2023年4月14日に日本証券アナリスト協会主催で行われた、株式会社ほぼ日2023年8月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社ほぼ日 取締役 鈴木基男 氏

『ほぼ日手帳』が牽引し、前年同期比約19.8 %の増収

鈴木基男氏:本日はお越しいただきありがとうございます。ほぼ日の2023年8月期第2四半期の決算についてご説明します。

まずは第2四半期の事業報告として、売上からご説明します。この第2四半期までの売上高については、「ほぼ日手帳」の売上が成長を牽引しており、全体の売上高は44億3,900万円で、前年同期比プラス7億3,300万円、19.8パーセント増となっています。

内訳としては、「ほぼ日手帳」が30億200万円、「ほぼ日商品」が10億3,600万円、「その他」が4億円となっています。

「ほぼ日手帳」は約7億円の増収で、前年同期比プラス30.4パーセントとなっています。「ほぼ日商品」はほぼ前年同期並みです。「その他」については前年同期比プラス3,300万円、9.3パーセント増となっています。

「ほぼ日手帳」については、2023年版より英語版の手帳本体のラインナップを拡充しています。また、『ONE PIECE magazine』とコラボレーションした、1日1ページの手帳本体・カバーが大きな反響を呼んでいます。さらに、2022年12月には「ほぼ日手帳HON」という新しいタイプの手帳を発売しました。これらが売上の成長を牽引しています。

「ほぼ日商品」については、2022年2月より販売を開始した、寝具を取り扱うブランド「ねむれないくまのために」、AR地球儀「ほぼ日のアースボール」といった商品群が好調に進捗しました。一方で、アパレル関連や「HOBONICHI MOTHER PROJECT」が前年同期比で減少しており、伸びている部分と下がっている部分との組み合わせで前年同期並みとなっています。

「その他」の売上については、ほぼ日では基本的にECで商品を販売しているため、お客さまに配送料を一部負担していただくことによる送料売上が主です。その中でも、特に海外への出荷の増加を背景として、送料売上が増加しています。

結果としては、売上高は44億3,900万円、前年同期比でプラス19.8パーセントとなっています。

第2四半期は増収増益

損益についてご説明します。第2四半期は増収増益となっています。売上高については先ほどご説明したとおり、前年同期比で19.8パーセント増となっています。一方で、売上原価は前年同期比11.3パーセント増で、売上の伸びに対して抑えられています。主に「ほぼ日手帳」が売上の伸びを牽引したため、原価率が改善されています。

販管費については、「ほぼ日手帳」を海外に販売していく上で、「Amazon」や「天猫国際」というアリババグループのモールなど、越境ECモールを利用することによる手数料や送料は追従しますが、いわゆる固定費のような部分の増加は抑えられており、前年同期比11.6パーセント増に留まっています。

結果として、営業利益は9億2,900万円で、前年同期比でプラス3億7,300万円、プラス67.1パーセントということで順調に推移しています。

原価および販管費の増加の要因は、繰り返しになりますが、海外直販売上が増加していることです。加えて、この後あらためてご説明しますが、「Amazon」が期中に販売手数料の引き上げを行ったことによる増加等もあります。

ただし、物流コスト低減の施策も行っているため、この程度に抑えられている状況になっています。

売上高全体に占める海外売上高の構成比率が39.3%に増加

ほぼ日のメイン商材は「ほぼ日手帳」であり、この売上高が海外で伸びていると、これまで何度かお話ししています。現在、売上高全体に占める海外売上高の構成比率は39.3パーセントと、約4割にまで迫っている状況にあります。

前年同期比でも、前年が12億2,500万円だったのに対して本年は17億4,500万円と、およそ5億1,900万円増加しており、売上に占める海外の比率も6.2ポイントプラスになっています。これは主に、「ほぼ日手帳」という商品が、アメリカをはじめ、イギリスやヨーロッパ諸国等でも売上を伸ばしていることによる増加です。

次のスライドで、さらにブレイクダウンした数字をお伝えします。

『ほぼ日手帳』の海外売上高は前年同期比35.8%増

「ほぼ日手帳」の海外売上高は、前年同期比で35.8パーセント増となっています。全体の売上高が20パーセント弱伸びている中、「ほぼ日手帳」の売上高は30パーセント程度の増となっており、海外売上高の35.8パーセント増というところが大きく牽引しています。

スライドをご覧いただくと、「ほぼ日手帳」全体の売上高が30億円程度の中で、海外売上高が14億8,800万円、国内売上高が15億1,400万円ということで、現在「ほぼ日手帳」は、国内と海外で同水準の売上となっています。

海外売上高は、直販では前年同期比32.1パーセント増、海外の現地の店舗で販売している卸で前年同期比98.9パーセント増となっています。

すでにほぼ日を知っている方、「ほぼ日手帳」を好んでくださっている方だけでなく、現地の店舗でそれを初めて見る中で「こんないい商品があるんだ」と手に取ってくださる方が増えてきていることが、当期の特徴になっていると考えています。

エリア別にご説明します。アメリカでは昨年から大きく伸びていますが、当期はさらに伸び、北中米での売上高は8億4,500万円です。前年同期比でプラス3億6,300万円、75.4パーセント増と、額も率も大きく伸びています。

当期は、ヨーロッパの状況が特徴的です。売上高の額では1億3,100万円という規模ですが、前年同期比でプラス6,900万円、約2.1倍です。アメリカでの伸びが伝わってきているのか、ヨーロッパでは主にイギリスで伸びています。このように、第1四半期・第2四半期は「ほぼ日手帳」が海外で伸長しました。

日本国内でも『ONE PIECE magazine』とのコラボレーションが寄与し、国内売上高は15億1,400万円、前年同期比プラス3億700万円と、決して小さい数字ではありません。手帳というジャンルにおいて、国内でも25.5パーセント成長しています。損益に関してはは以上です。

貸借対照表

貸借対照表です。毎年変わりありませんが、前期末に入荷した「ほぼ日手帳」の棚卸資産が、販売開始に伴い減少しています。

キャッシュ・フロー計算書

最後に、キャッシュ・フローの状況です。前期末時点で16億1,800万円の残高から、半年経過して23億5,200万円と、7億円強増加しています。

内訳は、営業活動によるキャッシュ・フローは10億1,200万円のプラス、これに対して、投資活動によるキャッシュ・フローは1億6,500万円のマイナスです。こちらはアプリなどの無形固定資産の取得による支出や、システム投資がメインです。また、「ほぼ日の學校」のコンテンツを作っていく際の、動画制作にかかるコストなどの支出が4,500万円です。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当が主な内訳です。毎年安定した配当を継続しているために発生しています。結果として、当四半期末の残高で23億5,200万円です。私からの決算の説明は以上です。

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