がある人もいるようです。

関西弁5. 「ばら寿司」

出所:農林水産省「ばらずし 大阪府」

農林水産省のうちの郷土料理によると、「ばら寿司」は大阪府の郷土料理で、関東でいう「ちらし寿司」のような位置付けとされています。

「ちらし寿司」との違いは、すし飯に具材を混ぜ込んでいるかどうか。

「ばら寿司」では具材を混ぜ込んだすし飯の上に、さらにトッピングを乗せるのに対し、「ちらし寿司」では何も混ぜていないすし飯に具材を乗せるのが一般的です。

高野豆腐・野菜・錦糸卵など、様々な具材を使っているぶん、関西の「ばら寿司」の方が食べ応えがありそう。

お店によって使っている具材も異なるので、関西を訪れた際は食べ比べをするのもよいかもしれませんね。

関西弁6. 「回転焼き」

生地を丸い型に流し込み、餡子やクリームを入れて焼き上げるお菓子。日本各地で、呼び方にバラつきがあることで知られています。

NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」では、京都が舞台ということもあり「回転焼き」と表現されていました。

滋賀県と兵庫県を除く関西では「回転焼き」という名称が主流のようです。

また、関西で主流とされる「回転焼き」は、九州地方でもよく使われているようです。

東日本に目を向けると「今川焼き」、北海道・青森県・岩手県等では「おやき」と呼ぶことが多いようですね。

あなたは「回転焼き」を、どのように呼んでいますか?

関西弁7. 「押しピン」

Lyudmyla Kharlamova/shutterstock.com

最後に紹介するのは、「押しピン」。壁に画用紙を固定するときなどに使う、「画鋲」の呼び方です。

西日本で「押しピン」と表現するものは、東日本で「画鋲」と表現することが多いようです。

「画鋲」の呼び方を観察すると、その人の出身地を大まかに推測できるかもしれませんね。

関西ならではの呼び名はまだまだある!

本文で紹介しきれなかった表現を含め、関西ならではの呼び名については冒頭の一覧表にもまとめています。

「ワイシャツ」を関西では「カッターシャツ」と表現したり、「かぼちゃ」を主に関西の年配の方は「なんきん」と呼んだりと、挙げればきりがないほどです。

呼び名によっては、歴史的な背景があるのも興味深いところ。

「自分もこの呼び方が全国区ではないと知ったとき、驚いたな」という経験がある方は、ぜひ周りの人との話のネタにしてみてくださいね。

参考資料

太田 彩子