七草粥は地域によって異なる?

一般的に春の七草を使用することが多い七草粥ですが、地域によっては材料が異なるケースもあります。

例えば、東北地方や信越地方などの豪雪地域では若菜摘みが難しいため、ニンジンやゴボウ、油揚げといった他の材料を入れることが多いです。

また、地域によっては1月7日に「七草粥以外のもの」を食べるところもあるようです。

本章では具体例として、宮崎県の「七とこずし」と山形県の「納豆汁」を紹介していきます。

宮崎県「七とこずし」

「七とこずし」は、旧島津藩の都城地方に伝わる行事食で、七草を炊き込んだ雑炊です。

数え年で7歳になった子どもの成長と健康を祈願し、1月7日に食べられています。

農林水産省によると、材料は大根やニンジン、里芋などを入れるのが一般的で、お米以外に餅を入れるのも特徴です。

7歳になった子どもたちは数軒の家から「七とこずし」をもらい、神社にお参りに行くため、この時期は子どもたちの晴れ姿がよく見られるようです。

山形県「納豆汁」

「納豆汁」は、山形県で古くから馴染みのある冬の家庭料理です。

雪深い地域である山形県は、早春の時期に七草を揃えることができないため、干物や保存食を利用して作られる「納豆汁」を食べて、1年間の無病息災を祈る習慣があるようです。

また、「納豆汁」は納豆のとろみで冷めにくいため、寒い冬にはもってこいの料理となっています。