5. 年金生活は年収いくら必要か
では、年金生活ではいくらくらい年収が必要でしょうか。
厚生労働省「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の総所得の平均は332万9000円です。
高齢者世帯の総所得は2011~2020年まで300万円台前半で推移しており、高齢者の生活には年収300万円ほど必要なことがわかります。
現役時代より世帯年収が下がるご家庭もあるので、年金生活に備えて生活水準を調整する必要はあるでしょう。
高齢者の総所得の内訳を見ると、年金は207万4000円。月17万円台です。
残りの部分は雇用者所得が58万7000円、つまり月にして約5万円仕事で収入を得ています。また、財産所得や企業年金・個人年金もあります。
現代でも年金だけで生活する世帯は少なくなり、仕事による収入や財産所得、個人年金などで皆さん対応されています。
この必要性は今後強まると考えられるでしょう。
6. まとめにかえて
現役世代が年金生活になる頃には、今よりも仕事による収入や財産収入、個人年金などで老後に備える必要性が増します。
長く続けられる仕事を考えたり、私的年金や資産運用を取り入れたりして、老後資金を準備する方は増えるでしょう。
最近話題のiDeCoやつみたてNISAといった運用益が非課税になる制度も、まず調べてみることからはじめるといいでしょう。運用はリスクが怖い方も多いですが、リスクを具体的に学び、ご自身に合った金融商品や運用方法を選ぶことが大切です。
老後に向けて時間のある時に、情報収集からはじめてみてはいかがでしょうか。
参考資料
宮野 茉莉子