2. 「国民年金と厚生年金」の受給要件とは?

では、年金の受給資格はどうすれば満たせるのでしょうか。重要なのは「保険料の支払い状況」です。

国民年金(老齢基礎年金)の受給要件は以下のように定められています。

2.1 国民年金の受給要件

  • 保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した「受給資格期間」が10年以上あること

※「保険料免除期間」…経済的に納付が難しいなどの一定条件を満たした方が、自分で申請して審査に通ることで、保険料の納付を免除される期間のこと。

1階部分の「国民年金(老齢基礎年金)」では、第1号被保険者である自営業やフリーランスこそ、未納のリスクが高いと言えます。

会社員と違い、自分で能動的に国民年金保険料を納めないといけないからです。「今月は苦しいから」「どうせ払っても年金なんてもらえないかもしれないから」などの理由により、未納にしてしまう方もいるでしょう。

しかし、保険料の支払いは税金と同じように国民の義務です。

万が一経済的に苦しいという場合は、正規の申請をして「国民年金保険料免除・納付猶予制度」を利用することが大切です。

保険料の免除や納付猶予が承認された期間であれば、年金の「受給資格期間」に算入されます。

ただし、免除期間は保険料を納めた時に比べて2分の1(平成21年3月までの免除期間は3分の1)にしかなりません。また「納付猶予」であれば、年金額に反映されないということにも注意しましょう。

受給額を守りたいのであれば、10年以内に追納を検討することが重要です。

2.2 厚生年金の受給要件

一方で、厚生年金の受給資格は以下の通りとされています。

  • 国民年金(老齢基礎年金)を受け取れる方に厚生年金の加入期間がある場合、国民年金に上乗せして受給

国民年金の受給要件を満たすことが大切なポイントですね。つまり、いくら厚生年金保険料を支払っても、過去に国民年金保険料の未納があれば加入資格が得られない可能性があるということです。

「若気の至り」で済まさないよう、保険料の納付状況はしっかり確認しておきましょう。