2022年11月24日に発表された、AZ−COM丸和ホールディングス株式会社2023年3月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:AZ−COM丸和ホールディングス株式会社 代表取締役社長最高経営責任者(CEO) 和佐見勝 氏
AZ−COM丸和ホールディングス株式会社 取締役専務執行役員 経営企画グループ長 藤田勉 氏

目次

和佐見勝氏(以下、和佐見):みなさま、こんにちは。AZ-COM丸和ホールディングス株式会社代表取締役社長の和佐見勝でございます。ただいまより、2023年3月期第2四半期の決算説明会を始めさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。

内容については、目次の順に沿ってお話しします。また、2023年3月期第2四半期決算については藤田から、事業戦略、機能戦略、その他の戦略については私からご説明します。

藤田勉氏:みなさま、あらためまして、こんにちは。機関投資家のみなさま、あるいはセルサイド、バイサイドのアナリストのみなさま、取引先の金融機関、銀行、証券会社のご担当者の方、マスメディアの方々など、多数ご参加いただきまして心より厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございます。

昨晩は、私は夜10時にカタールのサッカーワールドカップを観て興奮して寝られませんでした。ワールドカップのようにAZ-COM丸和ホールディングスも燃えていますので、1つよろしくお願いします。

1時間で収まらなくなりますので手短にお話ししますが、浅野拓磨選手がインタビューで「4年半前にW杯メンバーに入れなかった時から準備していたし、今日のために妥協したことは1日もなかった」というようなことを話していました。私どもの代表取締役社長がいつも我々に言っていることとよく似ていると思い、昨日はあらためて感激しました。それでは、さっそくご説明に移ります。

純粋持株会社へ移行(2022年10月1日付)

我々は、2022年10月1日付で会社分割方式により純粋持株会社へ移行し、商号をAZ-COM丸和ホールディングス株式会社に変更しました。

今後の売上高において3,000億円、5,000億円、1兆円という大きな高みを目指すべく、グループ経営戦略の推進機能の強化、権限と責任の明確化と意思決定の迅速化、ガバナンスの強化の3つを目的として、AZ-COM丸和ホールディングス株式会社が10月1日に誕生し、新たな船出をしたということです。

2023年3月期第2四半期 実績

決算概要です。第2四半期の売上高は843億3,000万円で前期比41.1パーセント増、営業利益は50億2,900万円で前期対比16.1パーセント増、経常利益は52億6,700万円で前期対比15.9パーセント増、四半期純利益は34億4,900万円で前期対比5.8パーセント増となりました。

スライド下段のグラフは、今期の見込みも含めた売上高と経常利益の5年間の推移を示しています。売上高の伸長率は約19.1パーセントとなっています。経常利益の伸長率は約17.7パーセントです。

ドメイン別売上高 ラストワンマイル事業

各事業領域の売上高について見ていきます。まず、ラストワンマイル事業の売上高は、前期と比較して23.0パーセント増の173億8,400万円となりました。これは新たな配送エリアが拡大したことに加え、実際の物量が自然に増えたことが相乗しています。

ドメイン別売上高 EC常温輸配送事業

EC常温輸配送事業です。売上高は274億8,400万円で、前期比89.0パーセント増と大幅に増加しています。

我々は小売業に特化している3PL業者で、とりわけ2017年6月6日にスタートしたラストワンマイルから、さらにセンター間における幹線輸送を展開し、加えてフルフィルメントセンターなどの受託を目指して上流に上っているところです。つまり、X軸からY軸に展開しているということで、EC通販の幹線輸送を積極的に展開しています。

さらに、取り扱いの車両台数も大幅に増えています。「AZ-COM丸和・支援ネットワーク(AZ-COMネット)」の会員のみなさま方にサポート、バックアップしていただいているおかげで、このような数字が出せています。

ドメイン別売上高 EC常温3PL事業

EC常温3PL事業です。売上高は187億200万円で、前期比62.5パーセント増となりました。

スライドに記載のとおり、ファイズホールディングス株式会社にAZ-COM丸和グループにグループインしていただきました。ファイズホールディングスは、こちらの売上高の約80パーセントに寄与しています。おそらくファイズホールディングスは、AZ-COM丸和ホールディングスの中で将来を担うと言いますか、我々にとっての成長エンジンとなるため、大いに期待している会社です。

ドメイン別売上高 低温食品3PL事業

低温食品3PL事業です。売上高は96億6,700万円で、前期比1.6パーセント増となりました。主な要因としては、新規の顧客獲得による新たな物流センターが稼働したことがプラスに働いたこととは反対に、前期の巣ごもり消費が非常に高かった反動で今期は物量が減少したため、その入り繰りによってこのような数字にとどまりました。

ドメイン別売上高 医薬・医療3PL事業

私どもの基幹事業である医薬・医療3PL事業については、マツモトキヨシホールディングスとココカラファインの経営統合に伴い、一部商品の出荷が少しずつ増加傾向にあります。その結果、売上高は前期比3.6パーセント増となりました。後ほど社長の和佐見からも事業戦略としてお伝えしますが、数字としてはご覧のとおりです。

