2022年11月14日に発表された、株式会社クルーバー2023年3月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社クルーバー 代表取締役社長 石田誠 氏
事業概要
石田誠氏:株式会社クルーバーの石田でございます。2023年3月期第2四半期の決算説明を始めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
株式会社クルーバーは、祖業である中古カー用品やバイク用品の買取販売を、直営店およびフランチャイズで展開するアップガレージと、受発注プラットフォームを使い、新しいかたちでの自動車業界向け卸売業を営むネクサスジャパンという2つの会社から構成されています。
2023年3月期2Q業績サマリー
それではさっそく、当期第2四半期の業績サマリーをご報告します。売上高は51億3,100万円で、前年同期比6.9パーセント増、計画比99.2パーセントとなりました。9月に発生した台風等により営業時間が短縮された影響で、計画には0.8パーセント及びませんでしたが、営業利益は2億9,100万円で前年同期比15.5パーセント増となり、計画比では104.2パーセントとなりました。
また経常利益は3億700万円で、前年同期比19.4パーセント増、計画比108.3パーセントとなりました。四半期純利益は1億8,900万円で、前年同期比14.1パーセント増、計画比108.9パーセントとなりました。
売上高はほぼ計画どおりで、収益段階においては計画を上回る結果で推移しています。売上高に関しては、アップガレージが営むリユース業、ネクサスジャパンが営む流通卸業ともに好調に推移しました。
第2四半期においてのアップガレージの新規出店数は直営で2店舗、フランチャイズで6店舗となり、出店のペースを加速しています。そしてなによりもお伝えしたいことは、既存店舗の売上が大変好調だったということです。
フランチャイズに関しては、既存店の売上高は前年同期比で109.5パーセントと大幅に進捗し、フランチャイズ関連の収益も増加しています。
2023年3月期2Q連結業績
特に第2四半期に関しては、営業利益率が前年同期比で0.4パーセント上昇しています。売上高は前年同期比106.9パーセントとなり、経常利益は前年同期比約20パーセントの増加となっています。これはひとえに、既存店舗の売上増と流通卸業の売上増が寄与したと思っています。
当社グループの通期業績進捗について
通期の業績についてご説明します。我々は上期よりも下期に数字が大きくなるように予算を立てています。スタッドレスタイヤの需要が高まる冬商戦と、スタッドレスタイヤから夏タイヤに戻る春商戦という2つの大きなボリュームゾーンを、第3四半期および第4四半期に抱えているためです。したがって、どうしても下期偏重の業績となります。
そのため、下期の売上高は61億3,100万円、営業利益は5億2,000万円を予想しています。10月も大変好調に推移していますので、十分実現可能な数字だと思っています。
2023年3月期通期業績進捗
第3四半期は、売上高が非常に高い、いわゆるボリュームゾーンである12月を控えています。そして、先ほどもお話ししたとおり、スタッドレスタイヤの需要が高まるこの時期に、売上が上振れしていくと思っています。
第2四半期までの売上がほぼ計画どおりに進捗していますので、下期の売上も確保しながら、通期で業績予想どおりのパフォーマンスをあげることが実現可能だと思っています。
2023年3月期2Q連結主要販管費
第2四半期の販管費についてご説明します。今期は新規出店、システム投資、上場関連費用が発生しているものの、販管費率は低下傾向です。
前年の販管費率は、売上比で37パーセントでしたが、今期は35.9パーセントと、1.1パーセント低下しました。この点も好業績に寄与しているのではないかと思っています。
当社グループの売上分類構成について
先ほどお話ししたとおり、弊社は2つの事業会社で構成されています。アップガレージは中古カー用品やバイク用品のリユース業態で、売上高は全体の60パーセントを占めます。
ネクサスジャパンで行っている「タイヤ流通センター」「NEXLINK」という流通卸業態の売上高は、全体の40パーセントを占めています。
さらに、自動車業界に特化した人材紹介のサービスを展開する「BoonBoonJob」という新規事業に力を入れています。こちらはまだ売上に占める割合は小さいのですが、前期比から2倍近くの伸び率を達成しており、これから収益の柱に育てていきたい事業です。
リユース業態売上
リユース業態の売上高は、前年同期比5.6パーセントの増収となり、直営店舗、フランチャイズ店ともに好調に推移しています。
