1,400円台に突入していたマツダ(7261)の株価がいったん1,500円台を回復。マツダの株価は2016年より1,500円台割れが複数回発生していますが、その都度1,500円台を回復しています。
長く1,500円を挟んだ攻防が続いているだけに、勝負がついた時は一気に大きく動く可能性があるかもしれません。マツダの株価をテクニカル分析の観点から見ていきます。
トランプ政権誕生で輸出比率の高いマツダに懸念
「アメリカに雇用を取り戻す」との公約を掲げ、大統領選に勝利したトランプ氏。トヨタに対しメシキコ工場の再考を求める等、日本の自動車業界も矢面に立たされることになりました。
まだ直接的な批判の対象にはなっていないものの、米国向けではメキシコ工場からの出荷に加え日本からの輸出が多くを占めているのがマツダです。米国市場でのシェアが高くないため、それほど目立つ存在ではないものの、トランプ政権誕生で今後の事業展開に難しい舵取りを迫られています。
2016年12月に2,066円を付けた後、マツダの株価は下落に向かう
事業でのトランプリスクとは対照的に、トランプ相場の恩恵を若干受けたマツダ株は2016年12月16日に戻り高値2,066円を付けます。しかし、その後は一転して下落。結局2016年7月以降に位置していた1,500円付近の位置まで下がり、現在に至っています。
ただ、現在の1,500円付近の株価は重要なポイントと言えます。以下、週足及び日足からマツダの株価1,500円の位置付けについて考えてみます。
週足で見るマツダの株価
週足で見ると、マツダの株価は2012年7月の安値425円から上昇を開始しています。2014年12月には高値3,271.5円を付けるなど、株価は7倍以上になりました。
現在は、2014年12月の高値3,271.5円から下落が続いている状態です。下値が徐々に切り下がっており、ダウ理論的には下落トレンド状態にありますが、いったん1,500円付近で下落がストップし、1,500円付近でレンジ相場が継続しています。
1,500円付近は2012年7月の安値425円と2014年12月の高値3,271.5円で引いたフィボナッチ・リトレースメント61.8%に該当し、何かしら株価に変化が起こりやすい値位置となります。ただし、マツダ株は下落がいったん止まるという現象が生じています。
マツダの株価は複数回にわたって1,500円台から下落するトライを行っており、1,500円が買い方と売り方の攻防の値位置であることが週足からは見て取ることができます。
日足で見るマツダの株価
日足で見ると、マツダの株価はまさに1,500円を割るか割らないかのレベルで攻防していることが分かります。
2016年6~7月にかけて、いったん1,208円という安値を更新したものの、その後は一転上昇し、元の1,500円台の攻防に復帰。1,500円割れを何度もトライしていますが、買い圧力の強さも見過ごすことはできません。
現在は12月16日の高値2,066円から下落して、再度1,500円の壁に跳ね返された段階です。ここから先、再度1,500円割れを狙いに行くのか、それともレンジ相場の上限2,000円付近を狙いに行くのか、重要なポイントに位置しています。
まとめ
現在のマツダ株の1,500円台という値位置は、2016年2月から継続するレンジ相場の中にあるとも言えます。
週足で見ると下落トレンドのマツダ株は、1,500円割れのトライを複数回行っており、今後1,500円を明確に割れると、株価が一気に下落する懸念があります。ただし、複数回行われている攻防だけに、1,500円は割れないと市場が判断した際は、テクニカル的には一気に上昇の可能性もあるでしょう。
この1,500円台を巡る攻防は今後どのような展開となるのでしょうか。マツダ株の行方に注目したいと思います。
LIMO編集部