ミラーレス市場を支えるのはオリンパス、ソニー、キヤノン、フジフィルムホールディングス(以下、フジ)、パナソニック勢です。ここでオリンパス、ソニー、フジフィルムはミラーレス専業といって構いません。

ソニーは自社で撮像素子の開発ができる利点を生かし、α9に象徴されるキヤノン、ニコンに迫るミラーレスカメラを投入してきました。またキヤノンもEOS M6でいよいよ本格的にミラーレス市場に取り組み始めています。

キヤノンはトップシェアを握る重要なプレーヤーで、一眼であるEOS Kissシリーズは同社の収益源と想像されます。そのためミラーレスの投入はこれまで慎重に行ってきましたが、2017年4月に投入を開始したミラーレスEOS M6は他社と遜色ないカメラに仕立ててきました。キヤノンがミラーレスで宣戦布告をしたといっても過言ではありません。

問題はミラーレスに出遅れ気味のニコンです。同社はNikon 1シリーズを擁していますが、2015年4月に投入したNikon 1 J5以降、新製品がありません。リストラの一環でDLシリーズの開発を中止したことは記憶に新しく、ラインナップ上も課題を残しています。

キヤノンはトップ企業でありながら、自らドル箱のEOS Kissを置き換えかねないEOS M6に重心をかけ始めています。一眼レフ型でシェアも評価も高いニコンが、いつまでミラーレスを出さずにいられるのか、あるいは「期待を超えて期待に応えて」革新的なミラーレスを出してシェアを取りに来るのか、その次の一手に大いに注目したいと思います。

椎名 則夫