50歳代といえば、老後の生活資金がいっそう気になってくる年代ではないでしょうか。

帝国データバンクが2023年3月31日に公表した「食品主要195社」によると、5月以降も4000品目以上が値上げ対象となっています。

終わりが見えない値上げラッシュに、老後の生活がどうなってしまうのか不安に思う方も多いと思います。

今回の記事では、50歳代の方が定年退職に向けて老後資金を準備する方法について解説していきます。

50歳代の貯蓄事情を全世代平均と比較

まずは、50歳代の貯蓄事情を全世代平均(20〜70歳代の平均)と比較していきます。

ひとり世帯のケース

金融中央広報委員会の家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)に掲載された50歳代ひとり世帯の金融資産保有額を、全世代平均と比較します。

出所:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)をもとに筆者作成

注目したいのは「金融資産非保有の割合」と「平均値・中央値の乖離」の2つです。

全世代平均と比較すると、50歳代の金融資産非保有(貯蓄ゼロ)が高く、約4割にのぼります。

加えて平均値が1048万円・中央値が53万円と大きな差が。これは資産格差が大きいため、乖離が起こっていると考えられます。