経常利益分析

経常利益の分析になります。前期と比較すると、45億4,400万円から52億6,700万円と7億2,300万円増となりました。増減についてはスライドをご覧ください。

新規センター及び事業拡大に伴う一時費用について、立ち上げ費用がかさんでしまっていることが喫緊の課題です。また、のれん償却も増えているため、2023年3月期第2四半期の経常利益は52億6,700万円となっています。

損益計算書

損益計算書です。ポイントとしては、売上原価が昨年と比較して1パーセント増加しています。後ほどご説明しますが、一時費用が非常にかさんで売上原価が上がったため、損益分岐点が上がっているということです。

売上原価分析

売上原価の明細です。売上原価は753億円で、このうち人件費を除いた諸経費は548億9,500万円です。内訳はスライドに記載のとおりです。

AZ-COM丸和ホールディングスにおいては、燃料油脂費の値上がりは非常に厳しいですが、全体の売上原価に占める割合は1.1パーセントですので、幹線輸送や長距離輸送を行っている会社と比較すると、まだ軽微であると言えると思います。

構成比は人件費が約30パーセント、諸経費が約70パーセントです。スライドに記載のとおり、傭車費の割合が大きくなっています。

貸借対照表

貸借対照表です。スライドを見ておわかりのとおり、資産合計は1,015億8,500万円で、期中平均の自己資本比率は32.0パーセントになります。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書です。4月1日時点の現金及び現金同等物が294億4,200万円に対し、6億3,100万円増加の300億7,300万円となっています。詳細についてはスライドをご覧ください。

2023年3月期 業績予想サマリー

2023年3月期通期の業績予想です。5月10日に開示しており、変更はしていません。売上高は1,715億円、営業利益は111億3,000万円、経常利益は115億2,200万円、親会社株主に帰属する当期純利益は73億8,000万円です。

年間進捗率については、過去10年間の数字で見ると、上期が約45パーセント、下期が約55パーセントとやや下期偏重型の数字になっています。

株主還元

株主還元についてです。2014年4月8日に上場した時に、代表取締役社長の和佐見が「配当性向は30パーセント以上にする」と声高にお伝えしました。ご覧いただくとおわかりのとおり、今期も30パーセント以上をキープしており、2023年3月期も4円50銭増配の23円50銭で予定しています。

EC物流事業

和佐見:私たちは中期経営計画1年目で、売上高は前期対比28.9パーセントの成長、営業利益は前期対比28.7パーセントの成長、経常利益は前期対比26.1パーセントの成長、親会社株主に帰属する当期純利益は前期対比20.5パーセントの成長を計画しています。コロナ禍における経済状況の中では、非常に高い数字を目標にしています。

藤田より第2四半期の数字をみなさまにご説明しましたが、私も50期、51期、52期の決算を計画以上の数字で、なんとしてもクリアしたいと思っていますので、みなさま何卒よろしくお願いします。

事業戦略についてご説明します。丸和運輸機関は10月1日からAZ-COM丸和ホールディングスになりましたが、我々の経営を支えているEC物流事業は2017年から成長し続けています。その中でも、ラストワンマイル、次に幹線輸送、また前期からは本格的にセンター運営の仕事にも取り組むようになりました。

当社は3PL、物流センターに強い会社でもあります。そのような面で、センター運営の仕事を本格的に拡大していきたいというのが基本的な考え方です。もちろんラストワンマイルも間違いなく成長していますので、EC物流事業についてはまだまだ今後も成長していくと思っています。

また、本年7月に福岡県に本社を構える株式会社M・Kロジを完全子会社化しました。社長は馬場正和社長です。

先ほど藤田からファイズホールディングスについてお伝えしましたが、今度はM・Kロジと一緒に取り組んでいこうということで、経営に参画していただくことになりました。今後もEC物流事業における機能強化を図り、取引先の拡大・ニーズの充足を目指していきますので、よろしくお願いします。

低温食品物流事業

低温食品物流事業についてご説明します。2022年3月に、群馬県前橋市に食品物流センターを稼働させました。また、7月にも埼玉県三郷市に食品物流センターを開設しました。このようなことを今後も積極的に全国へ展開していきたいと考えています。

やはり、本来の食品物流の姿として、スピード感があり、かつどこよりもローコスト・オペレーションで、生産性や効率性を上げられるようなセンター作りをしっかりと推進していきたいと考えていますので、何卒よろしくお願いします。

さらに、スーパーマーケット(SM)の開発と同時に、ANA Cargoとの連携で産地直送ビジネスとして、北海道の十勝エリアのトウモロコシを朝4時から収穫し、東京の羽田空港と大阪の伊丹空港に送り、各店舗にデリバリーします。当日に朝採りしたトウモロコシとして販売しており、とても評価をいただきました。

この取り組みは2年目に入っていますが、スーパーマーケットの経営者のみなさまからも評価いただき、お客さまの考えとしては「今後もそのような商品をどんどんと掘り起こしてほしい」というものがあります。

