寒さやコロナ禍によりお家で過ごしていた方も、少しずつお出かけが楽しめる季節となりました。
春や新年度は何かと出費の増える季節です。特に年金生活になると、決まった収入でやりくりするようになるため、年金の額は少しでも多い方が安心ですよね。
厚生年金の金額は、納めた保険料や加入期間によって決まります。
実は44年以上加入すると年金額が上乗せされる「厚生年金の長期加入者特例」があるのをご存知でしょうか。
特別支給の老齢厚生年金と密接に関わるこちらの制度について、くわしく解説します。
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1.【老齢年金】厚生年金に加入できる人とは
そもそも厚生年金とは公的年金のひとつで、会社員や公務員などの被用者が加入できる年金です。
日本には国民年金(基礎年金)もあり、こちらには20歳~60歳未満のすべての方が原則として加入します。
図のような二階建てをイメージするとわかりやすいでしょう。
厚生年金に加入できれば、将来は「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」が受給できるため、手厚いイメージを持つ方も多いです。
この「老齢厚生年金」を受給するには、厚生年金に加入していた期間があって、国民年金(老齢基礎年金)の受給資格期間を満たす必要があります。
2. 特別支給の老齢厚生年金とは
厚生年金の長期加入者特例は、特別支給の老齢厚生年金として報酬比例部分しかもらえない世代の方のうち、厚生年金の被保険者期間が44年以上ある方に上乗せされる特例です。
そのため、まずは特別支給の老齢厚生年金を押さえておく必要があります。
厚生年金保険の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたことを受け、現在は受給開始年齢を徐々にに引き上げている段階です。
そこで設けられたのが「特別支給の老齢厚生年金」。
「特別支給の老齢厚生年金」が受け取れるのは次の方です。
- 男性:1961年(昭和36年)4月1日以前に生まれた
- 女性:1966年(昭和41年)4月1日以前に生まれた
- 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)がある
- 厚生年金保険等に1年以上加入していた
- 生年月日に応じた受給開始年齢に達している
上記を満たす場合、生年月日と性別に応じて年金の受給開始年齢が決まります。
上記を見ると、一部の世代は報酬比例部分しか受け取れないことがわかります。
そこで要件を満たした方に対し、長期加入者特例として定額部分が受け取れるようになるのです。
3. 長期加入者特例とは?対象者を見る
長期加入者特例は、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給を受けている人のうち、厚生年金の被保険者期間が44年以上ある方が対象となります。
ただし、以下の方は対象外になるので注意しましょう。
- 日本年金機構の管理する厚生年金保険、公務員共済組合、私学共済等を合計して44年以上になる場合
- 厚生年金保険に加入して被保険者となっている場合
1つの年金で44年以上の要件をクリアする必要があるため、複数の被保険者期間を合計することはできません。
また、現在も厚生年金の被保険者である場合は対象外となるため注意しましょう。
男性の場合、すでに報酬比例部分の支給開始年齢は64歳となり、いずれ廃止されます。女性は2030年度を予定されているため、要件にあてはまれば上乗せの金額が受け取れるということになります。
4. 厚生年金の平均受給額はいくらか
最後に、2021年度末時点での厚生年金の平均受給額を見ていきましょう。
4.1 厚生年金の平均月額
全体:14万3965円
- 男子:16万3380円
- 女子:10万4686円
※国民年金の月額を含む
ただし、60歳~64歳は主に定額部分のない報酬比例部分のみを受給するため、受給額が低い傾向にあります。
4.2 厚生年金の平均月額(60歳~64歳)
- 60歳:8万7233円
- 61歳:9万4433円
- 62歳:6万1133円
- 63歳:7万8660円
- 64歳:7万9829円
※国民年金の月額を含む
5. 年金に頼らない老後計画を
厚生年金の制度は非常に複雑で、将来どれほどの年金を受給できるかわかりにくいかもしれません。
ねんきん定期便やねんきんネット等で目安額がわかりますが、年金事務所等で個別に相談すると、長期加入者特例や加給年金等の上乗せ部分も知ることができるでしょう。
老後を過ごすには、年金だけで足りないケースが多いものです。
年金に頼りすぎない老後を迎えるため、貯蓄等も進めていきましょう。



