4. 「年金だけで」老後を乗り切れる世帯は少数派。
今回は、国民年金・厚生年金の「実際の受給額」を厚生労働省の最新資料をもとに眺めてきました。
老後に国民年金のみを受給する場合は、年金生活を支える老後資金の準備はできるだけ早めに始める必要がありますね。付加保険料の納付、もしくは国民年金基金への加入で年金額そのものを増やす、小さな工夫から始めてみるのもよいかもしれません。
また、厚生年金を受給できる方であっても、「年金だけで老後を乗り切れる」世帯は少数派といえるでしょう。まずは年金見込み額を世帯単位で把握しましょう。
いずれにせよ、キャリアアップや転職で目先の収入を上げる、家計のスリム化を進めて節約を実践する、といった日頃の心構えも大切ですね。長く働き続けるための健康管理にも気を配りたいものです。
加えて、「資産運用」でお金にも働いてもらう視点も有効です。流動性の高い預貯金をしっかり確保した上で、資産運用でお金を育てながら切り崩していくしくみを作ることは、長くなる老後に向けたお金の準備として、一つの選択肢となり得るでしょう。
2022年度から高校家庭科では「資産形成」の授業が始まりました。また、2024年からはNISA制度が大きく変わります。資産運用でお金を育てることが、身近なものになりつつあるいま。
「人生100年時代」に立ち向かう私たちに求められているのは、健康寿命とともに「資産寿命」を延ばす視点なのかもしれませんね。
参考資料
荻野 樹