外資系金融機関には様々な種類があります。今回はその中でも高給で知られる投資銀行について見ていきましょう。投資銀行といわれてもよく知らない方もいるかと思いますが、非常にざっくり説明すると、リテール(個人投資家)へのサービスの有無で多少異なりますが、日本でいえば証券会社と考えてもらえればよいでしょう。
今回はデキる外資系金融マンの中でも、投資信託やヘッジファンドと呼ばれる機関投資家に、株式や債券等を営業する部署のマネージング・ディレクター(通称MD)などに見られる共通の習慣をまとめてみました。ちなみに、MDは現場でいえばほとんど”上がり”のポジションです。
すぐに人を紹介できるコーディネート力がある
営業では様々なタイプの顧客を抱えていることがほとんどです。MDにも、話が上手で誰とでもすぐに仲良くなれるタイプと、口数が少なく物静かな2つのタイプに分けられます。そうしたタイプが全く異なる彼らに顧客がついているのはなぜでしょうか。
投資家を一言でいえば、悩める生き物です。安心している状況にいることはほとんどないといっても過言ではありません。よって、投資家は常に自分の悩みや問題を解決してくれるアイデアや人物を探しています。
そうした問題を解決するために、「この問題ならあの人が得意だ」と、社内外を問わずに人をマッチングできたり、ミーティングを設定できる営業は重宝されます。
また、1人の人物に会って解決する場合もあれば、次なる疑問へと発展することもあります。その場合、さらなるコーディネートが必要となります。誰が何が得意か、どういった専門性があるかを知ることには積み重ねが必要ですので、なかなかマネできるものではありません。
突破力がある
持ち前のキャラクターで、一見無理と思えることでも突破したり、難しい案件を実現できてしまう営業がいます。
たとえば、セキュリティの厳しい米国。会議に参加するためには事前登録が必要なケースが多く、参加をしたくても登録がなければ門前払いになることは日常茶飯事です。
そうした中で、(英語が特段上手でなくても)粘り強い交渉で入場してしまうなど、その場その場の対応力がある営業は重宝されます。何かあった時に「彼は全力で対応してくれる」という期待を持たれるからです。
投資の世界は一寸先は闇。最も必要なのは、目の前の状況にどのように対応できるかです。もちろん、自分でシナリオをいくつも準備してあらゆる想定はしておくべきですが、困難な状況で頼りになる人は高く評価されます。
やりましょう!が早い
「面白いですね、やりましょう」と盛り上がっても、実際はその後にほとんど何も起きないのが常ではないでしょうか。その一方で、後日「例の件はこのように準備しようかと思いますが、先に進めてもよいでしょうか」と連絡をしてくるのがデキる営業マン。
投資家にはいろいろな人がいますが、実は目立ちたがり屋なタイプはまれです。ほとんどは人の目に触れることなく静かにしていたいというタイプが多いものです。
しかし、自分が得意だったり、こだわりのあるポイントについては非常に明確な人たちです。したがって、自分のこだわりポイントが盛り込まれている提案に対しては、一気に心が動きます。こうしたツボを押さえた迅速な対応ができる営業は非常に重宝されます。
お辞儀が深い
これは本当に不思議なことですが、デキる営業はエレベーターでの挨拶時にお辞儀が深いのが特徴です。頭が床についてしまうくらいお辞儀をします。こちらもていねいにお辞儀をしてはいても、それでも足りないかと思わせるお辞儀の深さです。
世界で最も有名な米系投資銀行の営業は、株式部門だけではなくその他の部署でもお辞儀が深いのです。会社のカルチャーでしょうか。とはいえ、米国にそれほど深くお辞儀をする習慣があるとは寡聞にして知りません。ただ、思い返してみると、他の会社のデキる営業も同様であることに気づきました。
不思議なことに、お辞儀が深い営業はいつまでたっても記憶に残っているものです。別れ際に自分を印象づけるテクニックというと軽く聞こえますが、記憶に残すという意味では意外に重要かもしれません。頭を垂れる姿勢そのものが大切なのは言うまでもありませんが。
まとめにかえて
投資銀行の中でも部署や職種によって給与の差はありますが、顧客との接点を持つMDともなれば数千万円の年収はざらです。そもそも社内で相当評価をされなければMDにはなれませんが、評価される営業を一言でいうと「客を持っている」ということになります。
本当にデキる外資系金融マンはあまり表には出てきませんが、今回はその習慣や特徴をまとめてみました。まとめてみると、こうした習慣は何も外資系金融マンだけに当てはまるものではななく、世の中の多くの業種についても当てはまることがわかります。就職活動をする学生や転職活動をする方に参考になればと思います。
LIMO編集部