FXを始めるにあたって悩むのが、FX業者(以下、FX会社)選びです。比較のための一つのポイントが取引コストです。FXの取引コストには売買手数料とスプレッドがあります。そして、多くのFX会社では売買手数料を無料にしています。売買手数料が無料で、なぜビジネスが成り立つのでしょうか。さらに、スプレッドが「狭い」とか「小さい」というのはどういう意味でしょうか。以下ではその仕組みをまとめています。
目次
1 ほとんどのFX会社で、口座開設手数料や口座維持手数料は無料
2 FX会社のほとんどで「売買手数料」は無料
3 FXの取引コストでもっとも重視すべき「スプレッド」とは?
4 「Bid」と「Ask(Offer)」どっちがどっち?
5 FXでは売買が成立した瞬間、赤字からスタートする
6 「スプレッド」はFX会社によって異なる
7 「スプレッド」だけでなく「スリッページ」なども比較すべき
8 通貨の組み合わせによってもスプレッドは異なる
9 円とのペアでない通貨ペアのスプレッドはどう見ればいいの?
10 「くりっく365」の取引所取引と、FX会社の手数料の違いは?
11 確定申告では「手数料無料」はむしろデメリット
12 FX会社はなぜ、売買手数料無料でビジネスが成り立つの?
13 まとめ
1 ほとんどのFX会社で、口座開設手数料や口座維持手数料は無料
FXの取引にはどのようなコストがかかるのでしょうか。FXに限らず、証券会社、銀行などの金融機関で口座を開設すると、「口座開設手数料」、「口座維持手数料」などがかかる場合があります。
口座開設手数料は口座をつくるときだけしかかりませんが、口座維持手数料は、取引がなくても、口座を持っているだけで手数料がかかります。店舗を持たないネット銀行の中には口座維持手数料や年会費を取るところもありましたが、ネット銀行間の競争が激しくなるにつれて、口座維持手数料を廃止したり、預金などの金額に応じて手数料を無料にしたりしています。
FX会社の場合、口座開設手数料や口座維持手数料は無料というところがほとんどです。この場合、口座を開設して1円も入金しなくても、口座が自動的に解約されることはありません。ただし、FX会社によっては、長期間取引がない場合、再審査を行うところもあります。
2 FX会社のほとんどで「売買手数料」は無料
FX取引のうち、主要なコストは「売買手数料」と「スプレッド」でした。「でした」と過去形で言ったのは、今では、ほとんどのFX会社で売買手数料が無料になっているからです。
売買手数料とは、米ドルなどの通貨を売買する際に、FX会社に支払う手数料です。たとえば銀行などで外貨建て預金をする場合、米ドルを買うときと、米ドルを売って円に換えるとき、それぞれ手数料が取られます。
買うときや売るとき、それぞれの手数料を「片道」、両方を合わせて「往復」と言います。銀行などで、米ドルの外貨建て預金をする歳には、店頭の場合、1ドルあたり片道1円、往復で2円程度の手数料がとられます。ネット銀行では1ドルあたり30銭(0.3円)~50銭(0.5円)と安くなっています。
往復の手数料が2円と言うと小さく感じるかもしれませんが、預入時の円相場が1ドル=110円のときに1万ドル分を預金した場合、資金110万円に対して手数料が2万円(約1.8%)にもなります。預金だけでこれだけの利息を出すことはできませんので、ドル高にならなければ「手数料抜け(手数料分以上に利益が出ること)」ができず、損をすることになります。
それに対して、FX会社のほとんどは売買手数料が無料です。個人投資家にFX取引が解禁されたのは1998年です。2000年代に多くのFX会社が誕生しましたが、当時はどのFX会社も売買手数料を取っていました。
2005年ごろには、1万通貨あたりの売買手数料は片道800円~1,000円程度でした。スプレッド(後で詳しく説明します)も含めると、往復の取引コストは2,000円~2,500円ほどでした。現在の取引コストは、それよりもぐんと安くなり、安いFX会社なら、1万ドルの売買手数料は往復で約30円です。2,500円と比べるとかなりの差です。ただし、2,500円でも、銀行の外貨建て預金の手数料(往復2万円)に比べるとかなり割安でした。
