4. 【厚生年金と国民年金】60歳代の年金受給額はいくら?

老後収入の柱のひとつになるであろう年金ですが、今現在60歳代の方は年金をどのくらい受給しているのでしょうか。

厚生労働省が2021年12月に公表した「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況(2020年度)」を参考に、年齢別の年金受給額をみていきましょう。

出所:厚生労働省「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況(2020年度)」

4.1 国民年金の平均年金月額

  • 60~64歳:4万2306円
  • 65~69歳:5万7502円

4.2 厚生年金(第1号)の平均年金月額

  • 60~64歳:7万5922円
  • 65~69歳:14万3069円

※国民年金(基礎年金)の月額を含む

一般的な年金受給開始年齢は65歳からです。

年金受給額が60歳代前半と後半で大きな差となっている理由は、「受給開始のタイミング」が理由として挙げられます。

現在の年金制度では、65歳よりも前に年金を受給すると月0.4%減額される「繰上げ受給」があります。また、厚生年金には特別支給の老齢厚生年金があります。

いずれにせよ、水準的にもやはり年金のみで老後生活するのは厳しいといえるでしょう。

5. 働き続ける不安のカバーを

今回の結果を見ると、「退職金や年金以外にどう老後資産を準備するか」が重要になってきます。

長く働くことも大切ですが、年齢を重ねるほど「いつまで働けるか」という不安は増していくでしょう。

その不安に備えるためにも貯蓄が重要ですが、思うように貯蓄できない世帯もあります。

現在はNISAやiDeCoのように運用益が非課税になる制度もあります。リスクがあるのできちんと調べる必要がありますが、昔よりも情報収集しやすくなってきました。

預貯金による貯蓄に合わせて、このような制度を利用して貯蓄を増やす工夫を行うこともこれからは大切でしょう。


6. 参考資料

荻野 樹