2023年4月11日に発表された、ファーマライズホールディングス株式会社令和5年5月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:ファーマライズホールディングス株式会社 代表取締役社長 秋山昌之 氏
ファーマライズホールディングス株式会社 専務取締役 松浦惠子 氏

令和5年5月期第3四半期決算説明

秋山昌之氏(以下、秋山):みなさま、おはようございます。社長の秋山です。本日はお忙しいところ、多くのみなさまにお集まりいただき、誠にありがとうございます。これより、ファーマライズホールディングス株式会社、令和5年5月期第3四半期決算説明会を始めます。

今回の決算説明会は、これまでよりも約2週間早いタイミングでの開催となっています。これは、後ほどあらためてご説明しますが、決算発表の早期化に取り組んできた結果、30日開示が可能になったことによるものです。これからもできる限り早いタイミングで、最新の情報をお届けできるように努めていきます。よろしくお願いします。

令和5年5月期 第3四半期 決算説明資料

本日は、「決算説明」「調剤報酬改定への対応」「中期経営計画」についてご説明します。

1-決算説明 決算ハイライト

まず、決算ハイライトについてご説明します。令和5年5月期第3四半期における売上高については、薬価改定の影響があったものの、処方せん枚数や調剤技術料算定の増加により、前期比で100.4パーセントの387億3,000万円となりました。

営業利益は、調剤薬局事業における医薬品仕入環境の変化、当期に実施した新規出店やM&A等による販管費の増加、物販事業における水道光熱費等の経費の増加を主な要因として、前期比でマイナス1億300万円の8億9,600万円となりました。

令和4年12月29日に開示した修正後の計画との差異については、売上高がほぼ計画どおりとなり、親会社株主に帰属する四半期純利益が、修正後の計画比に対し101.6パーセントで推移しています。

1-決算説明 連結損益計算書

連結損益計算書についてご説明します。調剤売上高は、薬価改定の影響が大きかったものの、処方せん枚数や調剤技術料算定の増加により、前期比でマイナス3,300万円にとどまりました。

商品売上高は、抗原検査キット等の売上増やコンビニエンスストア部門の売上増により、前期比でプラス1億4,500万円、その他の売上高は、職業紹介事業の売上増により、前期比でプラス5,000万円となりました。これにより、売上合計は、前期比でプラス1億5,100万円の387億3,000万円となりました。

売上総利益は、商品売上高の増加に伴う商品原価の増加や、水道光熱費・支払手数料等が増加したことにより、前期比でマイナス5,200万円の減益となりました。

営業利益は、当期に実施した新規出店やM&Aによる販管費の増加等により、前期比でマイナス1億300万円の減益となりました。

また、当第2四半期に賃貸借契約解約損を特別損失として計上したこと等により、税金等調整前四半期純利益が前期比でマイナス2億4,500万円の減益となりました。このため、法人税等が1億3,700万円減少し、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前期比でマイナス1億1,300万円の減益となりました。

1-決算説明 連結貸借対照表

連結貸借対照表についてお話しします。当第3四半期末における資産合計は229億3,500万円となり、前期末比で8億1,100万円減少しました。こちらの主な要因についてご説明します。

流動資産は、より機動的にM&Aや新規出店に対応するため、手元資金を厚めにしたことにより、現預金が4億3,000万円増加しました。また、前期末は在庫を圧縮させましたが、当第3四半期末はそのような施策を実施しなかったため、商品及び製品が8億1,200万円の増加となりました。

一方で、手元資金の充実のため、流動化の残高を増加させたことで、売掛金と未収金の合計額は15億4,000万円減少しました。以上の要因により、流動資産は2億7,900万円減少しました。

続いて、固定資産についてです。有形固定資産は、大きな投資がない中で減価償却が進展し、2億4,300万円の減少、無形固定資産は、のれんが2億8,100万円縮小したことを主な要因として、2億8,500万円の減少となりました。これらにより、固定資産は5億3,000万円減少しました。

次に、負債合計についてです。161億100万円となり、前期末比で9億4,500万円減少しました。こちらの最大の要因は、リース債務を含む有利子負債を7億3,300万円削減したことです。その他の負債が減少した主な要因は、未払法人税が3億2,200万円減少し、賞与関連の引当金・未払金が1億9,200万円減少したことです。業績動向も影響していますが、両方とも算出期間が6ヶ月と3ヶ月の違いから発生しているものになります。