3 FXの取引コストでもっとも重視すべき「スプレッド」とは?
FX会社では今、売買手数料が無料というところが主流になっています。「手数料が無料でどうしてビジネスが成り立つのか」については後ほど説明します。ここではもう一つの取引コストである「スプレッド」について説明しましょう。
「spread」とは元々、「広がる、開く」といった意味ですが、金融の世界では、通貨などの金融商品の買うときの価格と、売るときの価格の差のことを言います。
テレビのニュースなどで、「外国為替市場では1ドル110円78銭から81銭で取引されています」などと言われることがあります。このとき、画面には「110.78~110.81」と表示されています。「から」と読まれたり「~」と書かれたりしているので、相場がその間で上下しているような印象を持つかもしれませんがそうではありません。
「110.78」は為替市場で金融機関などが「この値段なら買ってもいいよ」と言っている値段(あなたにとっては売値)です。「110.81」は、市場で、金融機関などが「この値段なら売ってもいいよ」と言っている値段(あなたにとっては買値)です。
つまり、ニュースで「○円○銭から○銭」と読んでいるのは、値幅のことではなく、売値と買値の両方を同時に伝えているのです。外国為替の取引では、「私は、買うなら○円○銭、売るなら○円○銭」と買値と売値を同時に提示します。これを「2 Way Quote(ツー・ウェイ・クオート)」、あるいは「2 Way Price(ツ-・ウェイ・プライス)」と言います。
買値(あなたにとっての売値)を「Bid(ビッド)」、売値(あなたにとっての買値)を「Ask(アスク)」または「Offer(オファー)」と言います。そして、この買値と売値の差を「スプレッド」と言います。
4 「Bid」と「Ask(Offer)」どっちがどっち?
FX初心者の人にとっては、「BidとAskって、どっちが売値でどっちが買値か覚えられない」と感じるかもしれません。結論から言えば、覚えられなければ無理に覚える必要はありません。上で説明したように、あなたにとっての売値が「Bid」、買値が「Ask」です。ただし、通貨を「売る側」、「買う側」と立場が逆になると売買も逆になることから、FXの情報サイトや書籍、雑誌などによっては、Bidを買値、Askを売値と逆に書いてあることもあります。
用語を暗記するより、価格で考えると理解しやすいでしょう。レート表示の前に書いてあるほうの価格(安いほう)が、あなたが通貨を売る場合のレート、後ろに書いてあるほうの価格(高いほう)が、あなたが通貨を買う場合のレートです。
あなたの売値が買値よりも高くなることは原則としてありません。なぜなら、レートは、銀行などの金融機関が「私は、買うなら○円○銭、売るなら○円○銭」と買値と売値を同時に提示しているものだからです。当然ながら、一つの金融機関が売りたい値段(あなたの買値)は買いたい値段(あなたの売値)よりも高くなります。そうでないと、その金融機関は高く買って安く売るので損をすることになります。
ただし、FX業者が複数のカバー先から売値、買値それぞれもっとも有利なレートを選んで提示するような方法を取っている場合、まれに、投資家にとって、買値よりも売値が高くなる「マイナススプレッド」が発生することがあります。ただし頻度は少なく、狙って遭遇できるものではありません。
5 FXでは売買が成立した瞬間、赤字からスタートする
FX取引でのレート(価格)は売値と買値が同時に提示される「2 Way Quote(ツー・ウェイ・クオート)」だと紹介しました。ここで大きな特徴があります。それは、「FXでは売買が成立した瞬間、赤字からスタートする」ということです。なぜなら、いつでも売値と買値の間に差(スプレッド)があるからです。
