2. 厚生年金「おひとりさま女性」月10万円未満の割合とは。65歳以上・リタイアした人の月の収支は?
では、おひとりさま女性で厚生年金を月10万円未満の割合はどの程度でしょうか。
2.1 厚生年金を10万円未満の女性の割合
2022年12月に公表された厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、月額階級別の女性の厚生年金受給者数は以下のとおりです。
女性で月額10万円未満は256万1128人、月額10万円以上の合計は279万1104人です。
受給者合計が535万2232人ですので、約52.1%の女性の受給者が月10万円以上の厚生年金を受給しています。
一方で、約48%の人は月10万円もらえていないとわかります。
男性で最も多いのは、17万円以上18万円未満、平均年金月額は16万3380円です。
一方で、女性は9万円以上10万円未満が最も多く、平均値は10万4686円であり、厚生年金の受給額には男女で格差があると分かります。
2.2 おひとりさま女性の老後資金は年金だけで足りる?
総務省「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年) 家計の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)では、毎月9402円不足する可能性があります。
65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の月の収支
- 実収入13万5345円
- 支出合計14万4747円
- 月の不足分▲9402円
原則、年金の受給開始は65歳です。
2022年7月29日に公表された厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」によると、65歳時点の女性の平均余命は24.73年です。
上記の不足分を参考にすると、65歳から90歳まで25年間生活する場合の不足額は以下のとおりです。
9402円×12ヶ月×25年=282万600円
65歳時点で約282万円の貯金がないと、老後生活で困窮する可能性があります。
ただし、家計状況やライフスタイルによって、老後の不足額は変動します。先程の女性の厚生年金の平均受給額は10万4686円でした。
収入を10万4686円と考えると、月4万61円の赤字となり、25年間で約1201円不足します。
また、上記の支出は持ち家を想定しているため、賃貸の場合はさらにかかるでしょう。