4月は環境の変化が多い月です。子育てが次のステージに移り、そろそろ仕事復帰をしようと考える方もいるかもしれません。

育児をしながら働く方が意識するのが、「扶養に入るか入らないか」について。

特に社会保険に加入するかどうかでは、保険料が手取りに与える影響も大きく、扶養の上限を超えるかどうか悩む方も多いのではないでしょうか。

政府は年収の壁を見直す動きも出ており、その動向に注目が集まります。

社会保険に自らが加入するようになると、将来の厚生年金が増えるというメリットがあります。

扶養の範囲を少しだけ超えた「月収11万円」の場合、厚生年金がいくら増えるのか検証してみましょう。

合わせて社会保険に加入するその他のメリット、デメリットについても見ていきます。

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1. 年収の壁には種類がある

ひとことに年収の壁といっても、「税金」と「保険」の2種類があり、さらに目安となる年収にも段階があります。

まずは簡単におさらいしましょう。

1.1 税金面の扶養(年収の壁)

  • 103万円の壁:所得税が発生する
  • 150万円の壁:配偶者の配偶者特別控除が段階的に減る

1.2 社会保険の扶養(年収の壁)

  • 106万円の壁:一定要件を満たせば社会保険に加入
  • 130万円の壁:社会保険に加入

このように、税金面の扶養と社会保険面の扶養に分けることができます。

いずれにしても税金や保険料の負担が増えるため、給与が増えても手取りが減るという逆転現象が起こることがあります。

そのため、年収の壁を超えないよう「働き控え」が発生するケースもあるのです。