たとえば、スプレッドが0.4銭(0.004円)で、売値(Bid)が1ドル=111.170円、買値(Ask)が1ドル=111.174円だとします。投資家(あなた)がドルを1ドル買うとすると、レートは買値(Ask)のほうなので111.174円です。FXでは反対売買をして決算することになります。外貨を買った場合、決済は「売り」になります。このため、買った瞬間に、「買い」のレートではなく、「売り」のレートで評価されることになります。ですから、相場が動かず、レートに変化がない場合でも、スプレッドの分のコストは必ずかかるのです。
ところで、FXは「買い」からだけでなく「売り」からでも取引が始められます。上記のレートで「売り」から始めるとどうなるでしょうか。まず「売り」のレートは、売値(Bid)のほうの1ドル=111.170円です。投資家(あなた)はその値段で売り始めるのですが、取引が成立した瞬間から、評価のレートは「買い」のほうのレートとなり、111.174円となります。いきなり、スプレッド分の0.4銭(0.004円)の赤字からスタートになります。
ちなみに、売買手数料の場合、取引を始めたときと決済するときの「往復」で、手数料は2回分かかるのが普通ですが、スプレッドは売買価格の「差」なので、買いから始めても売りから始めても、コストがかかるのは1回だけです。
6 「スプレッド」はFX会社によって異なる
FXには株式市場のように取引所はありません。では、売値や買値の「2 Way Quote(ツー・ウェイ・クオート)」は誰が出しているのでしょうか。答えは、FX会社です。FXには取引所のようなものはありません(「くりっく365」という取引所はあります。後述します)。このため、取引は、FX業者と個人投資家との相対(あいたい)取引になります。
相対取引とはその名のとおり、FX業者と投資家が直接取引をすることです。店頭取引とも言います。FX業者はインターバンク市場と呼ばれる、金融機関が通貨を売買する市場に参加している「カバー先」と呼ばれる金融機関と提携し、カバー先のレートを見ながら、自社の顧客にレートを提示します。
米ドル/円の場合、前述した2005年ごろにはFX会社のスプレッドは3銭~7銭程度でした。FX会社同士の競争が激しくなると、各社がスプレッドの狭さ(小ささ)を競うようになり、年々スプレッドが狭くなっています。今では1銭以下というところが多く、中には0.3銭というところもあります。2005年と比べると10分の1以下になりました。
7 「スプレッド」だけでなく「スリッページ」なども比較すべき
前述したように、FX会社の多くは売買手数料が無料になっています。なので、投資家にとっての取引コストはスプレッドぐらいしかありません。このため、FX会社を検討する際に、「スプレッドの狭い順」などで比べがちです。
もちろん、スプレッドは狭いに越したことはありませんが、0.1銭でも安いほうを選ぶべきかと言えばそうとは限りません。注文の品質の問題があるからです。
注文を出して売買が成立することを約定(やくじょう)と言います。FX取引のレートは刻々と動いています。相場が急騰したり急落したりするときには短時間で大きくレートが変わることも珍しくありません。
このため、値動きが激しいときなどには、取引ソフトの画面に表示されている価格で発注したにもかかわらず、実際に約定したレートが異なる場合があります。これを「スリッページ(slippage:ずれる、滑る)」と言います。日本語で「すべる」と表現する場合もあります。
いくら「スプレッド0.3銭」とうたっていても、約定したレートがそれ以上ずれる(不利になる)のでは意味がありません。
さらに、同じFX会社であっても、相場の状況によってスプレッドも変化しますので、注意が必要です。たとえば、米国の雇用統計発表時には為替相場も大きく動きますが、ほとんどのFX会社で、スプレッドも広がります。
大きなイベントの際などにどれだけすべるかは、実際に口座を開設し取引してみないとわからないので、FX会社選びの判断が難しいところです。FX会社によっては、設定した値以上にスリッページが大きくなる場合は約定させないようにするといった機能を設けているところもあります。
