本社を山梨県忍野村に置く工作機械用NC装置の世界企業であり、黄色いロボットで有名なファナック。2017年3月期は減収減益決算を発表するも、株価は23,000円付近で一進一退を繰り返しています。
今回はファナックの株価をテクニカルの観点から分析します。レンジ相場を形成している23,000円付近を上方ブレイクし、25,000円そして最高値28,575円を目指せるかどうかが重要なポイントと見ています。
2期連続で減収減益となったファナック
世界的な工作機械用NC装置メーカーとして知られるファナック。昨今ではロボット事業への積極的な投資も話題になっています。ただし、足元は2期連続で減収減益となっています。以下、同社の過去3期の業績推移を見てみましょう。
2016年3月期 売上高6,234億円、経常利益2,294億円、当期純利益1,597億円
2017年3月期 売上高5,369億円、経常利益1,688億円、当期純利益1,277億円
2018年3月期(会社予想) 売上高5,698億円、経常利益1,605億円、当期純利益1,169億円
2期連続での減収減益となったファナックですが、2018年3月期は対前期比でほぼ横ばいながら経常利益や当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)は若干減益の計画です。このように、工作機械用NC装置で高い世界シェアを持つ同社ですが、決算的には成長はいったん足踏み状態となっています。
ファナックの株価の高値は2015年5月の28,575円
ファナックの株価の高値は2015年5月の28,575円です。その後、2016年2月には15,300円にまで下落。2016年7月より再度上向きになり、現在の23,000円付近の水準にまで株価は上昇しています。
2期連続減益であり、来期の業績もほぼ横ばいの予想の中、同社の株価は健闘しているとも言えるでしょう。ただし、現在の23,000円付近の水準は2017年2月から継続しており、足元は23,000円付近でレンジ相場を形成している状態です。
日足では23,000円付近超えを複数回トライ
日足で見ると、ファナックの株価は23,000円付近の壁を複数回トライしていることが分かります。
現在の株価水準に到達した2017年2月以降、レンジ相場を形成しながらも徐々に上値を切り上げ、なおかつ下値も切り上がりつつあります。その中で、23,000円付近の壁を破るに破れない状態となっています。
23,000円付近の壁を突破することができるのか、それとも壁の厚さに押し戻され株価が下落してしまうのか、ファナックの株価は重要な分岐点に位置しています。
ファンダメンタル要因などのバックアップで上方ブレイクの可能性も
ファンダメンタル要因など、ファナック株の上昇を後押しする変化が発生すれば、現在の23,000円付近の壁を上方ブレイクして最高値28,575円を目指す動きが生じる可能性があります。ただしその場合、節目価格の25,000円が意識される展開も予想されます。
いずれにしても、2期連続減益かつ当期の業績も横ばいを予想しているファナックは、株価上昇を後押しする要因を投資家が待っている状態と考えることができます。
まとめ
2期連続減収減益決算の中でも、チャートを見るとファナックの株価は健闘していると言えます。現在は23,000円付近の壁を破れずレンジ相場に捕まっている状態ではありますが、壁のブレイクに複数回トライしており、株価上昇を期待できるチャートパータンとはなっています。
今後、ファナックの株価は23,000円付近の壁を上方ブレイクして再度上昇トレンドに乗ることができるのでしょうか。ファナックの株価および今後の同社の発表に注目したいと思います。
LIMO編集部