2. 老齢年金を「繰下げ受給」した方がいい人

年金を「繰下げ受給」した方がいい人は次の通りです。

2.1 老後の年金を増やしたい人

老後生活に不安を感じている人やゆとりある老後生活のために年金額を増やしたい人には、繰下げ受給がおすすめです。

自営業や専業主婦の人は老齢基礎年金しかもらえません。満額でも月6万5000円程度(2022年度)であるため、老後に備えて年金額を増やしたいところです。

年金の未加入期間が長い人も同様です。

繰下げ受給するには年金開始までの生活費を稼がないといけないため、長く仕事を続けるなどの対策が必要です。

2.2 長生きしたときの生活が不安な人

老後の生活費が年金額を上回る場合、貯蓄を取り崩して生活しなければなりません。長生きして貯蓄が尽きてしまう「老後破綻」を心配する人もいるでしょう。

前述の通り、繰下げ受給した方が長生きしたときの総受取額は増えるため、長生きリスクへの対応として繰下げ受給は有効といえます。

「人生100年時代」と言われる時代ですから、健康に自信のある人や長生き家系の人も、繰下げ受給を検討してもいいかもしれません。

2.3 今は年金がなくても生活に困らない人

65歳時点で仕事をしていて年金がなくても生活できる人は、繰下げ受給も選択肢の1つです。

年金を受け取って貯蓄したり運用するという方法もありますが、低金利で預金は魅力がない、投資にはリスクがある、などのデメリットもあります。

一定年齢まで生きることを前提とすれば、繰下げ受給ならばある程度増額した確実に年金を受け取れます。