負債の主な増加要因は、買掛金が3億1,800万円増加したことです。こちらは、前期末に在庫を圧縮したことにより、前期の第4四半期は医療用医薬品の仕入高が少なかったためです。

純資産合計は68億3,300万円となり、前期末比で1億3,400万円増加しました。主な要因は、「親会社株主に帰属する当期純利益を2億800万円計上したことに対し、配当金の支払いが1億3,000万円となり、利益剰余金が7,700万円増加したこと」に加えて、「譲渡制限付株式報酬として新株式を発行したこと」により、資本金及び資本剰余金が合計で4,700万円増加したことです。

結果として、自己資本比率は、前期末比でプラス1.5パーセントの28.4パーセントとなっています。詳細の差異要因については、スライド右側をご参照ください。

1-決算説明 セグメント別 業績

セグメント別の前期比の利益状況です。こちらのご説明に入る前に、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいていることについてお話しします。

当第1四半期連結会計期間より、従来、調剤薬局事業・物販事業の各事業内に含めていた、卸売に関わる取引においては、「各報告」セグメントから「その他」セグメントに統合しています。こちらは、経営管理上の意思決定や業績区分を見直した結果、従来のセグメントと分けたほうが、より適切であると判断したことによるものです。なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しています。

それでは、セグメント別の業績についてご説明します。スライド上部の表にセグメント別の売上高、下部の表にセグメント利益をそれぞれ記載しています。

まず、セグメント別の売上高についてです。調剤薬局事業の売上高は、薬価改定の影響はあったものの、処方せん枚数や調剤技術料算定の増加、抗原検査キット売上の増加により、前期比でプラス1億2,000万円となりました。物販事業の売上高は、コンビニエンスストア部門の売上増加により、前期比でプラス4,800万円となり、売上高合計では前期比でプラス1億5,100万円の増収となりました。

次に、利益面についてです。調剤薬局事業のセグメント利益は、処方せん枚数や調剤技術料算定の増加はあったものの、薬価改定の影響に加え、医薬品仕入環境の変化、当期に実施した新規出店とM&Aによる販管費の増加により、前期比でマイナス1億1,500万円となりました。

物販事業のセグメント利益は、ドラッグストア部門において主力の医薬品は回復しつつあるものの、マスク等の衛生材料等、新型コロナウイルス関連需要の減少により、前期比でマイナス1,800万円となりました。その結果、セグメント利益合計は、前期比でマイナス1億300万円の減益となりました。

第3四半期のみの前年対比で言いますと、営業利益が前期比でプラス1億1,100万円の増益となりましたので、かなり利益が回復してきています。

1-決算説明 セグメント別 営業利益増減(前期比)

こちらのスライドのグラフは、セグメント別営業利益の前期差異をグラフ化したものです。スライド一番左の前期営業利益10億円から、各セグメントの営業利益増減の結果、一番右の当期営業利益8億9,600万円となりました。

一番影響の大きかった調剤薬局事業については、繰り返しになりますが、薬価改定の影響と仕入条件の悪化、新規出店などの販管費増加等のマイナス要因があったものの、処方せん枚数と調剤技術料算定の増加がプラス要因となって、マイナス1億1,500万円にとどまったかたちとなっています。

1-決算説明 セグメント別 営業利益増減(修正計画※比)

こちらのスライドのグラフは、セグメント別営業利益の計画差異を表したものです。スライド一番左の計画営業利益9億4,400万円から、各セグメントの小幅な営業利益増減の結果、一番右の当期の営業利益8億9,600万円となっています。

2-調剤報酬改定への対応 調剤技術料の推移

調剤報酬改定への対応について概要をご説明します。

スライド上部のグラフは、直近2年間の調剤技術料単価の推移と、令和5年5月期における単価推移の計画値と実績値を示したものです。調剤技術料単価には、後発医薬品調剤体制加算や地域支援体制加算等への対応の成果が見受けられ、スライド上部の調剤技術料単価及び下部の技術料ともに、前期比・計画比で上回っている状況です。

なお、この後ご説明しますが、調剤技術料単価の見込み推移は、現時点で計画を上回っています。加えて、令和5年2月末時点でグループ店舗数が298店舗となり、300店舗を下回ったことで、4月、5月の調剤技術料単価が計画を大きく上振れ、180円程度の増加となる見込みです。

