3. 老齢厚生年金とは?

厚生年金は、会社等にお勤めする方が加入する社会保険の一種です。

20歳になる前から働いている方も、また60歳を過ぎて働いている方も、厚生年金に加入することができます。

2022年10月からは、短時間労働者(パートやアルバイトなど)であっても

  • 被保険者の総数が常時100人を超えている
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 月額8万8000円以上の収入
  • 継続して2ヶ月を超えて使用される見込みがある
  • 学生でないこと

の要件を満たせば、厚生年金保険に加入することとなっています。

厚生年金に加入することで、保険料の負担はありますが、老後の年金を増やすことができ、亡くなった場合や障がいを負った場合に、要件に該当する場合、遺族年金や障害年金を受け取れることもあります。

正社員でなくても、派遣での雇用やパートやアルバイトでも加入することができます。

65歳からもらえる厚生年金は、たとえ1ヶ月しか厚生年金に加入していない場合でも、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たしていれば、受給することができます。

3.1 厚生年金の計算式

厚生年金の金額は次の計算式で求められます。

平均標準報酬(月)額 × 5.481  /  1000 × 加入月数 

(経過的加算や加給年金は省略しています)

平均標準報酬月額とは、あまり使わない言葉ですが、年金などの計算をするときに必要なものです。ただ今回は、馴染みのある「年収」で計算を進めてみたいと思います。

(なお、厚生年金に対する標準報酬月額には上限があります)

年収とした場合の計算式は、

年収 × 5.481  /  1000 × 加入年数

例えば、平均年収500万円で38年働いた場合の厚生年金は「104万1390円」で、月額に換算すると8万6782円となります。

老齢基礎年金の満額(40年)の6万6250円と老齢厚生年金8万6782円の合計で、月額15万3032円です。

2022年12月に厚生労働省より発表された「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢基礎年金を含めた老齢厚生年金保険(第1号)受給者平均年金月額は、14万5665円となっています。

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

中央値は発表されていませんが、平均受給額で考えると月額で14万円台。

老後の生活を考えると、多くの方がこの金額では足りないと言われていますので、なるべくこの金額は増やしたいところです。