8 通貨の組み合わせによってもスプレッドは異なる
ここまで、おもに米ドル/円を例にスプレッドを説明してきました。ここでさらに注意しなければならないのは、スプレッドは通貨のペアによって異なるということです。
たとえば、あるFX会社は、米ドル/円のスプレッドは0.3銭ですが、豪ドル/円は0.7銭、ポンド/円は1.1銭、スイスフラン/円は1.8銭となっています。
このような違いが生じる要因は流動性に関係しています。米ドルは改めて言うまでもなく世界の基軸通貨であり、インターバンク市場で買い手や売り手が多く、売買数量が十分にあります。つまり流動性が高い通貨です。それに比べれば、南アフリカランドやノルウェークローネ、トルコリラなどは買い手や売り手のプレーヤーが少なく、売買数量も少なくなります。
FX会社は投資家の注文をインターバンク市場につなぎますが、売買が成立するためにはインターバンク市場でそれを引き受けてくれる(カバーしてくれる)金融機関がいなければなりません。すぐにレートが折り合うといいですが、時間がかかるとその間にレートも変わってしまします。そのリスクに備えるために、FX会社では(インターバンク市場でも)流動性の低い通貨のスプレッドは広くなっています。
米ドル/円のスプレッドが0.3銭のこのFX会社でも、南アフリカンランド/円のスプレッドは1.4銭、ノルウェークローネ/円のスプレッドは2.1銭、トルコリラ/円のスプレッドは7.0銭になっています。
FX会社の中には、ドル/円のスプレッドは頑張っているものの、他の通貨ペアはそれほどでもないというところもあります。あなたが取引したい通貨のスプレッドがどうなっているか比べるようにしましょう。
9 円とのペアでない通貨ペアのスプレッドはどう見ればいいの?
FX会社のサイトのほか、比較サイトなどでは、各社の通貨ペアごとのスプレッドが示されています。それを見ると、単位が「銭」と書いてあるのものと「pips」と書いてあるものがあることに気付くでしょう。銭は100分の1円(0.01円)です。100銭=1円です。では「pips(ピップスと読みます)」はどのような単位でしょうか。
pipsは「0.0001通貨」です。米ドルであれば0.0001ドル(0.01セント)、ユーロなら0.0001ユーロ、英ポンドなら0.0001ポンドです。
円とのペアでない通貨、たとえばユーロ/米ドルの場合、売値(Bid)が1.11805ドル、買値(Ask)が1.11810などと表示されます。その差は0.0005ドル(0.5pips)です。1pips=0.0001ドルでも小数点以下が長くてわかりにくいのに、スプレッドはさらにその10分の1の単位になるので、さらにわかりくにいところです。
昔は、個人投資家向けFXのレートは、ドル/円であれば1銭まで、ユーロ/ドルであれば0.0001ドル(0.01セント)までしか表示されていませんでした。最近ではそのもう一つ下の桁まで表示されるようになりました。スプレッドも一つ下の桁のレベルまで安くなったので、「ユーロ/米ドルのスプレッドは0.5pips」といったように表示されているわけです。
ただし、異なる通貨ペアの「pips」は同じではありません。1銭=1pipsでもありません。1銭は0.01円ですが、米ドルにおける1pipsは0.0001ドルで、1ドル=100円なら、1pips=約0.01円ですが、1ドル=80円なら、1pips=約0.008円です。ユーロの1pipsと、英ポンドの1pipsも金額は異なります。pipsはあくまでも、全体の価格(や値動き)に対する比率を表すものです。ただし、いちいち計算するのがめんどうなので、ざっくりと1pips=1銭として、おおまかなコストを把握する方法もあります。
10 「くりっく365」の取引所取引と、FX会社の手数料の違いは?
