所得税だけではない幸せ度を決定する要因も

人間は年収が増えていく過程で、家賃が高い家に引っ越すでしょう。より高級な車に乗るようになっているかもしれません。子供の教育費もかさんでいるかもしれません。小学校から大学まである私立やインターナショナルスクールに入学させるといケースもあるでしょう。

年収が上がる中で生活水準も一気に上げてしまうと、ややもすると手元に残るはず以上の出費がかさんでしまうということもあり得ます。

生活水準が高まることで満足度が上がることもあるでしょう。一方では、資産形成を考えて手元に現金がどれだけ残るのかを重視する人も多いでしょう。そのような投資家マインドを持った人は、単に「所得が増えて生活水準が高まって幸せ!」というわけにはいかないでしょう。

年収が増えても、いかに出費を減らすことができるのかを同時に満たさなければ、金銭的な満足度は得られにくいのではないでしょうか。

まとめにかえて

所得税額には、ここまで触れてきた他に税額控除も活用できます。また、サラリーマンが支払う税金には所得税の他に住民税もあるので、税金を支払った後の手元に残る現金は一概に年収だけでは比較できません。

しかし、所得税率が40%や45%ともなると、感覚的には「もらった半分はざっくり税金」という印象を持つ人も多いのではないでしょうか。となれば、年収を追うのではなく、生活の豊かさを求めるような状況を求める人が増えてきてもおかしくないでしょう。

税率という定量的な要因が人々の幸せ度を決めているとすれば、税金の議論は国家にとっていつまでも重要な領域と言えそうです。

LIMO編集部