海外株式市場の下落を受けて、日本株も軟調
2022年12月16日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比524円58銭安の2万7527円12銭となりました。
2022年11月10日(2万7446円)以来、約1カ月ぶりの安値圏です。前日の欧州および米国株式市場で主要な株式市場が下落した流れを受けて、日経平均も軟調な展開となりました。
特に、2022年12月15日の米ダウ工業株30種平均は前日比で764ドルも下げていました。
今週の動きはどうなるでしょうか。
2022年12月16日の米株式市場でダウ平均は3日続落し、前日比281ドル76セント安の3万2920ドル46セントで終えています。3日間で約1200ドルも下落しました。日本株も週初から上値の重い展開になりそうです。
大きな要因は、米連邦準備理事会(FRB)の政策金利見通しです。
2022年12月14日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、前回まで続いていた0.75%の利上げ幅を0.5%に縮小しました。これまで、金融引き締めが続いていました。利上げ幅を縮小するのは初めてです。
ただし、FOMCでは今後の見通しについて、2023年末時点の予想を5.1%と前回の4.6%から引き上げました。会見でパウエル議長が、インフレ制圧のために今後も利上げる続けることが適切と語りました。
一時は利上げペースが緩むと見る投資家が増えていましたが、失望売りも出ました。
日本株についても、年末年始は引き続き、米国の利上げ動向に振られる展開が続きそうです。2022年12月23日には11月の米個人消費支出(PCE)物価指数が発表されます。インフレ動向を示すものとして注目が集まります。
国内ではインバウンド(訪日外国人)の回復により、百貨店、ホテル、流通などの銘柄企業が好業績となる見通しです。
中国では「ゼロコロナ」政策を緩和する動きがあり、景気回復への期待が高まっています。一方で、それにともなう感染者数も急増していることから、今後の動向には注意が必要です。