2017年1月から対象者が大幅に拡大し、公務員や専業主婦、すでに企業年金に加入している会社員など、従来は対象外だった人も含め、原則20歳以上60歳未満であればほぼすべての人が加入できるようになったiDeCo(個人型確定拠出年金、イデコ)。

掛け金が全額所得控除となるなど節税メリットが大きいことから毎月数万人単位で加入者が増えている一方、手続きの煩わしさから挫折した人、加入をためらっている人も多いようです。特に会社員が手続きに苦労しているようだ、という話は金融機関の担当者からも漏れ聞こえてきます。その背景には、iDeCo加入手続きが個人で完結せず、会社に手続きをしてもらわなければならないことがあるようです。

「ひそかにスタート」は無理!? 会社に手続きしてもらわなければならない理由

企業に勤める会社員(第2号被保険者)がiDeCoの加入申し込みをするときには、必ず会社に届け出て書類の記入手続きをしてもらわなければなりません。

これは、会社員の場合、企業年金の有無によって掛け金の上限額が異なるほか、企業型確定拠出年金がある会社であれば規約で併用を認めていなければiDeCoに加入できないためです。そして、会社側は加入希望者がこれらの資格要件を満たしているかなどを「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」への署名・押印で証明しなければならないのです。

また、もしその会社で最初のiDeCoの加入希望者だった場合は、国民年金基金連合会への「事業所登録」を会社がする必要があります。これは年に一度、加入の資格要件に関する届出が必要であることや、会社が証明する手続きなどについて国民年金基金連合会から案内があるためです。

とはいえ、会社側で記載してもらわなければならない内容はそれほど難しいものではありません。事業所登録も、最初の人の「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」によって手続きできます。

そうはいっても実際には、会社の担当者がiDeCoをあまり詳しく知らず、手続きに苦労するということがあるようです。ざっくりとでも書類に何を記入してもらわなければならないのかなどは加入希望者自身も知っておくことが必要といえそうです。

掛け金の払込方法はどうする?

また、会社に手続きをしてもらうときに確認し、決めなければならないことがあります。それは掛け金の払込方法、すなわち「給与天引き」にするか、「個人払込」にするかです。

これは掛け金の所得控除の手続きなどに関わってきます。個人払込では加入者が年末調整で対応しますが、給与天引きの場合、会社が給与からiDeCoの掛金額を控除して、源泉徴収税額を算出しなければなりません。

つまり、給与天引きにあたっては会社側で煩雑な事務手続きが必要になるということです。加入希望者が給与天引きを希望しても会社が対応できないといった場合などには個人払込をすることになります。

個人払込なら掛け金の額の変更や停止などの際に会社で手続きをしてもらう必要はありません。また、年末調整もそれほど難しい作業でありませんので、実際には個人払込を選んでいる人の方が多いのではないかと考えられます。

まとめ

いかがでしたか? 会社に手続きをお願いしに行くのは気が重い、勇気がいるという方もいらっしゃるかもしれません。もし一人ではなかなか相談も説明もしづらいということでしたら、同僚などにも話してみて一緒に相談にいくのもよいかもしれませんね。

老後のための資産を自分自身の手でしっかりつくるために、検討してみてはいかがでしょうか。

 

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LIMO編集部