「株式投資を始めてみよう!」――この夏、そう決意した方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、いざ株を買おうとしても、どんな株を選んだらよいのかと迷う方も多いかもしれません。
今回はこれから株式投資を始めたい方に向けて「株の銘柄の選び方」をご紹介します。自らが発掘し投資した会社の株価が上がったり、配当をもらえたりするととてもうれしいものです。また、投資経験を重ねることでさらに株式投資がうまくなるという好循環も生まれますよ。
初心者向け 株の銘柄の選び方
ステップ1:身近な株から探してみよう
日本国内で上場している会社(銘柄)は約3,500社あります。また、インターネットや新聞・雑誌などには「有望銘柄」「推奨銘柄」があふれています。
これらの情報をもとに投資する銘柄を選ぶのは簡単なようでなかなか大変です。また、仮に有望銘柄の情報がみなさんに届いたとしても、その情報をすでに多くの投資家が入手し、投資をはじめてしまっているかもしれません。株式は買いたい人が増えるほど値段が上がる商品です。人気が出てお得感がない高値になっているにも関わらずあわてて買ってしまった結果、儲からなかったなどという話は往々にしてあるものです。そもそも知らない会社で、事業内容や業界環境がイメージできないといった場合には、情報に頼るばかりで自分自身では判断できていないことになります。
そう考えたときに、身近な会社に着目するメリットはたくさんあります。まず、身近な会社ですから、自分自身でその企業の魅力を掘り下げて考えることができます。お店であれば店員さんとちょっと話してみるだけでも投資のヒントにつながるでしょう。定期的にその会社の商品・サービスに変わりがないか点検することもできますね。
こうして自ら得た情報と知見は、人からの情報頼みにならない自分だけの貴重な投資判断の材料になります。株価が大幅に上がったり下がったりしたときにも、自信を持って売買の判断ができるようになるはずです。
まずは身近にあって気になる銘柄を探していきましょう。たとえばお気に入りの商品を作っている会社、よく使う交通機関、お買い物を良くするお店、家族が好きな飲食店などはありませんか?
ステップ2:気になる会社の概要と業績を掴もう
気になる会社(銘柄)が見つかったら、証券会社のサイトなどでその会社の概要、業績に関する数字をチェックしていきます。ポイントは「規模(売上高や従業員数)」、「儲かっているか(利益)」、「借入金が多くないか(自己資本比率)」などです。
ここで、赤字続きで儲かっていないような会社や、儲かっていない上に借入金が多いといった倒産リスクが高い会社は回避します。
ステップ3:会社の利益が何倍になるかをイメージしよう
次に、もし自分が注目している商品やサービスが普及して人気が出たら、その会社全体の売上高や利益がどれくらい変わるのか自分なりにイメージしてみます。はじめのうちは練習のつもりで気負いすぎなくて構いません。まずは実際に大ヒットした食べ物やゲームを持つ企業などを参考に考えてみるのもいいでしょう。
大切なことは、自分が注目する商品やサービスが企業の業績を大きく伸ばす可能性があるかという視点を持つことです。もし会社全体の売上高・利益が2倍、3倍になる可能性のある会社(銘柄)に出会えたらしめたものです。
難しく感じるかもしれませんが、初心者が株式投資をマスターする過程ではとても大切なステップです。がんばってみてください。
ステップ4:株価をチェックしよう
業績が伸びそうな会社だと思ったら、株価と投資に必要な金額をチェックしましょう。株を購入するにあたって最低限必要な金額は「株価×単元株数(100株から買えるのか1,000株から買えるのか)」で計算できます。もし株価が500円で単元株数が100株なら、最低投資額は5万円です。自分の予算に合う株なのかを確認しましょう。
ステップ5:投資判断をしよう
いよいよ投資判断です。株価が割高か割安かを見る指標を確認しましょう。押さえておきたい指標は「PER(株価収益率)」です。
PERは(株価)÷(1株利益)で計算し、「今の株価が年間1株利益の何倍(何年分)にあたるか」がわかります。業界や成長性などでも異なりますが、市場平均は15~20倍程度です。それ以上だと割高、それ以下であれば割安と見ます。
現在のPERを掴んだら、先に考えた将来の利益の伸びをイメージしつつ、株を買うかどうかの「投資判断」をします。
たとえば、注目している会社の現在の株価が1,000円、1株利益が50円だとします。この会社の1株利益が今後2倍(100円)になると考えた場合、もし株価が変わらなければ、PERはどう変化するでしょうか。
現在のPERは1,000円÷50円=20(倍)ですが、将来のPERは、1,000円÷100円=10(倍)になり、平均の15~20倍より低くなります。したがって、この銘柄は割安で、業績の伸びに合わせて株価が上昇していくと予想できます。
慣れてきたら、その会社の過去のPERの推移や類似企業のPERを調べてみると参考になります。こうした情報は貴重な投資判断の材料になります。株価が大きく動く局面でも、自分で自信を持って判断ができるようになるはずです。
1週間に1度、30分、銘柄を調べる時間を持ってみよう
少し難しく感じるかもしれませんが、分かる範囲だけでかまいませんので、1週間に1度、30分ほどこのプロセスを試してみてください。10銘柄ほど調べてみると、業績が伸びそうだとピンとくる銘柄に出会ったり、買ってみたいと思う銘柄に出会うものです。習うより慣れろの精神でしばらく続けてみてください。
情報の集め方
身近な銘柄を探すためには、自分の持つ情報や知識だけでなく、家族、親戚、職場などでどんな商品やサービスが人気があるのかなどにもアンテナを張っておくと役立ちます。もし気づきがあれば、利用している人に理由を聞いてみるとよいでしょう。
また、証券会社のインターネットサイトにある推奨情報も参考になります。たとえば大和証券なら、証券口座を開設するとプロの証券アナリストが執筆したレポートを読むことができたり、日経テレコン(日本経済新聞朝刊・夕刊、日経産業新聞、日経MJ、日経地方経済面、日経プラスワンと1日約700本の日経速報ニュースを完全無料で閲覧できるサービス)による情報収集ができたりと、個人投資家にとってありがたいサービスがたくさんあります。オンラインセミナー等で知識を養うのもよいでしょう。口座開設費は原則かかりませんので、ぜひ活用してみてください。
会社のホームページには必ず目を通そう
買いたい銘柄に目星をつけたら、ぜひその会社のホームページをのぞいてみてください。特に「投資家情報」「IR」と名付けられたページには、経営者のメッセージ、さまざまな決算資料、決算説明会の資料などが並んでいます。経営者のメッセージと個人投資家向けのページに目を通してみると、会社に対するイメージがより鮮明になるはずです。
まとめ
いかがでしたか。身近な銘柄から調べていくのが株式投資の初心者にはおすすめです。他人の意見や投資情報に踊らされることなく、自分のアンテナで銘柄選びに成功し、投資で成功できれば最高ですね。みなさんもチャレンジしてみてください。
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