年収500万円未満の層がNISA利用者の約7割を占めるワケは?

「投資」や「資産運用」と聞くと、「お金に余裕のある人がするもの」という印象が少し前までは強かったように思います。

ですが、結果を見てみるとNISA制度を活用している約7割は年収500万円未満の層であることが分かりました。

ここで、日本の平均年収に視点を移してみましょう。

国税庁が2021年9月29日に公表した「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は433万円となっています。

同じ資料から、年収100万円以下~2500万円超の割合をみてみると、以下のようになります。

出典: 国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」(令和3年9月)

この資料から、年収500万円以下の割合は69.7%だとわかります。

また、冒頭で紹介した日本証券業協会の資料によると、一般NISAとつみたてNISAの口座数の年代別割合は以下のようになっています。

出典:日本証券業協会「中間層の資産所得拡大に向けて ~資産所得倍増プランへの提言~」

一般NISAは比較的幅広い世代で活用されている一方で、つみたてNISAに関しては、20代~40代といった、いわゆる若年層がメインで活用していることがわかります。

20代~40代は一般的にまだ給与が十分に上がっている年代ではありません。

そういった若年層が利用者の7割を占めていることが、年収500万円未満の層がNISA制度利用者の7割を占めていることに関連しているのではないかと考えられます。