自民党「第211回国会における茂木敏充幹事長代表質問」によると、茂木幹事長は「児童手当については、『すべての子供の育ちを支える』という観点から、所得制限を撤廃するべきと考えます」と述べました。

少子化対策として、児童手当の所得制限の撤廃が検討され注目を集めています。

岸田政権が掲げる「異次元の少子化対策」の一つであり、実現すれば子育て世帯にとって吉報となるでしょう。

教育費負担が大きい子育て世帯ですが、収入の実態や貯蓄、負債の状況はどうなのでしょうか。

子育て世帯の平均年収は600万円台

2022年9月9日に公表された厚生労働省「2021年国民生活基礎調査の概況」によると、児童がいる世帯の雇用者所得は695万1000円です。

出所:厚生労働省「2021年国民生活基礎調査の概況」

雇用者所得とは、会社などから支給される給与所得を指します。

雇用者所得が695万1000円ですので、子育て世帯の平均年収は600万円台であることが分かります。

全世帯の雇用者所得373万6000円より321万5000円多く、「子育て世帯は生活に余裕がある」という印象を受けるかもしれません。

「生活が苦しい」子育て世帯

ただ、上記の厚生労働省の調査によると、子育て世帯の約6割は生活が苦しいと感じています。

出所:厚生労働省「2021年国民生活基礎調査の概況」

生活意識について、「大変苦しい」または「やや苦しい」と答えた世帯は全世帯が53.1%ですが、児童がいる世帯は59.2%です。

雇用者所得は全世帯平均より多いにもかかわらず、子育て世帯は生活に余裕がないと感じる世帯が多いことが分かります。