2022年は長引くコロナ禍の影響による生産力不足で、原油価格が高騰し、さまざまなモノの価格が値上がりしました。

物価が高くなったと感じている人は多いですが、給料が上がったと感じている人はそれほど多くないのではないでしょうか。

1月は今後のキャリアと向き合う方が多いものです。

この記事では、日本人の平均年収の推移や構成比を確認したうえで、平均年収である400万円台の実態や、貯蓄を行うために身につけたい習慣について解説します。

日本人の平均年収の推移

まずは日本人の平均年収の推移について見ていきましょう。

この30年間で物価は大幅に上昇しています。それに対して賃金(平均年収)はどのように変化しているでしょうか。

平均年収は30年前と変わっていない

国税庁の民間給与実態調査(2021年)によると、2021年の給与所得者の平均年収は443万円です。男女別では、男性が545万円、女性が302万円となっています。

国税庁の調査結果をさかのぼった、過去30年間の5年ごとの給与所得者数と平均年収の推移は、下表のとおりです。

過去30年間給与所得者数と平均年収の推移

出所:国税庁「民間給与実態調査(2021年)」をもとに筆者作成

30年前の1991年からの推移で確認すると、上がり下がりはあるものの、大きな変化は見られません。直近の2021年と30年前の1991年では、ほぼ変わらずという状況です。

それに対し、給与所得者の数は+約1200万人と、30年前と比較し大幅に増加しています。女性の社会進出によって、女性労働者の数が増加したことが背景として考えられます。

年収400万円以下の割合は53.6%

同じく国税庁の民間給与実態調査(2021年)における、男女別の年収別構成比は下表のとおりです。

年収別の男女別割合

出所:国税庁「民間給与実態調査(2021年)」をもとに筆者作成

平均年収に近い年収400~500万円の割合は15.0%(男性17.5%、女性11.4%)です。

さらには、年収400万円以下の割合は53.6%(男性37.6%、女性75.7%)となっています。過半数以上の人が、平均年収よりも収入が低いというのが実態です。