北海道の朝採り野菜を各店舗に提供した例は過去にありません。我が社が最初です。もちろん北海道だけでなく九州など、あらゆる産地の朝採りの農産物を、直接市場を通さない、いわゆる中抜きのかたちで今後もしっかりと各店舗に提供し続けたいです。

商品は鮮度が大切です。どのスーパーマーケットでも野菜、魚、お肉の3つが勝負であり、これらの戦略がきちんとしていれば来客数が増えてきます。そのような点では、今後も産直を磨き高め、お客さまである多くのスーパーマーケットのみなさまに喜んでもらいたいと思っています。

医薬・医療物流事業

医薬・医療物流事業についてです。我々がマツモトキヨシグループの担当になってから、30年が経とうとしています。

そのマツモトキヨシグループが、ココカラファインと統合を図りました。「経営の統合をすると何の魅力があるのか」、商流や物流で統合のメリットを作り、マツキヨココカラ&カンパニーに喜んでいただきたいです。感動と満足を提供し、ローコスト・オペレーションの仕組みを今後も作っていきたいと思っています。

効率化の促進は、結果的に機能の拡張を図ることにつながります。これは我々が持っている3PL企業としての能力、組織能力を本格的発揮し、マツキヨココカラ&カンパニーとのパートナーシップをさらに強くすることで、メリットを提供していきたいと思っています。

そのためのセンターとして、今、大阪にも九州にもセンターがあるものの、手狭になっており、名古屋に新東海センター、加えて新九州センターを新たに開発予定です。

そのような点では我々も、医薬医療としてマツモトキヨシグループのセンター作りをしっかり行いたいと思います。

人材確保・育成

機能戦略について具体的にご説明します。当社グループでは新卒採用に加え、中途採用を強化し、人材の確保に努めていきたいです。前々からお伝えしていますが、5年間で5,000名、内訳は新卒が3,000名、中途採用で2,000名という考えで計画しています。

しかし、簡単に人を集めることはできません。我々の業界も少子高齢化であり、若い方が車に乗らないことから、乗用車を買わず、トラックにも乗らない時代に入っています。これをクリアし、我々が人を確保していくには、若い方々が働く魅力ある企業作りが必要です。現場でも何でもそうですが、AI、つまりあらゆるロボット化を図れるような現場作りです。

今まで以上に、きめ細かな物流センター作りをしていかなくてはならないと考えており、働く人たちが喜びを感じるようなセンター作りにしっかり取り組みたいです。

人の採用についてお話ししましたが、やはり教育も必要です。人を確保したら、どれだけ熱心に教育をするかによって、会社の成長は決まります。「学ぶ者が成長する。学ばない者は敗北」と言われています。

我々は約24年前に、社内に丸和ロジスティクス大学というものを設立しました。今後は丸和ロジスティクス大学のカリキュラム、つまり授業の内容に機能的なものへどんどん変えていき、若い人たちが喜ぶような勉強会を開催し、人が育つように努力していきたいと思っています。人の成長が企業の成長になるという点では間違いないため、しっかりと取り組みたいと思います。

新卒が毎年600人入ると、5年間で3,000人に到達しますが、1年目は頭が痛いです。どの企業も同じような状況下になっていますが、私どもはいつもより厳しいなと感じます。しかし、これを1つの壁とすると、この壁を乗り越えた企業が人を集められる会社へ成長すると思い、そのような中で今後も積極的に人材の確保に努めていきます。

また、中期経営計画でお伝えした人材育成は、今まで以上の育成を計画していこうということです。丸和運輸機関からAZ−COM丸和ホールディングスになった理由には、再編の時代という影響があります。M&A、TOB、統合というように、いろいろな面において業界のみなさまへのアプローチをしています。

我が社には桃太郎文化があります。組織の拡大を図ろうとすると、それをどんどん参加する人たちにご理解いただき、また実践に努めていただき、お客さまに感動と満足を提供できる企業にしていきたいと思っています。

経営資源の適正配分(ROIC経営)

結果はやはり数値であり、しっかりと考えて経営をしていかなければならないと思っています。また、経営資源の適正配分をしなければ各事業の成長はありません。事業の生産性や効率化を図り、いわゆるKPIという数値で経営することになります。現在、日次決算で我々は毎日数値に向き合っています。計画数値を確実に達成するには、日々のそのような日次決算が大切だと思っています。

ESG経営の実践

ESGの経営も、今までの経営とは異なるかたちで、SDGsの推進などをしっかり図ります。みなさまに喜びを感じていただき、社会のために努力していきたいと思っています。

BCP物流

BCP物流は今、47都道府県、1,718市町村の自治体の中で、スライドに記載のように11都道府県、23市町村と協定を結んでいます。今後も継続して各地方自治体と手を結んでいきたいと思っています。

本日はいろいろとお伝えしていますが、中期計画の数値がきちんと固まってくればBCPの事業についても、よりご説明ができることになります。そのような面では、今後も経済活動や、BCP物流事業を通じた社会的価値の創造にも、積極的に取り組み、3PL業界のNo.1企業を目指す会社として、みなさまにご理解いただき、評価をいただければと思っています。

何卒よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

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