FXには東京証券取引所のような取引所はないと前述しました。実際には「取引所」はあります。東京金融取引所が運営する「くりっく365(さんろくご)」です。「くりっく365」は2005年7月に国内初の公的なFX取引所として誕生しました。複数の大手金融機関と提携することによる有利なレートや、投資家から預かった証拠金の保全、約定の信頼性の高さなどが特徴です。安心して取引できるのは取引所らしさと言えます。
ただし、取引所と言っても、投資家同士が直接取引をしているわけではなく、「くりっく365」に参加しているFX業者を通じてインターバンク市場とつながっているという仕組みです。
くりっく365に参加しているFX会社であれば、どのFX会社でもレートは同じです。ただし、売買手数料はFX会社によって異なります。くりっく365は、相対取引(店頭取引)のFX会社が売買手数料を無料にする流れが加速しても、ずっと売買手数料がかかっていました。しかし、2013年10月から手数料引き下げを行い、くりっく365に参加しているFX会社の多くが売買手数料を無料にしました。ただし、今も、手数料がかかるFX会社もあります。
2015年11月から、くりっく365では、大口取引を高頻度で行う投資家向けに、スプレッドを狭くする代わりに手数料がかかる「くりっく365ラージ」を開始しました。大口注文でもしっかり受け止められる約定力が特長です。
くりっく365は、取引所とFX会社、両方の収益を生み出さなければならないので、相対取引(店頭取引)のFX会社に比べれば、取引コストは高めです。「それでも、安心して取引したい」と考える人は、「クリック365」を選ぶのも一つの方法でしょう。
11 確定申告では「手数料無料」はむしろデメリット
FX会社では最近、売買手数料無料のところがほとんどです。むしろ、「無料でなければ投資家に選ばれない」といった感じにもなっていますが、実は、売買手数料が無料であることはデメリットもあります。それは「確定申告」などの税金の申告です。
多くのFX会社では、売買手数料は無料と言っても、スプレッドから利益を得ています。投資家にとってはコストになります。ここで、スプレッドだけを抽出して必要経費として所得から控除できればいいのですが、それはできません。スプレッドは刻々と変わりますし、FX会社も「この取引におけるスプレッドは○円○銭で、純粋な収益は○円○銭です」と出してくれるわけではありません。
一方、これが、売買手数料であればはっきりと計上できますし、FX会社も年末にその金額を集計して出してくれます。もちろん、経費として認められます。
その点では、スプレッドにコストを含めてしまって形だけ「手数料無料」にするよりは、スプレッドを狭くしてその分を手数料にしてくれるほうが、投資家にとってはトータルで見れば有利なのです。米国などではそのようなFX会社もあるようですが、日本では「無料」が主流になってしまいました。
12 FX会社はなぜ、売買手数料無料でビジネスが成り立つの?
スプレッドがあるとは言え、最近はその幅も狭くなっており、FX会社は薄利になっています。では、FX会社はなぜ、売買手数料無料でビジネスが成り立つのでしょうか。
キーワードは「マリー(marry)」です。「marry」は「結婚」という意味ですが、為替の世界では、売買を組み合わせて相殺することを言います。
FX業者は、「カバー」と呼ばれる、インターバンク市場に直接参加している金融機関と提携しています。投資家から注文があると、FX業者はそれを約定し、カバー先の金融機関に注文を出します。
ここでもし、投資家のAさんが米ドルの1万ドル買注文を出し、Bさんが米ドルの1万ドル売り注文を出したとしたらどうなるでしょうか。FX業者はこれを相殺することができ、カバー先に発注する必要はなくなります。さらに、資金を動かさなくても、AさんとBさん両方からスプレッド分の収益を得ることができます。
FX業者が「マリー」により安定した収益を獲得するためには、売買ともに取引数量が多いほうがいいことは言うまでもありません。そのために、どのFX会社もコストをかけて新規顧客獲得に取り組んでいるわけです。投資家にとっては、自分の反対売買をしてくれる人がいればコストが安くなるとも言えます。FX会社選びの際に、口座数、預かり資産の多い会社をチェックしてみるのもいいかもしれません。
13 まとめ
売買手数料の無料化をはじめ、FXの取引コストは年々安くなっています。手数料が高すぎて手数料抜けができず、損切りが遅れたり、売買では買っているのに手数料で赤字になったりといったことは、最近は少なくなっています。その点では、スプレッドが0.1銭安いからという理由でFX会社を選ぶことは、それほど意味がないかもしれません。自分の投資スタイルなども含めて、通貨ペア、取引ツール、約定力など、トータルな視点で考えるといいでしょう。
上山 光一