スライド上部のグラフの点線部分をご覧ください。令和5年5月期計画を示しています。計画では4月、5月が落ち込んでいますが、実績値の一番上の水準を保ち、3月、4月、5月と平行して推移すると考えています。

2-調剤報酬改定への対応 処方せん単価と技術料構成比の推移

こちらのスライドでは、処方せん単価と技術料構成比の推移について、令和4年5月期と令和5年5月期の四半期ごとに示しています。左側が処方せん単価の推移、右側が技術料構成比の推移の実績値です。処方せん単価は、令和4年4月の薬価改定の影響により前期を下回っています。

また、技術料構成比は、薬価改定による薬剤料単価の減少と技術料単価の増加により、25.8パーセントに上昇し、前期を上回って推移しています。

2-調剤報酬改定への対応 後発医薬品の数量シェアの推移

後発医薬品の数量シェアの推移です。こちらは順調に推移しており、令和5年2月期末時点で84.4パーセントの数量シェアとなっています。

2-調剤報酬改定への対応 調剤基本料(R5/5期1Q再掲)

調剤基本料についてご説明します。こちらのグラフは、令和5年5月期第1四半期の決算説明会で提示した調剤基本料の資料の再掲となります。スライド中央より左が令和4年8月の第1四半期までの実績で、中央より右が令和5年5月期の計画となっています。

令和5年5月期第1四半期の決算説明会では、グループ店舗数が令和5年2月時点で300店舗を超える計画としていました。令和5年5月時点で一番点数の高い調剤基本料の「1」の店舗が11店舗のみとなり、ほとんどの店舗が点数の低い「3-ロ」と「3-ハ」に移行する想定でした。

2-調剤報酬改定への対応 調剤基本料

こちらのスライドが、現時点の調剤基本料の状況です。令和5年2月末時点でグループ店舗数が298店舗となったため、調剤基本料に変化はなく、期末に向けてほぼ現状どおりに推移していく見込みとなりました。

2-調剤報酬改定への対応 地域支援体制加算(R5/5期1Q再掲)

こちらは令和5年5月期第1四半期の決算説明会で提示した地域支援体制加算の資料の再掲です。先ほどお示しした「調剤基本料(R5/5期1Q再掲)」の状況と同様に、令和5年5月時点で基本料「1」の算定店舗数が減少することに伴い、地域支援体制加算を算定できる店舗が減る計画でした。

2-調剤報酬改定への対応 地域支援体制加算

こちらは現在の地域支援体制加算の状況です。令和5年2月末の店舗数が298店舗になったことで、調剤基本料「1」の店舗数はこれまでと変わらないこととなり、地域支援体制加算を算定できる店舗は期末に向けてむしろ増える見込みとなっています。調剤基本料と地域支援体制加算の影響により、4月、5月の調剤技術料は計画よりも1億2,000万円程度上振れる見込みです。

2-調剤報酬改定への対応 後発医薬品調剤体制加算

後発医薬品調剤体制加算の状況です。ジェネリック医薬品の流通改善が見通せない状況ですが、ほぼ計画どおりに推移する予定です。

2-調剤報酬改定への対応 かかりつけ薬剤師同意書の受入実績

かかりつけ薬剤師の同意書取得については、令和5年2月末時点で累計124,581枚となり、ほぼ計画どおりに推移しています。令和5年5月末には13万枚を目指しています。

2-調剤報酬改定への対応 健康サポート薬局と地域連携薬局

現在、健康サポート薬局及び地域連携薬局の認定取得にも力を入れています。第3四半期末時点で健康サポート薬局は80店舗、地域連携薬局は121店舗となっています。

3-中期経営計画 基本方針

中期経営計画についてご説明します。こちらは、令和5年5月期から令和7年5月期までの3ヶ年の計画です。

当社グループは、令和3年12月24日に「中期経営計画 LSG(Leading to Sustainable Growth)2024〜成長を目指した経営基盤の構築」を公表しました。日本の人口の3分の1が65歳以上の高齢者になる令和12年(2030年)に向け、持続的な成長基盤を築くことを目的として、3つの方針を掲げています。

1つ目は「投資家に選ばれる会社になるための取組強化」、2つ目は「調剤事業を核とした事業展開による収益獲得強化」、3つ目は「経営基盤の更なる強化」です。これらに取り組み、中期経営計画の最終年度には営業利益25億円を目指します。

