NYダウは+1.3%上昇、ダウ輸送株は+3.3%上昇

2017年5月26日のNYダウ工業株30種平均(以下NYダウ)は前週末比+1.3%、NYダウ輸送株20種平均は+3.3%上昇しています。心配した輸送株ですが、首尾よくNYダウを上回るリバウンドをしています。

先週トランプ大統領は外遊でしたが、米国内ではクシュナー上級顧問がFBIの捜査対象とされるなど、いわゆる「ロシアゲート」問題がくすぶり続けました。しかし、1-3月の実質GDP成長率改定値が速報値から上方修正され、経済の面では一定の安心感が出たものと思われます。

上昇率トップはゴールドマン・サックス

NYダウ30銘柄のなかで、前週末比上昇率のトップ5社は次の通りです。

ゴールドマン・サックス(GS)+4%
コカ・コーラ(KO)+3%
マイクロソフト(MSFT)+3%
ボーイング(BA)+3%
キャタピラー(CA)+3%

このうち、その前の週からの反発組はゴールドマン・サックス、マイクロソフト、ボーイングでした。一方、続伸組はコカ・コーラ、キャタピラーです。

下落率トップはゼネラル・エレクトリック

次に、前週末比下落率のトップ5社は次の通りです。

ゼネラル・エレクトリック(GE)▲2%
シェブロン(CVX)▲2%
ファイザー(PFE)▲1%
ホーム・デポ(HD)▲1%
ウォルマート・ストアズ(WMT)▲1%

栄光のゼネラル・エレクトリック、株価は苦戦続く

かつては事業ポートフォリオ運営の手本であったゼネラル・エレクトリック(GE)の株価が冴えません。年初来▲13%下落しており、NYダウ構成銘柄のなかではベライゾン・コミュニケーションに次ぐワーストパフォーマーです。

先週のGE株の下落は、同社のイメルトCEOが2018年の利益目標到達が容易ではないと投資家向けコンファレンスで述べたためです。アクティビストが大株主であり、キャッシュフローの改善待ったなしとなっています。

日本でも、総合電機や機械銘柄のなかにはビジネスポートフォリオ管理に難儀しキャッシュフローがうまく回っていない企業が見られます。GEの苦境とそこからの脱出劇が再び日本勢のお手本になるのか、GEの行方に注目です。

GE株(赤)とダウ平均(青)の過去1年間の推移

 

椎名 則夫