2. 源泉徴収される所得税と住民税の金額
厚生年金や国民年金から税金が天引きされるのは、課税所得がある場合です。
年金以外に所得がない場合、課税所得は次の通り計算します。
- 課税所得=年金収入-基礎控除(48万円)-公的年金控除-配偶者控除や扶養控除-社会保険料控除(特別徴収された社会保険料全額)
課税所得が0円以下の場合、所得税はかからないため源泉徴収はありません。
公的年金控除の金額は年齢によって次の通りです。
- 65歳未満:60万円(年金額130万円未満の場合)
- 65歳以上:110万円(年金額330万円未満の場合)
配偶者控除や扶養控除の金額(本人所得が900万円以下の場合)は次の通りです。
- 配偶者控除(配偶者70歳未満):38万円
- 配偶者控除(配偶者70歳以上):48万円
- 扶養控除:扶養控除の対象者が70歳以上の場合は48万円、本人や配偶者の父母・祖父母と常に同居している場合は58万円
配偶者控除などを受けるには、日本年金機構から毎年送付される「扶養親族等申告書」に配偶者や扶養家族を記載して返送しなければなりません。
上記で計算した課税所得に所得税率5.105%(復興特別所得税を含む)を掛けた金額が、年金から源泉徴収されます。
医療費控除など上記以外の所得控除がある場合や、給与所得など年金以外の収入がある場合は、確定申告して1年間の所得税額の精算が必要です。
住民税額は地方自治体によって異なりますが、課税所得の10%が目安です。住民税は前年度の所得に応じて、毎年6月に改定されます。