海外のECサイトの売上高が若干減少していますが、こちらはご承知のとおり、ロシア・ウクライナ情勢などの影響によるものです。ただし円安を背景に復活の兆しが見えていますので、一時的なものだと思っています。
売上分類(店舗売上)
直営店舗の売上高は、お客さまからの買取強化が功を奏し、売上総利益率が前期比で1.9パーセント上昇しています。さらに、お客さま単価も前年同期比105.6パーセントと上昇しています。
売上分類(店舗売上)
さらに、コロナ禍にあっても直営店舗の出店を推進しています。第2四半期では、2店舗を新規出店しました。売上総利益率の向上そしてお客様単価の向上、さらに新規出店により、既存店舗のみならず全体的な売上増加も図ってまいります。
売上分類(フランチャイズ関連)
フランチャイズ関連についてです。既存店売上高は前年同期比109.5パーセント、全店売上高は前年同期比111.6パーセントと伸びています。新規出店は、この第2四半期の間に6店舗ありました。このようなことからロイヤリティ・加盟金収入は増加しています。
また、既存店舗が大変好調なことからオーナーさまの出店意欲も高く、フランチャイズの新規出店に関しては既存のオーナーさまにすべてお任せするかたちとし、現在新たなオーナーさまの募集活動はしていません。既存のオーナーさまに、意欲的に複数の店舗経営をしていただいている状態です。
売上分類(EC手数料・WEB広告)
EC手数料およびWeb広告です。ECサイト「Croooober.com」での取扱高が増加しています。売上に占めるEC販売比率は25パーセントで、前期の23.8パーセントに比べて1.2パーセント高くなっています。EC手数料収入は6,700万円と、前期の5,600万円から増加しています。
WEB広告は、前期3,000万円の収入が今期は3,200万円の収入として増えており、ページビュー数も前期比で105.6パーセントと大きな伸びを示しています。
流通卸売業態売上
ネクサスジャパンの流通卸業の業態です。好調なタイヤを中心として、取扱高が増加しています。前年同期比で、「タイヤ流通センター」での取扱高は107.3パーセント、自動車関連のビジネスを行う法人向けの受発注プラットフォーム「NEXLINK」での売上高は108.5パーセントと、それぞれ伸びています。
売上分類(流通卸売業態)
ネクサスジャパンの卸売業態の売上高です。グループ間内部取引を消去した後の売上高は、前年同期比で8.3パーセントの増収となりました。
既存店舗の売上高が伸びていることに加え、第2四半期に「タイヤ流通センター」の新規加盟が8店舗ありました。このようなことも売上増に寄与しています。
会社別売上分類一覧
会社別売上分類の一覧です。スライドをご覧いただければおわかりだと思いますが、海外EC以外はすべて、前年同期を上回った状態で着地しています。先ほどお話しした人材紹介サービスのビジネスはまだ小さいのですが、売上高は前年同期の2倍になっています。最終的な連結売上高は、前年同期比106.9パーセントとなりました。
重点施策
重点施策についてです。アップガレージは、適正価格での中古品の買取・販売の促進や、タイヤ交換やマフラー交換などの店舗での取付けメニューの拡充、そしてなによりも新規出店による店舗増を重点的に取り組んでまいりました。
さらに、DXによる店舗オペレーション・利便性の向上を目指し、3つのことを実施しました。1つは、買取端末の電子化による業務効率化です。もう1つは、自社でシステムを開発した作業予約一元管理ツール「テマレス」の導入により、業務の平準化を図りました。
加えて、ECサイトでお買い上げいただいた中古パーツの取付け予約についても、サイト上でそのままお近くの店舗を選ぶだけでできる取付け予約サービスを拡充することにより、さらなる売上向上、店舗オペレーションの効率化、お客さまの利便性向上を図ってまいりました。
下期の重点施策です。直営店舗の新規出店、そして昨シーズンも大変好評いただき、マスコミにもご紹介いただいた、スタッドレスタイヤレンタルサービスの拡大を図ります。
また、11月にリリースしました「アップガレージアプリ」による販売促進・集客の強化を図りたいと思います。
当社グループの在庫管理について
私どもは在庫の回転率を重視しており、短期間で売り切るオペレーションを徹底しています。スライド右側の表に記載していますが、在庫回転率は2022年の第3四半期で5.2回転、今期の第1四半期は4.4回転、今期の第2四半期は4回転と、最低4回転を死守しながら効率よく回しています。在庫が増えてもデッドストック化をしない仕組みを取り入れて、長期在庫を避けて回転率を上げる施策を続けてまいります。
2023年3月期通期業績予想
第2四半期の数字と、10月の月次の速報値を踏まえ、下期、通期ともに当初予想しておりました数字を十分達成可能だと思っています。
