離婚した30歳代の女性が年金事務所で笑顔になったワケ

先ほど確認した通り、厚生年金は収入が多いほど将来の受給額も増える仕組みです。

厚生労働省によれば、厚生年金の平均月額は男性で16万4742円、女性で10万3808円(国民年金部分を含みます)。

男女で約6万円の差があり、さらに離婚された女性は専業主婦やパートタイムで働く方も多く、将来の年金額に不安を抱える方も多いでしょう。

離婚後、再婚される方もいれば、生涯ひとりでいる方もいます。いずれにせよ、男性に比べて長生きリスクの高い女性の年金額は少ない傾向にありますから、制度を利用してきちんと分割をおこなうことは大切でしょう。

数年前に離婚したという30歳代のAさんは、実際に年金分割の手続きをしに年金事務所へ行き、手続き以外のメリットもあったと言います。

「長い話し合い等を経て無事離婚が成立しほっとしていましたが、離婚手続きや名義変更を行う場所ではどこも一歩引いたというか、どこか暗い雰囲気の中で手続きが行われました。内容が離婚なので仕方ないかもしれません。

そんな中、年金事務所へ行ったら、よく手続きしにいらっしゃいましたねと言われ優しい笑顔で年金分割について説明していただきました。

離婚後の慌ただしい中でも、手続きしに行き褒めていただいたこと、笑顔で対応していただいたことが当時の最も良い思い出として残っています」

先ほどの厚生労働省の資料を見ても、年金分割をおこなわない方はまだ多いと言えそうです。一つの権利として、きちんと手続きをおこないましょう。