3-中期経営計画 定性目標

定性目標の項目や内容はスライドに記載のとおりです。現在までの取り組み状況については、これから順を追ってご説明します。

3-中期経営計画 定性目標-取組状況①

「投資家に選ばれる会社になるための取組強化」についてお話しします。ESG、SDGsへの取組は、参考資料の35ページ「投資家に選ばれる会社になるための取組強化」に記載した項目について継続的に取り組んでいます。

また、サステナビリティ委員会において、外部コンサルタントの協力のもと、主に社会への長期的価値提供に向けた当社の重要課題(マテリアリティ)の特定と、TCFD提言に準じた気候変動がもたらすリスク及び機会に関する事項の2項目につき協議検討を行っています。令和5年8月末までに開示予定です。

IR拡充においては、令和4年5月期の通期決算に係る決算短信及び決算説明会資料以降、英語による開示を開始しました。決算発表の早期化にも取り組んでおり、令和5年5月期においては、第1四半期が1日、第2四半期が15日、第3四半期が13日と、それぞれ前期比で前倒して開示しました。その他、当期は個人投資家向けWeb説明会を開催しています。

3-中期経営計画 定性目標-取組状況②

「調剤事業を核とした事業展開による収益獲得強化」についてお話しします。地域医療への貢献強化として、地域住民の健康意識を高め、健康寿命の延伸に貢献する「健康サポート薬局」を継続的に増加させています。令和5年2月末現在で80店舗となりました。令和4年5月末比で9店舗の増加です。

また、新型コロナウイルス感染症による影響が落ち着いてきたため、健康増進活動の支援を目的とした「継続支援プログラム」の全社的再開と、プログラムのジャンル拡大を進めています。

さらに、新規出店による収益獲得強化として、今期は調剤店舗を3店舗新規でオープンし、M&Aで3社、4店舗の取得を行っているほか、コンビニエンスストアも1店舗取得しています。

3-中期経営計画 定性目標-取組状況③

「経営基盤の更なる強化」についてお話しします。店舗オペレーションの効率化・質の向上として、調剤店舗における処方せん入力のリモート化の推進・改善及び調剤業務に係る最新機器導入を進めています。

DXを活用した効率化・新たな価値提供として、国の進めているマイナンバーカードによるオンライン資格確認が、グループ調剤店舗のほぼすべての店舗で対応できるようにしました。電子処方せんの受け入れは順次対応中です。

また、当社グループ独自の電子お薬手帳「ポケットファーマシー」は、お薬手帳機能以外にも健康サポート機能やオンライン服薬指導サービス機能、それに係る決済機能等を患者に提供しています。今後は電子処方せんの送信機能及び「マイナポータル」内の情報取得等の機能を利用者に提供していきます。

人的資本の投資強化として、令和元年に子会社10社を統合した後、人事制度を新たに策定・導入し、その浸透を図っています。本制度の基本方針は「誰もが安心して長く働けるような多様なキャリアパスを描くこと」と「それを後押しする評価や処遇の導入」です。

本制度の基本方針達成のために、「等級制度」「評価制度」「報酬制度」を全面的に再設計しています。また、教育・研修制度も、より体系的なものとして一新し、令和2年以降導入・実施しています。

3-中期経営計画 調剤事業を核とした事業展開

「調剤事業を核とした事業展開による収益獲得強化」として、高齢者をターゲットとした地域医療への貢献強化を行っています。これまでの取り組みをさらに強化し、かかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師及び医療事務のMCS(Medical Care Staff)を中心として予防・治療・看取りの分野を深化させていきます。

3-中期経営計画 中期経営計画

こちらは中期経営計画のイメージです。各重点施策を推進することで、中期経営計画の最終年度である令和7年5月期に営業利益25億円を目指します。

質疑応答:薬局と介護事業との連携について

質問者:介護事業との連携について質問です。来年、トリプル改定が控えている観点から、2030年から2040年にかけて少子高齢化の問題が介護の現場でも深刻化するのではないかという話を聞きました。

一方で、自立支援・重度化防止の大きなテーマを掲げて改革を進めていく事業者もいます。その中で、御社は薬局と介護事業を連携されていると思いますが、この課題解決に向けて、従来の施設との連携から一歩踏み込んだ取り組みを具体的に考えているのでしょうか? 