株主還元方針
株主のみなさまに対しての還元方針は、配当性向30パーセントを継続したいと思っています。1株あたり配当金は、前年の47円50銭から、2023年3月期の予想としては55円と、7円50銭の増配を計画しています。
リユース業態(新規出店)
アップガレージの新規出店の状況です。前期から取り組んでいた「アップガレージサイクルズ」は3店舗目、「アップガレージライダース」は65店舗目を10月に相模原駅前店でオープンしました。
「タイヤ流通センター」は9月17日に、速太郞茂原店(フランチャイズ店)と千葉市原店(フランチャイズ店)をオープンしました。このようなかたちで出店を続けてまいります。
リユース業態(買取実績)
アップガレージに関しては第1四半期に引き続き、お客さまからの買取が非常に好調です。アップガレージの業態はお客さまからの買取が仕入のほぼすべてであり、生命線です。
買取金額は前期比112.5パーセントと、買取点数の増加に伴って伸びています。これはのちの売上にもつながる、大変重要な意味を持つと思っています。
高齢者運転免許証自主返納者対象の特典サービス開始
10月より、高齢者運転免許証自主返納者に対しての特典サービスを開始し、大変ご好評をいただいています。
リユース業態(OMO戦略)
リユース事業の中でのOMO戦略にも力を入れています。
お客さまがECサイトにて購入した商品の取付け予約が、簡単にWeb上で行えることにより、店舗に来ていただいた際にも、スムーズに取付け作業に取りかかれるため、アップガレージの店舗への来店促進にも大きく寄与しており、お客さまからも好評いただいています。
リユース業態(OMO戦略)
このOMO戦略を始めたことにより取付け予約件数が非常に伸びてきております。ネットで購入されても、車のパーツの場合は、ご自身で取付けが完了できないものがあり、このようなものをアップガレージ店舗にご依頼いただく、またそれをWEBを通じて簡単にご予約いただけるサービスというのは、非常にニーズがあると思っており、こちらで来店を促して、その後の顧客化に繋げていくという戦略をとっております。これも既存店舗が非常に元気で好調なことの要因の1つだと思っています。
リユース業態(アップガレージアプリローンチ)
「アップガレージアプリ」はお客さまご自身の車を登録することで、お客さまのカーライフにお役立ていただけるアプリとして、11月からカットオーバーしています。
会員機能として、購入履歴や見積もり管理などが簡単に行えます。今後もいろいろな機能を付加することにより、アップガレージのクルマに対するすべてのサービスを受けられることを目指しています。
リユース業態(アップガレージアプリローンチ)
まずはダウンロード数20万人達成を目標にスタートを切っており、大変好評に推移しています。
クルーバーの事業(システム開発)
当社の基幹システム、アプリやECサイトはすべて、クルーバーのシステム開発部門ZERO TO ONE事業部がエンジニア約30名を抱え、フルスクラッチで開発しています。外注することなく、レスポンスよく、そして使い勝手の良いシステムをまさに現場からの声を反映して開発していることが強みです。今後はここで開発したシステム、アプリを、外部の方にもご利用いただいて、収益に寄与できるようなかたちのビジネスモデルの展開を考えています。
クルーバーの事業(人材紹介)
もう1つのクルーバーの事業、整備士や取付け作業を行う方、営業職など、自動車業界に特化した人材紹介サービス「BoonBoonJob」です。
元々は、アップガレージのフランチャイズオーナーさまから、人手不足というご相談をいただいたことから始めたのですが、大変好評をいただき、外部の企業さまにもお使いいただけたらということで始めました。同じ企業さまに何名もご紹介差し上げるというケースも増えてまいりました。
特に昨今、整備士など有資格者の人材不足が業界内でも取り沙汰されており、このように業界に特化したかたちでご紹介するサイトや企業がまだ少ない関係上、重宝していただいています。
これからも高いマッチング力を発揮しながら、業界の方のお手伝いをしたいと思っています。こちらも好調に推移しています。
クルーバーの事業(人材紹介)
直近3期での推移です。ご覧のように、右肩上がりでで掲載求人数、取扱企業数ともに数字が上がっています。まだグループ全体の売上に占める割合としては少ないのですが、将来大きな収益の柱になってくるのではないかと思っています。
以上、駆け足でご説明しました。株式会社クルーバー2023年3月期第2四半期の決算説明を終わらせていただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。