2. 年金からの天引き

厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の受給額は月平均で14万3965です。

仮に、平均月額をクリアする「15万円」を受給できたとしても、は、この全額が振り込まれるわけではないのです。

ここからは、老後の年金から「天引き」されるお金について紹介していきます。

2.1 所得税

年金が一定額以上になると年金に対し、所得税が課税されます。65歳以上ですと、各種控除を活用したとして158万円以上ですと課税される計算となります。

これらの税金は特別徴収と言って、年金から天引きされるため、実際の手取り額は額面を下回ります。一般的に収入が年金だけであれば確定申告は不要ですが、医療費など控除対象がある方は、積極的に確定申告しましょう。

2.2 住民税

住民税も所得税と同じく、年金から天引きされます。前年の収入に対してかかる税金です。

2.3 介護保険料

介護保険は2000年に誕生した比較的新しい制度です。40歳以上の人に介護保険料の支払義務があります。年間18万円以上の年金を受給している人はこの制度の対象となりますので、厚生年金受給者のほとんどの方が天引き対象となる制度です。

保険料は3年ごとに見直しが行われますが、平均寿命の伸びに伴い、ここ数年は上昇傾向です。

ちなみに、第8期となる「令和3年度~令和5年度」の介護保険基準額は、月額6014円とついに6000円台を突破しました。(あくまで基準額であり、実際の金額は地域により異なります。)

今後も平均寿命は伸びることが予測されており、保険料負担が増加することが予測されます。

2.4 健康保険料(国民健康保険・後期高齢者医療制度)

65歳以上で勤務先の保険に加入しない場合は、国民健康保険に加入することになります。また、75歳以降に加入する後期高齢者医療制度の保険料も年金から天引きとなることがあります。

年金振込通知書で確認できる「年金から天引きされる税や社会保険料」

これらの「天引きされるお金」は、毎年6月に日本年金機構から郵送される「年金振込通知書」で確認できます。

出所:日本年金機構「年金振込通知書」