3. 厚生年金「月額15万円のはずなのに!?」想定外の振込額になる理由
ここで注意したいのが、「ねんきん定期便」に記載された年金額はいわゆる「額面」である点です。現役時代の給与と同様に、老後の年金からも「天引きされるお金」があるのです。
ここでは、一例として、東京都八王子市のひとり暮らし世帯女性のケースで見てみましょう。
3.1 年金からの天引き その1「税金」
厚生年金が月額15万円の場合、年間収入は180万円となります。年金しか収入がない女性は、所得税として4623円、住民税として1万6500円が天引きされます。
3.2 年金からの天引き その2「介護保険料」
年金年額が18万円以上の場合、介護保険は強制的に年金から天引きされることに。八王子市の場合、年金収入が180万円の方の介護保険料は年額7万9400円となります。
3.3 年金からの天引き その3「健康保険料」
年金から天引きされる健康保険料は、「国民健康保険」か「後期高齢者医療制度」か、で変わります。今回の女性は76歳なので、後期高齢者医療制度の保険料が天引きされます。
東京都後期高齢者医療広域連合の所得割率と均等割額を用いて計算すると、保険料は年間約4万8800円です。
3.4 厚生年金15万円の場合、手取り額はいくらになるのか
天引きされる税金や保険料を合計すると、年間で約15万円。180万円－15万円＝165万円なので、月額の手取りは13万円台となります。
「15万円を見込んでいたのに実際の手取りが13万だなんて……」と落胆するケースもありえます。
※概算なので実際の金額とは異なります。また天引きされる金額は年度途中に決定するため、1年を通して同じ手取り金額になるとは限りません。