松浦惠子氏(以下、松浦):介護事業との連携についてお答えします。当社では多職種の方々との連携を密に行っています。地域においては、多職種との連携会議に参加し、施設に対しては、看護師の方々が介護により時間をさけるような薬のセット方法等を提案しています。

また、高齢者の方々によりよいサービスを提供するために、薬局や施設だけではできないことを、連携というかたちで力を合わせて取り組んでいます。ケアマネジャー等の施設関係者だけではなくドクターとも連携して、さまざまな会議に出席し、施設との連携が取れるような協力体制を敷いています。

秋山:2025年頃から外来が減少し、入院する方が増えてきます。また、2040年に向けて死亡する方も増えてきます。その中で、薬局を訪れる方は少しずつ減少し、在宅訪問したり、施設に出向いたりして服薬指導や薬の管理をする場面が必然的に増えてくるということです。

松浦がお話ししたとおり、今後は薬局の中に留まるのではなく、施設や地域の中で多職種の方々と連携することが薬剤師の仕事の中心になってきます。そのため、薬剤師やMCSの意識改革もしていかなければならないと思っています。

社員に対する意識改革や地域との連携の調和は、2030年、2040年に向けて実感できるかたちになってくると考えています。

質問者:多職種の連携会議等で、介護事業者側の要望といいますか、「薬局側は何ができるのか」といった声は出てきているのでしょうか?

松浦:最近、多く挙げられるのは「調剤過誤だけではなく、セット間違いや患者への配布間違いに気を付けて、しっかり管理しなければならない」という課題です。そのため医療者からは、「薬の専門家である薬剤師、薬局に薬の管理を任せたい」という声が多くなってきています。

薬は命にも治療にもかかわる一番大事なものですので、医療者からはMCSや薬局薬剤師等、専門家による管理の要望が非常に強く出てきています。私たちもその要望に応えるべく、施設や在宅の患者に対して薬のカレンダー管理をしたり、「服薬支援ロボ」という機械を活用して正しく薬を飲んでもらったりする取り組みを続けています。施設側からもいろいろな要望がありますが、その要望に応えるべく、しっかりと連携を取りながら進めています。

質疑応答:中期経営計画と店舗数の関係について

質問者:中期経営計画と店舗数の関係について教えてください。現在、店舗数は298店舗となっており、調剤報酬の基本料の部分で300店舗を超えないよう意識されていると思います。

その一方で、中期経営計画では目標として「新規出店による収益獲得強化」を掲げていて、達成のためには店舗数の増加が重要なファクターになると思っています。 中期経営計画の目標を達成するために、店舗数を増やしていく考えはあるのでしょうか?

秋山:300店舗の縛りが出たのは、実は私たちが中期経営計画を策定した後です。中期経営計画の中では、約10店舗ずつ増やす見込みで考えていました。しかし、300店舗という縛りができたことにより、今期の前半から推移を見て、「300店舗以下に抑えた方がよいだろう」という判断になり、途中で軌道修正しました。

中期経営計画の3年、そしてその後3年を見通していますが、「その中では店舗を増やさない」ということではありません。来期でいえば、点数を高く維持しているうちに店舗を増やしたり、M&Aに取り組んだりして、なるべく多くの店舗をグループに入れることに注力していきたいと考えています。結論として、店舗数は今後増やしていくということです。

質問者:いつ頃に何店舗という目標はあるのでしょうか?

秋山:今のところ公表しているものはありません。

質疑応答:コロナ禍以降に注力する商品について

質問者:物販事業に関して、細かいところを教えてください。マスクや抗原検査キットの需要は徐々に収まっていくと思いますが、コロナ禍以降に力を入れていく商品、あるいは「このようなものが薬局、消費者に支持されていくのではないか」という見込みはあるのでしょうか?

秋山:人出が増えてきたため、これまで少なかったレジャーで使う商品が必要になってくると考えています。例えば日焼け止めのように、外で活動する時に必要になる商品は伸びてくると思っています。

また、マスクを外すことに抵抗のある女性もいると思いますが、外している方も増えてきています。夏に向けてより増えてくる見込みですので、化粧品の需要はあると思います。したがって、そのあたりの品揃え、構成の入れ替えをしっかりしていきたいと考えています。

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