3. 繰下げ受給で年金を増やす方法も

老後の生活に備える方法として「年金の繰下げ受給」があります。年金は原則65歳から受給を開始しますが、受給開始時期は75歳まで遅らせることが可能です。

65歳で受給を開始すれば年間100万円の年金を受給できる人が、年金受給開始時期を変更した場合の受給開始年齢ごとの年間受給額は以下のとおりとなります。

出所:日本年金機構「年金の繰上げ受給」などをもとに筆者作成

3.1【繰り上げ受給】受給開始年齢ごとの年間年金受給額(65歳で年100万円)

  • 60歳:年間76万円
  • 63歳:年間90万4000円
  • 65歳:年間100万円
  • 68歳:年間125万2000円
  • 70歳:年間142万円
  • 72歳:年間158万8000円
  • 75歳:年間184万円

75歳で受給を開始すれば、65歳から受給できる金額よりも84%増額となります。受給額が増えれば税金や社会保険料が高くなるデメリットもありますが年金の受給額は増えます。

公的年金は、生きている限り受給し続けられる「長生きに備えるための保険」なので、繰下げ受給による年金受給額の増額も検討してみてください。

年金の繰下げ受給は利用率が1.2%と利用している方は現状少ない制度ですが、健康寿命が伸びている現代では、長く働いて年金の受給開始時期を遅らせるという選択肢も充分考えられるでしょう。