2. リースバックの概要
リースバックは、自宅を売却した後、売却先と賃貸借契約を結ぶことで借主として自宅に住み続けることができる仕組みです。
住宅ローンが残っていてもリースバックを利用できるケースもあるため、住宅ローンの返済が難しくなってしまった人の解決策としても注目されています。
2.1 リースバックのメリット
リースバックを利用する大きなメリットは、自宅を売却してまとまった資金を得た後も引き続き自宅で暮らせることにあるでしょう。
通勤・通学などのライフスタイルを変えずに慣れ親しんだ自宅に住み続けることが可能です。
また、自宅の所有権を第三者に売却するので、自宅を所有するコストをなくすことができます。
たとえば、固定資産税や都市計画税、火災保険料、建物の修繕費など。
このようなランニングコストは貸主が支払うことになるため、賃料以外の負担は大きく軽減されるでしょう。
さらに、自然災害リスクや住宅ローンの金利上昇リスクなどの自宅を所有することで起こり得るリスクを回避することも可能です。
リースバックを利用して売却した後、条件によっては買い戻すことができる場合もあります。
リースバック後に再購入を検討している場合は、後々のトラブルを防ぐためにも契約の時点で買戻しに関する取り決めについて確認しておきましょう。
さらに、契約書に記載された内容をしっかりと確認して理解することも大切です。
2.2 リースバックのデメリット
リースバックを利用して売却する場合は、一般的な仲介による売却よりも安い価格での売却となることが多いでしょう。
まだ住宅ローンが残っている場合、基本的にはリースバックによる売却価格が残債よりも上回っていないと利用できないことに注意が必要です。
リースバックにより自宅を売却した後は、第三者に所有権が移転します。
売却後は「借主」として暮らすことになるため、貸主と締結した賃貸借契約の内容を遵守しなければなりません。
家賃滞納などのルール違反があれば契約解除となってしまう可能性があることに注意しましょう。
自宅を子どもなどに相続させたい場合は、きちんと話し合いをした上でリースバックの利用を検討することも大切です。
また、将来ずっと無期限に賃貸借できるとは限りません。
契約期間の更新ができない「定期借家契約」の場合、住み続けるには貸主・借主双方の合意の上で再契約が必要となります。
長く住み続けたい場合は、賃貸借期間の更新がされる「普通借家借契約」を締結してもらえる事業者を選ぶとよいでしょう。