年金生活者の月の生活費は?

60歳代を迎えると定年退職などで第一線を退き、年金での生活も視野に入ってきます。

老後資金がいくら必要かは、老後の収入から支出を引いて不足額を算出します。平均余命などをもとに年数を掛け合わせて算出するといいでしょう。

総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」によると、年金を含む実収入は23万6576円(うち公的年金給付が21万6519円)で、実支出は25万5100円、その差額は▲1万8525円です。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査(令和3年)]」をもとにLIMO編集部作成

ただし、生命保険文化センターによればゆとりある老後生活費としては約37万円必要といわれており、約22万円の標準的な年金額からは10万円以上の差があります。

たとえば、毎月の不足額が10万円、老後を25年間と仮定すると、下記のような計算になります。

  • 10万円×12カ月×25年=3000万円

60代の貯蓄額の平均が2427万円で、毎月10万円ずつ不足額を取り崩していくと考えると、約20年で蓄えが底をつく計算になります。

実際には個人差がありますが、平均額であっても貯蓄は不安が残り、また趣味や旅行、リフォーム、病気や介護費用を考えるとさらに貯蓄は必要と考えられるでしょう。